化学基礎

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 化学基礎
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学(東京書籍)/フォトサイエンス 化学図録(数研出版)、ニューステップアップ化学(東京書籍)
担当教員 本田 晴香

到達目標

1年生で学んだ化学の知識をベースに、「物質の変化」と「化合物の性質」を大きなテーマとして取り扱う。
一連の授業を通して、
1.気体・液体・固体の状態変化に伴う、物理量の変化を推測できる。
2.化学反応に伴うエネルギー収支、および、量的変化を推測できる。
3.周期表を活用して、代表的な無機化合物の化学的性質を予測できる。
4.分子式から、代表的な有機化合物の化学的性質を予測できる。
ようになることを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 気体・液体・固体の状態変化に伴う、物理量の変化を推測できる。気体・液体・固体の状態変化に伴う、物理量の変化を推測でき、応用できる。気体・液体・固体の状態変化に伴う、物理量の変化を推測できる。気体・液体・固体の状態変化に伴う、物理量の変化を推測できない。
評価項目2 化学反応に伴うエネルギー収支、及び、量的変化を推測できる。化学反応に伴うエネルギー収支、及び、量的変化を推測でき、応用できる。化学反応に伴うエネルギー収支、及び、量的変化を推測できる。化学反応に伴うエネルギー収支、及び、量的変化を推測できない。
評価項目3 周期表を活用して代表的な無機化合物の化学的性質を予測できる。周期表を活用して代表的な無機化合物の化学的性質を予測でき、応用できる。周期表を活用して代表的な無機化合物の化学的性質を予測できる。周期表を活用して代表的な無機化合物の化学的性質を予測できない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年次の「化学」では、私たちの身の周りの物質が「原子」という小さな粒子から出来ていること、その原子の構造や化学結合といった物質の構造、そして基本的な化学反応式の立て方について学んできました。
「化学基礎」では、化学の基礎となる知識をさらに増やすために、「物質の状態変化(気体・液体・固体)」、「化学反応に伴うエネルギーの出入り」、そして「無機化合物と有機化合物の一般的な化学的性質」について学びます。これらを通して、状態変化や化学変化の量的関係の扱い方、化学式からその化学物質の性質を推察できるようになることを目指します。
授業の進め方・方法:
基本的な座学形式で授業を行います。授業は教科書を中心に進めますが、必要に応じて補足資料のプリントを配布します。また、適宜課題を課すので、必ず取り組んでください。
1年間の授業の大まかな流れとして、前期では物質の「状態変化」や「化学反応とエネルギー」について、後期では「無機化合物と有機化合物の化学的性質とその応用」について学びます。
注意点:
*専門科目の基礎となる授業なので、日々の授業、課題にしっかり取り組むこと。
*質問はできる限り対応しますので、気軽に来室してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物質の状態と平衡(1) 物質の状態変化について理解し、説明できる。
2週 物質の状態と平衡(2) 気体の状態変化について理解し、説明できる。
3週 物質の状態と平衡(3) 気体の状態変化について理解し、説明できる。
4週 物質の状態と平衡(4) 液体の状態変化について理解し、説明できる。
5週 物質の状態と平衡(5) 液体の状態変化について理解し、説明できる。
6週 物質の状態と平衡(6) 液体の状態変化について理解し、説明できる。
7週 物質の状態と平衡(7) 固体の状態変化について理解し、説明できる。
8週 物質の状態と平衡(8) 固体の状態と平衡について理解し、説明できる。
2ndQ
9週 〔前期中間試験〕
10週 前期中間試験の答案返却と解説
化学反応とエネルギー(1)
反応熱と熱化学方程式について理解し、説明できる。
11週 化学反応とエネルギー(2) 反応熱と熱化学方程式について理解し、説明できる。
12週 化学反応とエネルギー(3) 反応熱と熱化学方程式について理解し、説明できる。
13週 化学反応とエネルギー(4) 電池と電気分解について理解し、説明できる。
14週 化学反応とエネルギー(5) 電池と電気分解について理解し、説明できる。
15週 〔前期定期試験〕
16週 前期定期試験の答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 無機物質(1) 周期表について理解し、説明できる。
2週 無機物質(2) 非金属元素の単体と化合物について理解し、説明できる。
3週 無機物質(3) 非金属元素の単体と化合物について理解し、説明できる。
4週 無機物質(4) 典型金属元素の単体と化合物について理解し、説明できる。
5週 無機物質(5) 典型金属元素の単体と化合物について理解し、説明できる。
6週 無機物質(6) 遷移元素の単体と化合物について理解し、説明できる。
7週 無機物質のまとめ 各無機物質の特徴について理解し、説明できる。
8週 〔後期中間試験〕
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と解説
有機化合物(1)
有機化合物の特徴と構造について理解し、説明できる。
10週 有機化合物(2) 炭化水素の特徴と構造について理解し、説明できる。
11週 有機化合物(3) 炭化水素の特徴と構造について理解し、説明できる。
12週 有機化合物(4) 酸素を含む有機化合物について理解し、説明できる。
13週 有機化合物(5) 酸素を含む有機化合物について理解し、説明できる。
14週 有機化合物(6) 芳香族化合物について理解し、説明できる。
15週 〔後期定期試験〕
16週 後期定期試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3後9
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。2後9
σ結合とπ結合について説明できる。1後9
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3後10
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。1後14
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3後11
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3後12,後13,後14
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3後11,後13,後14
高分子化合物がどのようなものか説明できる。2後15
無機化学価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3後2
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3後1
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3後1
イオン結合と共有結合について説明できる。3前1
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3前1
金属結合の形成について理解できる。3前1
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3前7
配位結合の形成について説明できる。3後6
水素結合について説明できる。3後6
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3後6
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。2後7
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。2後7
分析化学錯体の生成について説明できる。2後6
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3前2
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。2前3
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。2前3
混合気体の分圧の計算ができる。3前3
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。2前3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。3前4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。3前5
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。2前10
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3前13,前14
化学工学SI単位への単位換算ができる。3前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000