1.制限酵素処理・電気泳動、形質転換体の作成、プラスミドDNAおよびタンパク質の抽出を通して、遺伝子工学分野で汎用的な試薬の作成および取扱い、基本的な実験手法を習得する。
2.有機化学反応とガスクロマトグラフィー、IRスペクトル解析、NMRスペクトル解析を行い、反応の進行と結果を機器分析により理解する基本的な方法習得する。
3.微生物スクリーニングを通して、微生物実験に必要な注意事項および無菌操作を身に付ける。
概要:
2年次および3年次に開講した「生物化学実験I」,「生物化学実験II」で習得した基礎知識や実験技術を応用して,生物系と化学系の融合領域での基礎的実験・実習を行い,生物化学分野での基礎的な実験技術の定着を図ることを目標とする。
*実務との関係
全15週のうち第11週から第15週は,企業で医農薬の探索合成・製法研究を担当していた教員が,有機化学反応の実施方法,活用方法および結果の分析手法について,実習形式で授業を担当する。
授業の進め方・方法:
3年生までに習得した基礎知識,実験技術を総合的に応用して,生物系と化学系の境界領域のそれぞれのテーマで実験を行う。各実験テーマを3名の担当者で実施する。
注意点:
各担当者による実験テーマ毎にレポートを作成し,全テーマで合格することが必要である。
各テーマの評価(100点満点)が全て60点以上である場合,それらを平均して成績とする。
到達目標3については試験を行い、レポートと合算して評価する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | 前1,前4,前5,前6,前7 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | 前1 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | 前3,前4,前5,前6,前7 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 有機化学実験 | 加熱還流による反応ができる。 | 4 | 前12 |
蒸留による精製ができる。 | 4 | 前13 |
吸引ろ過ができる。 | 4 | |
再結晶による精製ができる。 | 4 | |
分液漏斗による抽出ができる。 | 4 | 前12,前14 |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 4 | 前12,前14 |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | 前13 |
収率の計算ができる。 | 4 | 前11,前13 |
分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | 前11,前13 |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 4 | 前11,前13 |
化学工学実験 | 液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。 | 2 | 前13 |
生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | 前4 |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4 |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | 前12 |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | 前4,前9,前10,前11 |