発酵工学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 発酵工学I
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「応用微生物学 改訂版」村尾澤夫・荒井基夫共著 培風館/「くらしと微生物」村尾 沢夫 (著), 荒井 基夫 (著), 藤井 ミチ子 (著) 培風館
担当教員 弓原 多代

到達目標

1.アルコール製造について化学的視点,醸造的視点から説明できる.
2.醸造製品の分類分けとそれぞれの特性や生産方法について説明できる.
3.微生物を利用した有用物質の特性や生産方法について説明できる.
4.微生物が生産する有用物質の蓄積メカニズムを代謝の観点から説明できる.
5.微生物が生産する酵素の産業的な利用法が説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1アルコール製造について化学的視点,醸造的視点から詳しく説明できる.アルコール製造について化学的視点、醸造的視点から説明できる.アルコール製造について化学的視点、醸造的視点から説明できない.
評価項目2醸造製品の分類分けとそれぞれの特性や生産方法について例を挙げて説明できる. 醸造製品の分類分けとそれぞれの特性や生産方法について説明できる. 醸造製品の分類分けとそれぞれの特性や生産方法について説明できない.
評価項目3微生物を利用した有用物質の生産方法についていくつか例を挙げて説明できる.微生物を利用した有用物質の生産方法について簡単に説明できる.微生物を利用した有用物質について説明できない.
評価項目4微生物が生産する有用物質の蓄積メカニズムを代謝の観点から説明でき、それらを利用した工業生産物について述べることができる.微生物が生産する有用物質の蓄積メカニズムを説明できる. 微生物が生産する有用物質の蓄積メカニズムを説明できない.
評価項目5微生物が生産する酵素の産業的な利用法が説明できる.微生物が生産する酵素をいくつか挙げ、その働きを説明できる.微生物が生産する酵素の例を挙げることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間に限らず生物は,微生物が生育に必要とする物質や細胞外に産出する物質を様々に活用してきた.発酵工学は微生物の産出する様々な物質や機能の工業的利用と共に発展してきた.これら技術は食品産業,医薬品産業,環境浄化などの多くの分野で利用されており,これからさらに発展していく分野の一つである.本科目では微生物の工学的な利用について各種発酵生産物を例に,生産物の特性,生産に利用されている微生物,発酵の形式,培養生産プロセスを軸に概説する.
授業の進め方・方法:
基本的にはテキストに従って進めるが,パワーポイント,配布資料を使用する場合もある.この科目では現在の微生物利用産業の実際について知識を身につけることを目標とする.関連の演習問題を適宜アップする.次回授業までに必ず自分で解いておくこと(課題). 資料は web class にアップするので,授業前までに各自で準備しておくこと.

〇自学について
(事前学習)
授業計画の授業内容および到達目標を確認の上,教科書の該当箇所に目を通しておくこと。
(事後学習)
各授業後に授業関連の課題をアップするので各自で必ず解いておくこと。
当日の課題について添削(修正・追加等)しておくこと。
専門用語の抜出、授業中理解できなかった関連分野(生化学等)について復習しておくこと。
注意点:
専門用語(テクニカルターム:英単語)は次回の授業までに身につけておくこと.以後の授業では英単語で表記することがある.
授業に際しては,目標項目として掲げた 5項目を常に意識してまとめるように心がけること.また関連分野のトピック等については常に意識しておくこと.定期試験問題となる場合がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 アルコール発酵法1 アルコール発酵について説明できる。
3週 アルコール発酵法2 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
4週 醸造酒の製造1 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
5週 醸造酒の製造2 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
6週 蒸留酒の製造1 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 答案の返却と解説
10週 蒸留酒の製造2 アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
11週 各種発酵食品の製造1 食品加工と微生物の関係について説明できる。
12週 各種発酵食品の製造2 食品加工と微生物の関係について説明できる。
13週 各種発酵食品の製造3 食品加工と微生物の関係について説明できる。
14週 各種発酵食品の製造4 食品加工と微生物の関係について説明できる。
15週 〔期末試験〕
16週 期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4前1
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4前1
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4前11
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4前2
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前10
食品加工と微生物の関係について説明できる。4前11,前12,前13,前14
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4

評価割合

定期試験合計
総合評価割合100100
専門的能力100100