分析化学III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 分析化学III
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:東京教学社「分析化学の基礎/基礎編」、参考書:丸善「クリスチャン分析化学ⅠおよびⅡ」、東京教学社「分析化学の基礎/機器分析編」
担当教員 濱邊 裕子

到達目標

1.酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
2.電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。
3.光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。
4.Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。
5.イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。
6.溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。
7.無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。
8.クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸化還元反応、酸化還元滴定の内容を理解して自身の言葉で説明し、利活用できる。酸化還元反応、酸化還元滴定の内容をほぼ理解し、問題に取り組むことができる。酸化還元反応、酸化還元滴定の内容の理解が半分以下であり、問題に取り組むことができない。
評価項目2光分析法の内容を理解して自身の言葉で説明し、利活用できる。光分析法の内容をほぼ理解し、問題にとりくむことができる。光分析法の内容の理解が半分以下であり、問題に取り組むことができない。
評価項目3クロマトグラフィー分離の内容を理解して説明し、利活用できる。クロマトグラフィーによる分離方法についての概略を説明できる。クロマトグラフィーによる分離方法についての概略を説明できない。
評価項目4溶媒抽出を利用した分析法について説明し、利活用できる。溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。溶媒抽出を利用した分析法について説明できない。
評価項目5有機化合物の代表的な構造分析、定性、定量分析法等を説明でき、測定例をもとにデータを解析できる。有機化合物の代表的な構造分析、定性、定量分析法等を説明できる。有機化合物の代表的な構造分析、定性、定量分析法等を説明できない。
評価項目6講義に積極的に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習を行い、配布資料や質問を通して疑問点を解決することができる。 講義に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習に取り組むことができる。講義に参加できず、課題を期限内に提出することができない。また、自学自習に取り組むことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分析化学は、様々な物質を同定し定量する化学分析法を提案する化学分野です.本科目では、定性分析、反応溶液内の化学反応を定量的に扱う方法(具体的に溶解平衡,酸化還元平衡、分配平衡)、分離濃縮、代表的な機器分析について学習します.
授業の進め方・方法:
本講義では、テキストに従い下記の授業項目について講義中心に進めます.自学自習として演習問題も適宜配布します.講義時間は限られています.演習問題は自ら解いてください.
なお、3年までに修得した化学の基礎知識があることを前提に講義をすすめます.
事前学習として、授業計画の授業内容および到達目標を確認の上,教科書の該当箇所に目を通しておくこと。
事後学習として、要点をノートに整理してまとめ、内容の深い理解に努めること。また、課題や教科書の例題・章末問題に取り組み実践力を養うこと。
課題は定期試験時に提出とし、総合成績の20%分の評価とする。自学自習の課題量が増えるので、計画的に取り組むこと。
注意点:
* 講義前に予習し、講義後に章末問題を自ら解くこと
* 分析化学の教科書・演習書は多数出版されています.書店や図書館で探してください.
* 近年は分析技術が飛躍的に向上していますが、基本は古典的に存在する方法ですので、基礎的な理論の重要性を理解してください.
* 疑問に思うことは自ら調べ、また、質問に来てください.質問はいつでも受け付けます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 酸化還元反応①(酸化還元反応復習、電極反応) 酸化還元反応、
2週 酸化還元反応②(酸化還元反応と電極電位) 電極反応、ネルンストの式について説明できる。
酸化還元反応について説明できる。
3週 酸化還元反応②(酸化還元反応と平衡定数) 酸化還元反応についての原理を理解し、平衡定数を算出できる。
4週 酸化還元反応②(酸化還元滴定) 酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
5週 物質の分離と濃縮(溶媒抽出①) 溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。
6週 物質の分離と濃縮(溶媒抽出②) 溶媒抽出を利用した分離分析法について説明できる。
7週 演習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・解析



10週 物質の分離と濃縮(イオン交換・膜分離・共沈殿) イオン交換・膜分離・共沈殿を利用した分析法について説明できる。
11週 光分析法 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。
ランベルトベールの法則に基づく計算ができる。
12週 固相抽出
イオン交換による分離
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。
13週 機器分析演習① 無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。
14週 機器分析演習② 有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。
15週 後期定期試験
16週 答案返却・解説・まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4後2,後3,後7
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力405000045
専門的能力3010000040
分野横断的能力105000015