電気電子工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子工学
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「基礎 電気・電子工学」監修 宮入庄太・磯部直吉・前田明志、東京電機大学出版局
担当教員 中島 晃

到達目標

1.直流回路の電圧や電流を計算することができる。
2.交流回路の電圧や電流を計算することができる。
3.過渡現象を理解し、電流や電圧を計算することができる。
4.ダイオードやトランジスタの動作原理を説明することができる。
5.組み合わせ回路や順序回路を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直流回路の電圧や電流を各種法則を用いて計算することができる。直流回路の電圧や電流をオームの法則を用いて計算することができる。直流回路の電圧や電流を計算することができない。
評価項目2複数の素子を用いた交流回路の電圧や電流を計算することができる。単一素子を用いた交流回路の電圧や電流を計算することができる。交流回路の電圧や電流を計算することができない。
評価項目3過渡現象を理解し、3つ以上の素子を用いた電流や電圧を計算することができる。過渡現象を理解し、2つの素子を用いた回路の電流や電圧を計算することができる。過渡現象を理解し、電流や電圧を計算することができない。
評価項目4ダイオードやトランジスタの動作原理を理解し、これらの素子を用いた回路の動作を説明できる。ダイオードやトランジスタの動作原理を説明することができる。ダイオードやトランジスタの動作原理を説明することができない。
評価項目5組み合わせ回路や順序回路を説明することができ、自分で回路を設計することができる。組み合わせ回路や順序回路を説明することができる。組み合わせ回路や順序回路を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築、機械、生物、化学など、様々な分野でディジタル化が進んでいる現代おいて、技術者はそれぞれの専門分野だけでなく電気電子工学の知識も身に着けておく必要がある。本科目では、電気電子工学の基礎となる直流・交流回路の解析から、各種電子素子の諸特性まで幅広く講義を行い、電気電子工学における基本的な知識の定着を目指す。
授業の進め方・方法:
・スライドを用いた講義形式で授業を実施する。
・教科書に沿って授業を進め、適宜資料を配布する。
・適宜小テストを実施し理解度を計る。
・実際の素子を使った実験も適宜実施する。
注意点:
・数学と物理の基礎知識が必要である。自信のないものは復習をしておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 電圧と電流 基本的な直流回路の電圧・電流および電力を計算できる。
3週 電圧と電流の測定(実験) 電圧と電流を測定できる。
4週 キャパシタンス 平行板コンデンサのキャパシタンスを計算できる。直列・並列接続の合成キャパシタンスを計算できる。
5週 インダクタンス アンペールの法則やビオ・サバールの法則を説明できる。
6週 直流回路1 キルヒホッフの法則を用いて直流回路の計算ができる。
7週 直流回路2 テブナンの定理などを用いて直流回路の計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 交流回路 正弦波交流波形をフェーザ表示や複数表示で表すことができる。
10週 交流信号の計測(実験) オシロスコープを使って交流信号を計測できる。
11週 共振回路
共振回路について理解し、回路の共振周波数を計算できる。
12週 過渡応答1 過渡現象を理解し、定常状態と過渡状態を説明できる。
13週 過渡応答2 直列・並列回路の過渡現象を計算できる。
14週 RC回路の実験 RC回路の諸特性を説明できる。
15週 まとめと演習
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 半導体の性質 半導体の性質を説明できる。
2週 半導体ダイオード1 PNダイオードやショットキーダイオードの動作原理と特性を説明できる。
3週 半導体ダイオード2 半波整流回路や全波整流回路の動作を説明できる。
4週 バイポーラトランジスタ1 バイポーラトランジスタの動作原理と特性を説明できる。
5週 バイポーラトランジスタ2 直流バイアス回路の役割を理解し、基本回路の計算ができる。
6週 MOSトランジスタ MOSトランジスタの動作原理と特性を説明できる。
7週 演算増幅器 基本的な演算増幅器回路の特性を計算することができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 論理代数と論理ゲート NOT、OR、AND演算と論理演算の基本法則を説明できる。
10週 組み合わせ論理回路 組み合わせ論理回路を理解し、真理値表と式を用いて出力を計算できる。カルノー図を用いて式の簡単化ができる。
11週 加算器 論理ゲートを用いて半加算器や全加算器を設計できる。
12週 論理回路の実験(実験) 実際の論理素子を用いて論理回路を組み立てることができる。
13週 順序回路1 基本的なフリップフロップの動作を説明できる。
14週 順序回路2 状態遷移図から基本的な順序回路を設計できる。
15週 まとめと演習
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学基本的な論理演算を行うことができる。3後9
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3後9
論理式の簡単化の概念を説明できる。3後10,後11
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3後10,後11
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3後10
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3後10
組合せ論理回路を設計することができる。3後12
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3後13
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3後13
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3後13
順序回路を設計することができる。3後13
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3後9
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3後9
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3後9
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。2後9
その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3前2,前3,前6
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3

評価割合

試験課題実験レポート合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000