化学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学II
科目番号 0155 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 数研出版「化学」、数研出版「フォトサイエンス化学図録」、東京書籍「ニューステップアップ」問題集
担当教員 濱邊 裕子,本田 晴香

到達目標

1年生で学んだ化学の知識をベースに、「物質の状態」、「物質の変化」を大きなテーマとして取り扱う。
1. 化学結合に基づいて結晶の成り立ちを理解し、構造と種類、性質について理解する。
2. 気液平衡の概念や状態変化に伴うエネルギーの出入りについて理解する。
3. 気体の体積と圧力・温度の間に成り立つ法則、複数の種類の気体を混合したときに成り立つ法則を理解する。
4. 溶解のしくみや溶解量について学び、水溶液と純粋な水との物理的な性質の違いを理解する。
5. 熱の出入りに関する法則や、結合エネルギー、光が関わる代表的な反応を理解する。
6. 電池や電気分解のしくみとともに、回路に流れた電気量と物質の変化量の関係を理解する。
7.化学反応速度の表し方や、濃度・温度などの反応条件を変えたときの反応速度の変化、代表的な化学反応の仕組みを理解する。
8. 化学平衡について成り立つ法則や電解質水溶液の平衡を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
知識・理解講義の内容をすべて理解し、自身の言葉で説明し、問題に取り組むことができる。講義の内容をほぼ理解し、問題にとりくむことができる。講義の内容の理解が半分以下であり、問題に取り組むことができない。
態度講義に積極的に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習を行い、配布資料や質問を通して疑問点を解決することができる。 講義に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習に取り組むことができる。講義に参加できず、課題を期限内に提出することができない。また、自学自習に取り組むことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年次の「化学」では、私たちの身の周りの物質が「原子」という小さな粒子から出来ていること、その原子の構造や化学結合といった物質の構造、そして基本的な化学反応式の立て方、無機化合物の一般的な化学性質について学んできました。
「化学Ⅱ」では、化学の基礎となる知識をさらに増やすために、「粒子の結合と結晶構造」、「物質の状態変化」、「気体の性質」、「溶液の性質」、「化学反応に伴うエネルギーの出入り」、「電池と電気分解」、「化学反応の速さとしくみ」、「化学平衡」について学びます。これらを通して、状態変化や化学変化の量的関係の扱い方、化学式からその化学物質の性質を推察できるようになることを目指します。
授業の進め方・方法:
基本的な座学形式で授業を行います。授業は教科書を中心に進めますが、必要に応じて補足資料のプリントを配布します。また、適宜課題を課すので、必ず取り組んでください。
1年間の授業の大まかな流れとして、前半では物質の状態、後半では物質の変化について学びます。
注意点:
*専門科目の基礎となる授業なので、日々の授業、課題にしっかり取り組むこと。
*質問はできる限り対応しますので、気軽に来室してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
原子とイオン・イオン結合とイオン結晶・分子と共有結合
分子と共有結合・共有結合の結晶
2週 金属結合と金属・演習問題・粒子の熱運動・分子間力と三態の変化
3週 状態変化とエネルギー・物質の種類と物理的性質・演習問題
4週 気体の体積・気体の状態方程式
5週 混合気体の圧力・実在気体
演習問題
6週 溶解とそのしくみ・溶解度
7週 希薄溶液の性質・コロイド溶液・演習問題
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の答案返却と解説
10週 化学反応と熱
11週 化学反応と光
実験
12週 電池
13週 電池
14週 電気分解
15週 演習問題
16週 前期末試験の答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 化学反応の速さ
2週 化学反応の速さ
3週 反応条件と反応速度
4週 反応条件と反応速度
5週 化学反応のしくみ
6週 化学反応のしくみ
7週 演習問題
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と解説
10週 可逆反応と化学平衡
11週 平衡状態の変化
12週 平衡状態の変化
13週 電解質溶液の化学平衡
14週 電解質溶液の化学平衡
15週 演習問題
16週 後期末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2前3
水の状態変化が説明できる。2前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。2前3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。2前4
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。2前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。2前1
価電子の働きについて説明できる。2前1
原子のイオン化について説明できる。2前1
代表的なイオンを化学式で表すことができる。2前1
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。2前1
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。2前1
イオン式とイオンの名称を説明できる。2前1
イオン結合について説明できる。2前1
イオン結合性物質の性質を説明できる。2前1
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。2前1
共有結合について説明できる。2前1
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。2前1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。2前1
金属の性質を説明できる。2前1
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2前1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。2前1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。2前4
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。2
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。2
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。2後13,後14
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。2前6
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。2前6
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2後13,後14
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。2後13,後14
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。2後13,後14
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。2後13
イオン化傾向について説明できる。2前12
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2前12
ダニエル電池についてその反応を説明できる。2前12,前13
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。2前12,前13
一次電池の種類を説明できる。2前12,前13
二次電池の種類を説明できる。2前12,前13
電気分解反応を説明できる。2前14
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2前14
ファラデーの法則による計算ができる。2前15
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。2前1
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。2前1
金属結合の形成について理解できる。2前2
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。1前2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。2前1
配位結合の形成について説明できる。2前1
水素結合について説明できる。2前1

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力6010000070
専門的能力2010000030
分野横断的能力0000000