土木構造設計

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 土木構造設計
科目番号 0238 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「最新 橋構造 第3版」倉西茂・中村俊一 共著,森北出版
担当教員 岩坪 要

到達目標

1.橋梁の種類と役割を説明することができる。
2.構造設計手法の考え方を説明することができる。
3.構造物に作用する荷重の種類や材料特性を説明できる。
4.橋梁形式の特徴を説明することができる。
5.プレートガーダー橋の断面設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1橋梁の種類と特徴を説明することができる。橋梁の種類と役割が説明できる。橋梁の違いが解らない。
評価項目2許容応力度設計法と他の設計方法の違いが説明できる。許容応力度の計算ができる。許容応力度設計法が説明できない。
評価項目3構造設計に用いる荷重と使用材料の説明と設定ができる。構造物に作用する荷重と,使用する材料の種類が説明することができる。構造物に作用している荷重と使用する材料の種類が答えられない。
評価項目4橋梁形式の種類と特徴が説明できる。橋梁形式の種類が説明できる。橋梁形式の種類が分からない。
評価項目5短スパンのプレートガーダー橋の設計ができる。設計の流れが説明できる。構造設計の流れが説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
土木構造物は,鋼材やコンクリートなどの材料特性を踏まえながら,様々な規定や考え方に基づいて設計されている。その考え方は設計時だけでなく,インフラの維持管理・補修でも必要な考え方である。本科目では,橋梁を代表構造物として構造設計の一般事項を中心に学ぶ。
授業の進め方・方法:
テキストを中心に授業を進める。講義の中では最近の話題提供や実際の橋梁見学を適宜(条件が合えば)行い,演習問題を通じて構造物の設計について理解を深めることとする。また,本科目は学修単位であるため,自学としてプレートガーダー橋の断面設計の設計課題を課すこととする。
注意点:
テキストの説明はごく一般的な説明文であるが,その説明文から実際の構造がイメージできることが望ましい。そのためには実際の橋梁を見ることが一番であるが,見えない部位もあるし,全ての橋梁形式が身の回りにあるとは限らない。その部分はインターネットでの橋梁写真を見ることをお勧めする。また,設計上の考え方は構造物を見て想像することでも学習できる。このように,単なる知識の修得のみならず,自ら知識を広げる学修を心掛けるとよい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義ガイダンス 本科目の学習目標が理解できる
2週 橋梁の歴史と種類 橋梁の歴史から橋梁の役割を理解することができる
3週 橋の設計法 構造設計の基準となっている設計方法が説明できる
4週 作用と荷重 設計で想定する荷重の説明ができる
5週 材料 構造材料の種類と鋼材の性質が説明できる
6週 耐荷性能と部材設計 鋼部材の設計手法が説明できる
7週 前期中間試験 これまでの講義内容をまとめる
8週 試験の返却と解説
桁橋
試験のまとめ
桁橋の説明ができる
2ndQ
9週 プレートガーダー プレートガーダー橋の特徴と設計を理解する
10週 合成桁 合成構造の特徴が説明できる
11週 トラス橋 トラス構造の特徴が説明できる
12週 アーチ橋 アーチ構造の特徴が説明できる
13週 吊橋 吊形式構造の特徴が説明できる
14週 斜張橋 斜張橋の特徴が説明できる
15週 前期定期試験
課題レポートの提出
これまでの講義内容をまとめる
16週 試験の返却と解説 講義のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。3
構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前6,前9
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4前6,前10
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4前6,前9
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4前11
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4前11
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4前4,前9
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4前4,前9
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4前6,前9,前10
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4前4,前10
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4前6
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4前6,前11,前12
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4前2,前3,前6
橋の構成、分類について、説明できる。4前2,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4前4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4前3,前6
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4前6,前9,前11
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4前9
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前9
計画性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000