生化学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生化学II
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー生物有機化学(丸善出版)/生命科学(羊土社)
担当教員 最上 則史

到達目標

本講義では、「生体分子の代謝機構」および「エネルギー獲得の仕組み」を大きなテーマとして取り扱う。その中で、
1.酵素反応機構・酵素反応速度論について説明できる。
2.生化学的なエネルギーの発生機構を説明できる。
3.炭水化物(糖)の代謝機構を理解し、説明できる。
ようになることを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素反応を理解し、明確に説明できる。酵素反応を理解し、説明できる。酵素反応を理解できず、説明できない。
評価項目2生化学エネルギーの獲得機構を理解し、明確に説明できる。生化学エネルギーの獲得機構を理解し、説明できる。生化学エネルギーの獲得機構を理解できず、説明できない。
評価項目3炭水化物(糖)の代謝機構を理解し、明確に説明できる。炭水化物(糖)の代謝機構を理解し、説明できる。炭水化物(糖)の代謝機構を理解できず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ヒトを含めた生物(生体)は、様々な分子で構成され、様々な化学反応が起こることで生命活動を維持している。この授業では、各生体分子の代謝機構、およびその全体の流れによるエネルギーの生産・獲得機構について学ぶ。
授業の進め方・方法:
主に教科書に沿って進めるが、必要に応じてプリントを配布する。適宜課題を課すので、自主的に取り組むこと。
マクマリーの第2章(酵素とビタミン)、4章(生化学エネルギーの発生)について主に進める。
注意点:
*1~2年次の講義内容を把握していることが重要。しっかり復習しておくこと。
*成績評価について:計2回の試験で評価し、最終的な平均点が60点以上で合格点とする。課題未提出者には再試験を実施しない。
*質問は出来る限り対応したいと思っているので、気軽に来室してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1~2年次の復習
本講義の到達目標、評価、概要、講義の進め方を把握し、これまでの学習内容を復習する。
2週 酵素とビタミン 酵素による触媒作用・酵素の補助因子・酵素の分類について説明できる。
3週 酵素とビタミン 酵素の作用機構について説明できる。
4週 酵素とビタミン 酵素反応速度について説明できる。
5週 酵素とビタミン 酵素反応の阻害・調節について説明できる。
6週 酵素とビタミン ビタミンとミネラルについて説明できる。
7週 酵素とビタミンのまとめ 上記の内容について、自分の言葉でまとめ、説明できる。
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 前期中間試験の答案返却と解説
10週 生化学エネルギーの発生 エネルギーと生化学反応の関わりについて説明できる。
11週 生化学エネルギーの発生 代謝の方法について説明できる。
12週 生化学エネルギーの発生 クエン酸回路について説明できる。
13週 生化学エネルギーの発生 電子伝達系とATP生産について説明できる。
14週 生化学エネルギーの発生 抗酸化ビタミンについて説明できる。
15週 生化学エネルギーの発生のまとめ 上記の内容について、自分の言葉でまとめ、説明できる。
16週 【前期期末試験】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前10
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前10
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4前2
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4前3,前4,前5
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4前6
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4前12
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前13
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4前11
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000