河川海岸工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 河川海岸工学
科目番号 0246 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「河川工学」 川合 茂著、コロナ社
担当教員 上久保 祐志

到達目標

1.河川の地形学について,説明することができる.
2.水の循環および降雨特性について説明することができる.
3.各種の流出解析法の特徴を理解し、流出解析ができる。
4.河川における治水,利水の在り方を理解し,河川構造物について説明することができる.
5.海における災害と対処法について説明することができる
6.河川海岸における水害に対して,防災減災方法を理解し説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.河川の地形学について,説明することができる.河川の分類と流域,流れ作用,河道形状について説明することができ,我が国における具体的な場所を例示することができる.河川の分類と流域,流れ作用,河道形状について説明することができる.河川の分類と流域,流れ作用,河道形状について説明することができない.
2.水の循環および降雨特性について説明することができる.降雨が発生するメカニズムを,熱力学を用いて詳細に説明することができる.降雨が発生するメカニズムを説明することができる.降雨が発生するメカニズムを説明することができない.
3.各種の流出解析法の特徴を理解し、流出解析ができる。流出解析法であるタンクモデルの特徴を十分に説明でき,流出解析を行うことができる.流出解析法であるタンクモデルの特徴を説明でき,流出解析を行うことができる.流出解析法であるタンクモデルの特徴を説明できず,流出解析を行うことができない.
4.河川における治水,利水の在り方を理解し,河川構造物について説明することができる. 治水と利水の重要性およびこれまで設置している河川構造物について説明することができ,更に環境や利用といった側面についての調和を説明することができる. 治水と利水の重要性およびこれまで設置している河川構造物について説明することができる. 治水と利水の重要性およびこれまで設置している河川構造物について説明することができない.
5.海における災害と対処法について説明することができる 津波・高潮・高波・うねり・離岸流について,その発生メカニズムと対処法を説明することができる. 津波・高潮について,その発生メカニズムと対処法を説明することができる. 津波・高潮について,その発生メカニズムと対処法を説明することができない.
6.河川海岸における水害に対して,防災減災方法を理解し説明することができる. ハードソフト一体となった防災システムについて,最新の研究成果を交えて説明することができる. これまで行われてきたハード防災対策について,説明することができる. これまで行われてきたハード防災対策について,説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
河川工学は私たちと河川との共生を経験的・理論的・技術的に体系づけた工学であり、流域における河道およびその周辺の災害の防御(治水)、水資源の確保と有効利用(利水)、および水域の環境保全を取り扱う科目である。一方、海岸工学のベースとなる「波」の基本的な性質や発生メカニズムを理解し、防災と環境の両面から必要とされる知識を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義の内容は、河川の水理および河川の地形学、河川の水文学、流砂、河川計画、河川構造物である。講義は各項目について説明を行い、時間のとれる限り演習を行い、理解を深めていく。この科目は、自然との関わりを考慮したうえで、河川計画を行える能力を養うことが最終目標である。また,海岸工学の基礎となる事柄について詳細に解説しながら講義を進める。特に、沿岸域の防災と環境の調和を目指せる知識を学ぶ。
注意点:
授業後は内容や背景等を調べると共に、実施内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図ること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 開水路の定常流れ(開水路の不等流) 開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。
2週 河川工学概論 河川の文化文明および歴史について,基本的なことを説明することができる。河川の管理と整備について、説明できる。
3週 河川の地形学(河川の分類と流域) 河川の分類と流域について、説明できる。
4週 河川の地形学(流れ作用と河川形状) 河川の分類と流域について、説明できる。
5週 水の循環(降雨特性) 水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。
6週 水の循環(水文量の観測方法と流域平均雨量) 水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。
7週 前期中間試験
8週 試験の返却と解説
2ndQ
9週 流出解析法(1) 水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。更に流出解析を行うことができる。
10週 流出解析法(2) 水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。更に流出解析を行うことができる。
11週 河川と治水(水文統計と河川計画) 河道およびダムによる洪水対策を説明できる。都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。
12週 河川と利水(水資源の現状) 日本の水資源の現況について、説明できる。
13週 河川と環境 河川環境について、説明できる。
14週 河川構造物 河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。
15週 演習
16週 試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 海岸防災(海岸工学概論) 海岸の文化文明および歴史について,基本的なことを説明することができる。
2週 海岸防災(波の諸元と微少振幅波理論) 波の基本的性質を説明できる
3週 海岸防災(浅水変形,砕波) 波の基本的性質を説明できる
4週 海岸防災(風波の発生と発達) 海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。
5週 海岸防災(海岸における災害と対処方法) 海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。津波と高潮の特徴を説明できる。
6週 海岸防災(海岸構造物に作用する波圧と波力) 波の基本的性質を説明できる
7週 後期中間試験
8週 試験の返却と解説
4thQ
9週 防災と減災、ハード対策とソフト対策 防災・減災に対するハード対策とソフト対策例を説明できる。
10週 水害に対する防災および減災(1) 防災手法を,既存の取組をヒントにハードソフト両面で考え,提案できるようにする(グループワーク)
11週 水害に対する防災および減災(2) 防災手法を,既存の取組をヒントにハードソフト両面で考え,提案できるようにする(グループワーク)
12週 水害に対する防災および減災(3) 防災手法を,既存の取組をヒントにハードソフト両面で考え,提案できるようにする(グループワーク)
13週 水害に対する防災および減災(4) 防災手法を,既存の取組をヒントにハードソフト両面で考え,提案できるようにする(グループワーク)
14週 水害に対する防災および減災(5) 防災手法を,既存の取組をヒントにハードソフト両面で考え,提案できるようにする(グループワーク)
15週 水害に対する防災および減災(6) 防災手法を,既存の取組をヒントにハードソフト両面で考え,提案できるようにする(グループワーク)
16週 試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3後4,後5
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。3前1
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。3前1
河川の分類と流域について、説明できる。3前3
河川の管理と整備について、説明できる。3前2,前3
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。3前5
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。3前6,前9,前10
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。3前11,前14
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。3前11
日本の水資源の現況について、説明できる。3前12
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。3前14
津波と高潮の特徴を説明できる。4後1,後2,後5
波の基本的性質を説明できる。3後2,後3,後5,後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000