応用数学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布資料, 参考文献(「新版 確率統計」岡本和夫著 実教出版, 「Excel統計入門」涌井良幸,涌井貞美 著 技術評論社)
担当教員 木原 久美子,中島 晃

到達目標

1. 確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を求めることができる.
2. 一次元および二次元のデータを理解し,平均・分散・標準偏差・相関・回帰などを求めることができる.
3. 二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を求めることができる.確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる.確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる.確率現象の基本定理を理解しておらず,条件つき確率を含むいろいろな確率が計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない.
2. 一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などを求めることができる.一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる.一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる.一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない.
3. 二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる.二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について自ら考えることができる.二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について例示することができる.二項分布や正規分布などの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行えず,工学分野での応用についても例示できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
確率,データの整理,確率分布,推定と検定などを取り扱う。学習内容について内容の理解を主に進めながら統計処理言語RやExcel等の統計解析ソフトを利用して擬似的な実験を行う。
授業の進め方・方法:
応用数学では,数学的知識や計算手法を,専門工学に応用することを意識した内容理解をめざす.配布資料等を中心に講義を進める.授業では課題を重視し、自らすすんで理解しようと努力することが求められる。確率統計に関する基本的な計算手法の修得と,各自で実際の実験や研究の現場において問題に応用利用できるようになる事を目指す。授業は内容の理解と演習を交互に繰り返しながらすすめる。
注意点:
講義で取扱う内容は、各自が自分で進んで予習・復習を行わなければ理解を深めることは出来ない。また、課題の提出や発表、取り組みの姿勢は評価の対象となる為、努力して取り組む事。レポートでは,他人に自分の思考(方法・順序など)が「明確に」伝わる記述ができるようになること。
総合評価が60点に満たない場合は、各課題ごとに指定された方法(課題の再提出等)にて再評価する。再評価でも60点に満たない場合は単位を認定しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
試行と事象,事象の確率,和事象と積事象,和事象の確率(1)
確率の基本性質を理解し,事象の確率を求めることができる。和事象,積事象,排反事象,加法定理を理解し、簡単な確率を求めることできる。
2週 確率の基本性質,確率の加法定理,余事象の確率,条件付き確率,乗法定理,事象の独立と従属 和事象の確率,余事象の確率,条件付き確率を求めることができる。乗法定理を理解し、事象の独立と従属を判定できる。
3週 独立試行の確率,反復試行の確率,ベイズの定理 独立試行の確率,反復試行の確率,ベイズの定理を用いた確率を求めることができる。
4週 代表値(平均値,中央値,最頻値),分散と標準偏差,度数分布,相対度数 一次元および二次元のデータを理解し,平均値,中央値,最頻値,分散,標準偏差を求めることができる.度数分布表とヒストグラムを作成することができる。
5週 度数分布の平均値,度数分布表と分散,仮平均を用いた平均値と分散 度数分布の平均値,度数分布表と分散,仮平均を用いた平均値と分散を求めることができる。
6週 散布図,共分散,相関係数,回帰直線 散布図,共分散,相関係数,回帰直線を求めることができる。
7週 確率分布,確率変数の平均、分散・標準偏差.二項分布 確率分布を求めることができる。確率変数の平均・分散・標準偏差を求めることができる。二項分布を理解し、確率を求めることできる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 正規分布(確率密度関数)二項分布の期待値と分散, 二項分布の期待値と分散を求めることができる。確率密度関数の確率分布を求めることができる。
10週 正規分布(2),確率変数の標準化,正規分布の応用,二項分布の正規分布による近似 正規分布は変数変換によって標準正規分布に置き換えることができること(標準化)を理解し、簡単な確率を求めることができる。
11週 母集団と標本,標本平均の平均と標準偏差,標本平均の分布(中心極限定理) 母集団と標本の関係を理解し,標本平均の平均と標準偏差を求めることができる。中心極限定理を理解し、標本平均の分布を求めることができる。
12週 母平均の推定,母比率の推定 信頼区間を用いて、母平均の推定,母比率の推定を行うことができる。
13週 仮説の検定,棄却域,有意水準,両側検定,片側検定 仮説検定の手順を理解し、母平均の検定,母比率の検定を行うことができる。
14週 母平均の検定,母比率の検定 仮説検定の手順を理解し、母平均の検定,母比率の検定を行うことができる。
15週 〔前期末試験〕
16週 まとめ
後期
3rdQ
1週 演習問題およびExcel演習 確率の基本性質を理解し,事象の確率を求めることができる。和事象,積事象,排反事象,加法定理を理解し、簡単な確率を求めることできる。
2週 演習問題およびExcel演習 和事象の確率,余事象の確率,条件付き確率を求めることができる。乗法定理を理解し、事象の独立と従属を判定できる。
3週 演習問題およびExcel演習 独立試行の確率,反復試行の確率,ベイズの定理を用いた確率を求めることができる。
4週 演習問題およびExcel演習 一次元および二次元のデータを理解し,平均値,中央値,最頻値,分散,標準偏差を求めることができる.度数分布表とヒストグラムを作成することができる。
5週 演習問題およびExcel演習 度数分布の平均値,度数分布表と分散,仮平均を用いた平均値と分散を求めることができる。
6週 演習問題およびExcel演習 散布図,共分散,相関係数,回帰直線を求めることができる。
7週 演習問題およびExcel演習 確率分布を求めることができる。確率変数の平均・分散・標準偏差を求めることができる。二項分布を理解し、確率を求めることできる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 答案返却・解答
10週 演習問題およびExcel演習 二項分布の期待値と分散を求めることができる。確率密度関数の確率分布を求めることができる。
11週 演習問題およびExcel演習 正規分布は変数変換によって標準正規分布に置き換えることができること(標準化)を理解し、簡単な確率を求めることができる。
12週 演習問題およびExcel演習 母集団と標本の関係を理解し,標本平均の平均と標準偏差を求めることができる。中心極限定理を理解し、標本平均の分布を求めることができる。
13週 演習問題およびExcel演習 信頼区間を用いて、母平均の推定,母比率の推定を行うことができる。
14週 演習問題およびExcel演習 仮説検定の手順を理解し、母平均の検定,母比率の検定を行うことができる。
15週 〔後期末試験〕
16週 授業のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前1,前2,前3,前4
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前3,前4,前5,前6
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前7,前10
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前13,前14

評価割合

課題・レポート等提出物合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050
分野横断的能力00