物理化学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学II
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 物理化学 (実況出版) 配布プリント
担当教員 二見 能資

到達目標

1.反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。
2.反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。
3.微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
4.連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。
5.律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。
6.熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。
7.エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。
8.化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。
9.エンタルピーの温度依存性を計算できる。
10.内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,反応速度の定義と実験的決定方法の説明と活用ができる。反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できない。
評価項目2自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,反応速度定数、反応次数の概念を理解して説明でき、計算により求めることができる。反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができない。
評価項目3自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,微分式と積分式が相互に変換できて半減期などの算出に活用できる。微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められない。
評価項目4自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,連続反応、可逆反応、併発反応等の微分式や積分式を導出し、半減期等を求めることができる。連続反応、可逆反応、併発反応等の微分式や積分式を導出できる。連続反応、可逆反応、併発反応等の微分式や積分式を導出できない。
評価項目5自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,律速段階近似、定常状態近似等を理解し、様々な反応モデルに応用できる。律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できない。
評価項目6自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,熱力学の第一法則の定義と適用方法を数式を踏まえて説明できる。熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できない。
評価項目7自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,エンタルピーの定義と適用方法を数式を踏まえて説明できる。エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。エンタルピーの定義と適用方法を説明できない。
評価項目8自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,化合物の標準生成エンタルピーを計算して活用できる。化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。化合物の標準生成エンタルピーを計算できない。
評価項目9自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,エンタルピーの温度依存性を計算して活用できる。エンタルピーの温度依存性を計算できる。エンタルピーの温度依存性を計算できない。
評価項目10自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明して活用できる。内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・本科目では、2年次までに学んだ化学、物理化学Ⅰ,分析化学I、および、数学I,数学II、物理Ⅰを基礎に,生物化学システム工学科の特色に応じた内容として、化学反応速度論の基礎と、原子・分子の熱運動とそのマクロ現象である仕事の関係を体系化した熱力学の基礎を学ぶ。
・講義では、生物化学システム分野を専攻する学生が興味をもち取り組めるよう、生命、物質、工学分野に関連する事項についても触れる。
*実務との関係
この科目は、企業で機能性無機材料の開発を担当した教員がその経験を生かし、材料特性評価の基礎となる反応速度論と相転移や反応熱などの熱分析の基礎となる熱力学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
・講義形式で実施し、教科書と資料を中心に進めます。
・前回分の復習、本題の説明、必要に応じて演習を行ます。
・必要に応じて課題を課します。
注意点:
・講義前は、教科書に目を通してください。
・講義後は、講義のノート、配布資料を基に、教科書の例題、章末問題をまず自分で考えてください。その後、解答を参照して離解できなかった点を再度復習して、基本事項を着実に身に着けてください。
・疑問点は放置せずに、質問してください。
・図書館を活用して、関連すると思われる本を見つけて読み、知見を広げてください。
・学友と議論を交わし、見識を深めてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 本講義の到達目標、評価、概要、講義の進め方、評価割合を確認する。
2週 化学反応速度1 反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。
3週 化学反応速度2 一次反応の微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
4週 化学反応速度3 併発反応の微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
5週 化学反応速度4 二次反応の微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
6週 化学反応速度5 連続反応の微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
7週 化学反応速度6 可逆反応の微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の解説
熱力学の第一法則1
中間試験の解説
基礎となる用語(状態量、示量因子・示強因子、系・外界・境界、熱容量、仕事など)、および、理想気体の特徴の確認
10週 熱力学の第一法則2 熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。
11週 熱力学の第一法則3 エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。
12週 熱力学の第一法則4 化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。
13週 熱力学の第一法則5 エンタルピーの温度依存性を計算できる。
14週 熱力学の第一法則6 内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。
15週 前期末試験
16週 学年末試験の解説 学年末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4後10
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4後11
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後12
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4後13
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4後14,後15
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4後2
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4後2
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4後3,後4,後5,後6,後7
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4後5,後6,後7
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4後7

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000