概要:
1年次の「化学」では、私たちの身の周りの物質が「原子」という小さな粒子から出来ていること、その原子の構造や化学結合といった物質の構造、そして基本的な化学反応式の立て方について学んできました。
「化学基礎」では、化学の基礎となる知識をさらに増やすために、「物質の状態変化(気体・液体・固体)」、「化学反応に伴うエネルギーの出入り」、そして「無機化合物と有機化合物の一般的な化学的性質」について学びます。これらを通して、状態変化や化学変化の量的関係の扱い方、化学式からその化学物質の性質を推察できるようになることを目指します。
授業の進め方・方法:
基本的な座学形式で授業を行います。授業は教科書を中心に進めますが、必要に応じて補足資料のプリントを配布します。また、適宜課題を課すので、必ず取り組んでください。
1年間の授業の大まかな流れとして、前期では物質の「状態変化」や「化学反応とエネルギー」について、後期では「無機化合物と有機化合物の化学的性質とその応用」について学びます。
注意点:
*専門科目の基礎となる授業なので、日々の授業、課題にしっかり取り組むこと。
*質問はできる限り対応しますので、気軽に来室してください。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 後9 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 2 | 後9 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 1 | 後9 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 3 | 後10 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 1 | 後14 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 3 | 後11 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | 後12,後13,後14 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | 後11,後13,後14 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 2 | 後15 |
無機化学 | 価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | 後2 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | 後1 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 3 | 後1 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 3 | 前1 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 3 | 前1 |
金属結合の形成について理解できる。 | 3 | 前1 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 3 | 前7 |
配位結合の形成について説明できる。 | 3 | 後6 |
水素結合について説明できる。 | 3 | 後6 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 3 | 後6 |
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 2 | 後7 |
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。 | 2 | 後7 |
分析化学 | 錯体の生成について説明できる。 | 2 | 後6 |
物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 3 | 前2 |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 2 | 前3 |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。 | 2 | 前3 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 3 | 前3 |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 2 | 前3 |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 前4 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | 前5 |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 2 | 前10 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 3 | 前13,前14 |
化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 3 | 前2 |