基礎電子工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎電子工学
科目番号 0124 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎電子工学」 藤本晶 著 森北出版株式会社
担当教員 中島 晃

到達目標

1.電子や正孔の基本的な振る舞いを理解し説明できる。
2.ダイオードやトランジスタの構造を理解し、動作原理を説明できる。
3.論理回路について理解し、組み合わせ回路や順序回路の動作を説明できる。
4.オペアンプについて理解し、基本的な演算回路の動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子や正孔の基本的な振る舞いを理解し、バンド図を用いて半導体を説明できる。電子や正孔の基本的な振る舞いを理解し説明できる。電子や正孔の基本的な振る舞いを説明できない。
評価項目2ダイオードやトランジスタの構造や動作原理を理解し、基本的な整流回路や増幅回路を説明できる。ダイオードやトランジスタの構造を理解し、動作原理を説明できる。ダイオードやトランジスタの構造や動作原理を説明できない。
評価項目3論理回路について理解し、組み合わせ回路や順序回路の動作を設計できる。論理回路について理解し、組み合わせ回路や順序回路の動作を説明できる。組み合わせ回路や順序回路の動作を説明できない。
評価項目4オペアンプについて理解し、簡単な演算回路を設計することができる。オペアンプについて理解し、基本的な演算回路の動作を説明できる。オペアンプを用いた基本的な演算回路の動作を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ダイオードやトランジスタ等の基本的な電子素子の構造や動作原理について理解することを目標とする。授業は電子素子の動作原理を理解するために必要な半導体の物性から解説し、電子素子を応用した論理回路やオペアンプの基礎についても学習する。
授業の進め方・方法:
基本的は教科書に沿って授業を進め、適宜資料を配布する。
レポートや課題による評価は行わないが、理解を深めるために授業中に演習を行うことや授業後に課題を出すことがある。
注意点:
・評価は4回の定期試験の平均点で評価する。
・毎回授業の始めに前回の授業の復習を行うので、配布資料は毎回必ず持ってくること。
・電子の振舞を理解するためには物理や数学の知識が必要である。
・わからないところがあれば放置せずに質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の概要を理解する
2週 電子の性質1 電子の基本的な性質について理解する
3週 電子の性質2 固体中での電子の振舞について理解する
4週 エネルギーバンド エネルギーバンドについて理解し、金属、半導体、絶縁体の違いを説明できる
5週 キャリア密度と電気伝導率 キャリアと電気伝導率の関係を理解する
6週 拡散電流とドリフト電流 拡散電流とドリフト電流の違いを理解する
7週 励起と再結合 励起や再結合などの現象を理解する
8週 不純物半導体 p型とn型の半導体の違いを理解する
2ndQ
9週 中間試験
10週 pn接合 pn接合のエネルギーバンドを理解する
11週 順方向バイアスと逆バイアス pn接合ダイオードの特性を理解する
12週 ショットキー接合とオーミック接合 金属と半導体の接合について理解する
13週 バイポーラトランジスタ npn型とpnp型の構造と動作特性を理解する
14週 直流バイアス回路 バイポーラトランジスタの直流バイアス回路について理解する
15週 定期試験
16週 答案返却、解説
後期
3rdQ
1週 MIS構造と電界効果 MIS構造と電界効果について理解する
2週 MOSFETの構造 MOSFETの構造を理解する
3週 MOSFETの動作特性 MOSFETの動作特性を理解する
4週 インバータ回路 インバータ回路の動作特性を理解する
5週 ブール代数の基礎 AND、OR,NOTなどの基本論理を理解する
6週 ブール代数の性質 交換則や結合則などの基本的な性質を理解する
7週 ブール代数の計算 ベン図やカルノー図を使った式の簡単化について理解する
8週 中間試験
4thQ
9週 論理回路の基礎 回路図記号と回路の書き方を理解する
10週 組み合わせ回路 論理式から論理回路を作成できる
11週 状態遷移図 状態遷移図を理解する
12週 フリップフロップの基礎 基本的な4つ(RS,JK,D,T)のフリップフロップの性質を理解する
13週 フリップフロップ回路 フリップフロップを用いて順序回路を作成できる
14週 オペアンプ オペアンプの基本特性と簡単な演算回路について理解する
15週 定期試験
16週 答案返却、解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。4
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。4
論理式から真理値表を作ることができる。4
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。4
情報系分野計算機工学基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000