分析化学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 分析化学I
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 数研出版「化学」「化学基礎」、数研出版「フォトサイエンス化学図録」、数研出版「リードLightノート化学」
担当教員 濱邊 裕子

到達目標

1年生で学んだ化学の知識をベースに、分析化学の基礎となる「定性分析」「酸化還元反応」「電池と電気分解」「化学平衡」「酸塩基反応」について学ぶ。到達目標は以下の3項目である。
1. 代表的な陽・陰イオンの定性分析について理解する。
2. 酸化還元反応、酸塩基反応の量的関係を理解する。
3. 電池や電気分解のしくみとともに、回路に流れた電気量と物質の変化量の関係を理解する。
4. 化学平衡について成り立つ法則や電解質水溶液の平衡を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
酸化還元反応酸化還元反応について理解し、知識を利活用できる。酸化還元反応について基本的な事項を理解できる。酸化還元反応について理解できない。
金属のイオン化傾向と電池金属のイオン化傾向と電池について理解し、知識を利活用できる。金属のイオン化傾向と電池について基本的な事項を理解できる。金属のイオン化傾向と電池について理解できない。
電気分解電気分解について理解し、知識を利活用できる。電気分解について基本的な事項を説明できる。電気分解について理解理解できない。
定性分析(陽イオン・陰イオン)定性分析について理解し、知識を利活用できる。定性分析について基本的な事項を説明できる。定性分析について理解できない。
化学平衡の法則・ルシャトリエの法則化学平衡の法則・ルシャトリエの法則について理解し、知識を利活用できる。化学平衡の法則・ルシャトリエの法則について基本的な事項を理解できる。化学平衡について理解できない。
酸塩基平衡酸塩基平衡について理解し、知識を利活用できる。酸塩基平衡について基本的な事項を理解できる。酸塩基平衡について理解できない。
溶解度・溶解度積溶解度・溶解度積について理解し、知識を利活用できる。溶解度・溶解度積について基本的な事項を理解できる。溶解度・溶解度積について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年次の「化学」では、私たちの身の周りの物質が「原子」という小さな粒子から出来ていること、その原子の構造や化学結合といった物質の構造、そして基本的な化学反応式の立て方、無機化合物の一般的な化学性質について学んできました。
「分析化学Ⅰ」では、化学の基礎となる知識をさらに増やすために、「代表的な陽・陰イオンの定性分析」、「酸化還元反応」、「酸塩基反応」、「電池と電気分解」、「化学平衡」について学びます。これらを通して、化学変化の量的関係の扱い方、化学式からその化学物質の性質を推察できるようになることを目指します。
授業の進め方・方法:
基本的な座学形式で授業を行います。授業は教科書を中心に進めますが、必要に応じて補足資料のプリントを配布します。また、適宜課題を課すので、必ず取り組んでください。
注意点:
*専門科目の基礎となる授業なので、日々の授業、課題にしっかり取り組むこと。
*質問はできる限り対応しますので、気軽に来室してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
定性分析・定量分析
いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について説明できる。
2週 酸化還元反応
酸化還元反応の量的関係①
酸化還元反応ついて説明できる。
3週 酸化還元反応の量的関係② 酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤および還元剤の濃度計算ができる。
4週 金属のイオン化傾向
電池のしくみ
イオン化傾向について説明できる。
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。
電池の仕組みを理解する。
5週 一次電池 一次電池についてその反応を説明できる。
6週 二次電池
電気分解
二次電池についてその反応を説明できる。
7週 電気分解 電気分解反応ついて説明できる。
ファラデー定数による計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
化学平衡
化学平衡について説明できる。
平衡定数の計算ができる。
10週 平衡状態の変化 諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。
11週 電解質溶液の化学平衡(電離平衡、水のイオン積、電離度と平衡定数、pH) 電離平衡について理解し、物質量に関する計算ができる。
12週 酸塩基平衡
酸塩基反応の量的関係
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。
13週 酸塩基平衡
緩衝液
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。
緩衝溶液を説明できる。
14週 難溶性塩の水溶液中の平衡 溶解度積について理解し、計算ができる。
15週 後期定期試験
16週 試験返却と解説・まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学酸化還元反応について説明できる。3後12,後13
イオン化傾向について説明できる。3後12,後13
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後12,後13
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後12,後13
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後12,後13
一次電池の種類を説明できる。3後12,後13
二次電池の種類を説明できる。3後12,後13
電気分解反応を説明できる。3後14
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後14
ファラデーの法則による計算ができる。3後15
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。2
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。2
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。2
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。2
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。2
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。2
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3後15

評価割合

定期試験中間試験課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力25251060
専門的能力15151040
分野横断的能力0000