生物工学実習

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 生物工学実習
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 実験に必要な資料は事前に配布する,フォトサイエンス生物図録,フォトサイエンス化学図録
担当教員 若杉 玲子,本田 晴香,吉永 圭介,富澤 哲

到達目標

□滅菌・無菌操作をして,微生物を培養することができる.
□酵素の性質を定量的または定性的に調べることができる.
□各種定性分析を理解し,安全かつ正確に実験できる.
□有機合成実験の単位操作を理解し実施できる.
□与えられた有機化合物の構造と機能の相関を理解できる.
□分光光度計を用いる定量法を理解し実施できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
滅菌・無菌操作および微生物の培養滅菌・無菌操作,微生物の培養の要点をよく理解し,必要なときに実施できる理解度がある。滅菌・無菌操作をして,微生物を培養することができる。滅菌・無菌操作,微生物の培養の要点が理解できない。
酵素の取り扱い基礎酵素の性質を定量的かつ定性的に調べ,無機触媒との相違点を説明できる。酵素の性質を定量的または定性的に調べることができる。酵素の性質を定量的または定性的に調べることができない。
定性・定量分析定性・定量分析の基礎や,分光光度計の基本的機能を理解し,必要なときに実施・解析できる 理解度がある。各種定性・定量分析を理解し, 安全かつ正確に実験できる。定性・定量分析の基礎や,分光 光度計の基本的機能やデータ を理解できない。
有機合成,単位操作有機合成実験の単位操作を理 解し,必要なときに安全に実施 できる理解度がある。有機合成実験の単位操作を理 解し実施できる。有機合成実験の単位操作が理解できない。
構造と反応性有機化合物の構造と機能の相関を理解し,化合物に応じて反応性の概要を予想できる理解度がある,または調べることができる。与えられた有機化合物の構造 と機能の相関を理解できる。与えられた有機化合物の構造 と機能の相関を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
別途開講される講義科目などで習得した生物工学の生物系,化学系の基礎知識を,実験を通して実際に体験し,それらの定着を図ることを目標とする.1年次の「生物工学基礎実習」と関連させて,生物工学分野で基本となる基礎的な実験実習の技術を修得する.実習では生物系,化学系の実験を行う際の留意事項や,基本的な実験操作を確実に身に付ける.
授業の進め方・方法:
各実験テーマを4名の担当者で実施する.生物系実習項目である「酵素の性質」を吉永が担当し,「微生物の培養」を富澤が担当する.化学系実習項目である「アセチルサリチル酸の合成および確認試験」を本田が担当し,「緩衝溶液」「食用色素の測定」を若杉が担当する.授業項目は実施時期が交代する場合がある.少人数グループで実験を行う.生物工学の諸分野で必須の基盤的な技術を配置し,実験の安全確保,身近な生物現象や化学現象を理解する事を目標としているので,一人一人が実験の基本的な技術(実験の準備,実際の実験手法,データを取る事の意味,データの解釈など)を修得できるよう積極的に参加しなければならない.
注意点:
実験実習は生物系・化学系を問わず生物工学の基礎となる.実験では安全に注意しながら正確に実験操作を行える様に努力をされたし.わからないことを素直に聞いて,正確な方法を身に付けることが必要である.
レポートは期限厳守で提出すること.質問は随時受け付けている.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 緩衝溶液 □目的濃度の溶液を調製できる。
□緩衝作用について理解できる。
□緩衝溶液の原理について理解できる。
□pHメーターの取扱いができる。
2週 分光光度計の使いから~食用色素の測定~ □目的濃度の溶液を調製できる。
□分光光度計による分析操作ができる。
3週 アセチルサリチル酸の合成および確認試験Ⅰ アセチルサリチル酸の合成反応を理解できる。
基本的な合成実験操作ができる。
4週 アセチルサリチル酸の合成および確認試験Ⅱ アセチルサリチル酸の加水分解反応を理解できる。
基本的な定性分析操作ができる。
5週 アセチルサリチル酸の合成および確認試験Ⅲ 分光光度計による定量分析操作ができる。
6週 まとめ(緩衝溶液・分光光度計)
7週 まとめ(アセチルサリチル酸)
8週 後期中間試験
4thQ
9週 酵素の性質Ⅰ
10週 酵素の性質Ⅱ
11週 酵素の性質まとめ
12週 微生物の培養Ⅰ 滅菌操作をする際の注意点を理解する。実験に必要な試薬の量を正しく計算できる。
13週 微生物の培養Ⅱ 無菌操作をする際の注意点を理解する。溶液の希釈について正しく計算できる。
14週 微生物の培養まとめ 実験結果を比較して考察できる。微生物実験に伴い発生する廃棄物の処理方法を理解する。
15週 学年末試験
16週 答案返却とまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後3,後4,後5,後12,後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後3,後4,後5,後12,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後3,後4,後5,後12,後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後3,後4,後5,後12,後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後3,後4,後5,後12,後13,後14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4後12,後13,後14

評価割合

レポート確認テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000