交通工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 交通工学
科目番号 0230 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「交通工学」元田良孝編著 森北出版
担当教員 橋本 淳也

到達目標

1.交通の現状を把握し,交通渋滞や交通事故など,交通に起因する社会問題を認識する.
2.交通量調査の企画,調査方法を理解し,結果を集計した図表を読むことができる.
3.交通流の様子を表す交通流率,交通密度,速度の関係から,交通現象を説明できる.
4.道路事業に関連する法律や制度,財源について理解し,道路事業のしくみを把握できる.
5.TDMやITSをはじめとした,交通施策の手法について説明することができる.
6.公共交通システムの現状や問題点,都市計画との関連などを説明することができる.
7.交通需要予測の手順ならびに手法を理解し,交通量を理論的に予測することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.交通の現状を把握し,交通渋滞や交通事故など,交通に起因する社会問題を認識する.交通の現状を把握し,交通に起因する社会問題について,詳しく説明することができる.交通の現状を把握し,交通に起因する社会問題について認識できる.交通の現状を把握できない.または交通に起因する社会問題について説明することができない.
2.交通量調査の企画,調査方法を理解し,結果を集計した図表を読むことができる.交通量調査の調査方法および目的を説明することができ,結果を集計した図表から交通の状況を詳細に把握できる.交通量調査の調査方法を説明することができ,結果を集計した図表から,交通の状況をおおよそ把握することができる.交通量調査の調査方法および目的を説明できず,結果を集計した図表から,交通の状況を把握することができない.
3.交通流の様子を表す交通流率,交通密度,速度の関係から,交通現象を説明できる.交通流の様子を表す指標から,交通現象を説明することができ,その他の指標の算出などへ適用できる.交通流の様子を表す指標から,交通現象を説明することができる.交通流の様子を表す指標から,交通現象を説明することができない.
4.道路事業に関連する法律や制度,財源について理解し,道路事業のしくみを把握できる. 道路事業に関連する法律や制度,財源の視点から道路事業のしくみを説明することができる.道路事業に関連する法律や制度,財源について説明することができる.道路事業に関連する法律や制度,財源などを説明することができない.道路事業のしくみを説明できない.
5.TDMやITSをはじめとした,交通施策の手法について説明することができる. TDMやITSをはじめとした,交通施策の概要,効果について詳しく説明することができる.TDMやITSをはじめとした,交通施策の概要について説明することができる.TDMやITSをはじめとした,交通施策の概要について説明することができない.
6.公共交通システムの現状や問題点,都市計画との関連などを説明することができる.公共交通システムの現状や問題点,都市計画との関連などを説明することができる.公共交通システムの現状や問題点を説明することができる.公共交通システムの現状や問題点,都市計画との関連などを説明することができない.
7.交通需要予測の手順ならびに手法を理解し,交通量を理論的に予測することができる.交通需要予測の手順ならびに手法を詳しく説明でき,適切な手法で交通量を理論的に予測することができる.交通需要予測の手順ならびに手法を理解し,将来交通量を算出することができる.交通需要予測の手順,手法を説明できない.交通量を理論的に予測することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は,人々の社会・経済活動や都市の有する機能に不可欠な交通システムや交通施設に関する基礎知識の習得を狙いとする.具体的には,自動車,バス交通を中心に,道路事業やバス事業に関する政策,交通に起因する社会問題,交通現象の工学的取り扱いについて講義を行う.地域・都市計画系科目の一つで,本校カリキュラムでは計画学や都市計画の具体的・実践的な科目に位置付けられる.

■関連科目
4年:計画学,土木設計演習Ⅰ,地域及び都市計画
授業の進め方・方法:
交通の中心となっている自動車・バス交通に重点的に取り扱う.講義は教科書を中心に進め,映像やスライド,プリントで補足する.前半は自動車交通を工学的に扱うための数学的表現を中心に講義し,後半は交通事故や渋滞などの社会問題を認識し,それを解決する政策や技術的手法について講義する.

・授業中に問題提起を行う.それに対する意見を述べることができるよう自学自習に取り組む.また,そのための情報収集も積極的に行う.

・ 日常の生活に欠かせない交通.現在は生活環境破壊,交通事故をはじめとした大きな社会問題となっています.この授業を通して皆さんと考えていきたいと思います.
注意点:
* 2回の定期試験(達成目標1~7)と課題①(交通系論文の要約:達成目標1~7)・課題②(交通需要予測演習:達成目標7)により到達度を評価する.
* 定期試験を70%,課題①・②を30%で評価し,60点以上を合格とする
* 上式での評価が60点に満たない者については,到達度を確認するための試験を1回実施し,上記の評価と到達度の確認試験の平均点が60点以上となれば,評価を60点(合格)とする.

・交通の分野は幅広く,社会情勢により変化するため,新聞,インターネット等のメディアを通して主体的,積極的に情報収集することが必要です.
・講義内容との関連する情報を収集し,知識だけではなく事例・適用例などをまとめる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(シラバスの説明)
2週 交通の現状と社会問題 交通・自動車に起因する社会問題について説明できる。
3週 交通量調査 主な調査の目的と方法について説明できる。
4週 交通需要予測 -四段階推定法の概要- 四段階の流れについて説明できる。
5週 交通需要予測 -交通量の将来予測①- 四段階推定法で用いられるモデルについて説明できる
6週 交通需要予測 -交通量の将来予測②- 四段階推定法の演算できる。
7週 渋滞のメカニズム 交通流の数学モデルの説明ができる。
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 道路事業のしくみ -法政と財源- 道路事業の仕組みについて説明できる。
11週 交通とまちづくり まちづくりにおける交通の役割について説明できる。
12週 モビリティマネジメントと交通需要マネジメント 具体的施策について説明できる
13週 公共交通の現状と課題 公共交通の現状と課題について説明できる
14週 交通と情報技術 具体的施策について説明できる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画交通流調査(交通量調査、速度調査)、交通流動調査(パーソントリップ調査、自動車OD調査)について、説明できる。4前3
交通需要予測(4段階推定)について、説明できる。4前4,前5,前6
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。4前7

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100