環境衛生工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 環境衛生工学
科目番号 0232 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 環境衛生工学,奥村 充司・大久保 孝樹共著,コロナ社
担当教員 藤野 和徳

到達目標

1.上水道システムについて理解し,説明することができる。
2.下水道システムについて理解し,説明することができる。
3.配水管の管網計算をすることができる。
4.雨水管の流量,管径を計算することができる。
5.代表的な水質項目を挙げ,説明することができる。
6.浄水や汚泥処理といった浄化技術について理解し,説明することができる。
7.水系の自浄作用を説明することができる。
8.廃棄物処理のしくみを説明することができる。
9.地球環境問題を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.上水道システムについて理解し,説明することができる。 上水道システムについて理解し,詳細に説明することができる。 上水道システムについて理解し,説明することができる。 上水道システムについて理解し,説明することができない。
2.下水道システムについて理解し,説明することができる。 下水道システムについて理解し,詳細に説明することができる。 下水道システムについて理解し,説明することができる。 下水道システムについて理解し,説明することができない。
3.配水管の管網計算をすることができる。配水管が管網であることを説明し,管網計算をすることができる。配水管の管網計算をすることができる。配水管の管網計算をすることができない。
4.雨水管の流量,管径を計算することができる。 雨水管の流量・管径を求めることができる。 雨水管の流量・管径を求める方法を説明することができる。 雨水管の流量,管径を計算することができない。
5.代表的な水質項目を挙げ,説明することができる。 BOD,pH,浮遊物質を詳細に説明することができる。 BOD,pH,浮遊物質を説明することができる。 BOD,pH,浮遊物質を詳細に説明することができない。
6.浄水や汚泥処理といった浄化技術について理解し,説明することができる。 浄水や汚泥処理といった浄化技術について理解し,詳細に説明することができる。 浄水や汚泥処理といった浄化技術について理解し,説明することができる。 浄水や汚泥処理といった浄化技術について理解し,説明することができない。
7.水系の自浄作用を説明することができる。 水系の自浄作用を詳細に説明することができる。 水系の自浄作用を説明することができる。 水系の自浄作用を説明することができない。
8.廃棄物処理のしくみを説明することができる. 廃棄物処理のしくみを詳細に説明することができる. 廃棄物処理のしくみを説明することができる. 廃棄物処理のしくみを説明することができない.
9.地球環境問題を説明することができる. 地球環境問題を詳細に説明することができる. 地球環境問題を説明することができる. 地球環境問題を説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
環境衛生工学は生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的に調査や必要な施設の計画、実施、運営を取り扱うものである。授業は上水道・下水道を主に浄化機構などシステムの役割を学び、都市環境の維持について考える。また,水環境の維持や,廃棄物処理の仕組みについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は上水道、下水道システムの各処理プロセスの目的・機能を解説し、各単元で代表的な問題を解き理解を深めていく。下水処理については、処理施設を見学して理解を深める。上水道では配水管の管網計算の演習を,下水道では雨水管の流量,管径を求める演習を行う。また,水質保全については過去の公害を取り上げ、社会や自然への影響を考える。
注意点:
* 最終成績の算出方法は、4回の定期試験を平均した点数とレポート点をもとに、次の式で算出する。
定期試験の平均点(80%)+レポート点(20%)
* 上記の式で算出した最終成績が60点以上で合格とする。60点に満たない学生は、学習状況に応じて到達度確認試験で達成度を確認する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境問題の概説 地球環境問題および環境と人の健康との関わりを説明できる。
2週 上水道システムの概説 上水道システムについて理解することができる.
3週 上水道計画 上水道システムについて理解することができる.
4週 上水の水質 上水道システムについて理解することができる.代表的な水質項目を挙げ,説明することができる。
5週 取水施設(地表水) 上水道システムについて理解することができる.
6週 取水施設(地下水) 上水道システムについて理解することができる.
7週 導水および送水施設 上水道システムについて理解することができる.
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 浄水施設と浄化原理① 上水道システムについて理解することができる.浄化技術について理解することができる.
10週 浄水施設と浄化原理② 上水道システムについて理解することができる.浄化技術について理解することができる.
11週 配水施設,配水管網 上水道システムについて理解することができる.配水管の管網計算をすることができる.
12週 配水管網計算演習 上水道システムについて理解することができる.配水管の管網計算をすることができる.
13週 給水施設 上水道システムについて理解することができる.
14週 ポンプ施設,特殊浄水処理 上水道システムについて理解することができる.浄化技術について理解することができる.
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 下水道システムの総説 下水道システムについて理解することができる.
2週 下水道計画:計画汚水量 下水道システムについて理解することができる.
3週 計画雨水量 下水道システムについて理解することができる.
4週 下水の水質 下水道システムについて理解することができる.代表的な水質項目を挙げ,説明することができる.
5週 下水管路 下水道システムについて理解することができる.雨水管の流量,管径を計算することができる.
6週 下水処理:活性汚泥法 下水道システムについて理解することができる.浄化技術について理解することができる.
7週 汚泥処理 下水道システムについて理解することができる.浄化技術について理解することができる.
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 廃棄物の発生源と現状 廃棄物の発生源と現状について、説明できる。
10週 廃棄物の収集・処理・処分 廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。
11週 廃棄物の減量化・再資源化 廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。
12週 廃棄物対策 廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。
13週 生態工学・生物多様性の現状と危機 生物多様性の現状と危機について、説明できる。
14週 生態工学・施策 生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境と人の健康との関わりを説明できる。3前1
水の物性、水の循環を説明できる。4前1,前2,後13
水質指標を説明できる。4前1,前2,前4,後13
水質汚濁の現状を説明できる。4後1,後13
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。4後4
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4後4
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。4後5,後12
物質循環と微生物の関係を説明できる。4後4,後10,後11
水道の役割、種類を説明できる。4前3,前6,前7,前13,前14
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。4前3,前4,前6,前7,前11,前12,前13,前14
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。4前9,前10,前13,前14
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。4後3,後9
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。4後2,後6
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。4後7,後12
汚泥処理・処分について、説明できる。4後7,後12,後14
微生物の定義(分類、構造、機能等)を説明できる。4後10,後11
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。3後9
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。3後10
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。3後11
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。3後12
生物多様性の現状と危機について、説明できる。3後13
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000