生物II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物II
科目番号 0156 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 生物基礎、生物(数研出版)/フォトサイエンス図録(数研出版)
担当教員 最上 則史

到達目標

1. 生体内におけるタンパク質の働きを理解し説明できる。
2. 異化について理解し, 概要を説明できる。
3. 同化について理解し, 概要を説明できる。
4. 体内環境の維持について理解し説明できる。
5. 感覚器の働きについて理解し説明できる。
6. 効果器の働きについて理解し説明できる。
7. 神経の伝導と伝達のしくみを理解し説明できる。
8. 刺激に対する植物の反応のしくみを理解し説明できる。
9. 1〜8の項目を合わせて,生命現象を理解し説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 タンパク質の構造と働きについて理解し,それらが生命現象において担う役割について説明することができる。さらに,それらを応用した例を説明することができる。タンパク質が生命現象において担う役割について簡単な説明をすることができる。タンパク質の構造と働きについて理解できず,それらが生命現象において担う役割についても説明できない。
評価項目2 同化と異化の特徴について理解し,物質名を挙げて説明することができる。さらに,それらを利用した技術の例を説明できる。同化と異化の特徴について説明することができる。タンパク質の構造と働きについて理解できず,それらが生命現象において担う役割についても説明できない。
評価項目3 体内環境に関わるしくみについて,物質例を挙げて説明することができ,さらに,それらを応用した例を説明することができる。体内環境に関わるしくみについて理解し,説明することができ,さらに,それらを応用した例を説明することができる。体内環境に関わるしくみについて説明することができず,さらに,それらを応用した例も説明することができない。
評価項目4 刺激の受容と反応に関わるしくみについて,物質例を挙げて説明することができ,さらに,それらを応用した例を説明できる。刺激の受容と反応に関わるしくみについて理解し,説明することができ,さらに,それらを応用した例を説明できる。刺激の受容と反応に関わるしくみについて,物質例を挙げて説明することができず,さらに,それらを応用した例も説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年次の「生物I」から引き続き,高等学校生物の内容を中心に講義する。生命体の基本単位である細胞の働きと生命活動を維持する様々な現象をもとに,生体内におけるタンパク質の役割とエネルギーの代謝,内分泌系と自律神経系による恒常性の維持などについて理解を深める。
関連する科目は以下の通りである。
1年:生物 I,化学 2年:化学II  3年:生化学 I  4年:分子生物学,生化学 II 5年:遺伝子工学,細胞工学
授業の進め方・方法:
高等学校「生物」および「生物基礎」の教科書を中心に講義を行っていくが, 様々な新しいトピックも取り入れ解説していく。生物学の基本的な知識を他の科目内容とも連携させながら習得させ, 専門科目への導入をスムーズに行えるようにする。また,各項目に関する課題プリントを適宜配布するので,知識を活用して取り組むこと。
注意点:
・1〜9の達成目標について4回の定期試験で確認する。また,以下のa〜cの3項目については課題点として評価する。
 a. 講義の最初に実施する予習確認テスト
 b. 講義中に配布される課題プリント
 c. 各試験前に実施する試験範囲の確認テスト
・講義の最初に前回のまとめを行うので,事前に復習しておくこと。
・分からないことがあれば, 様々な文献や資料などを自分で調べる習慣を身に付けること。
・質問はメールでも来室しても構いません。疑問に思ったことはなるべく早く解決してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本講義のガイダンス
2週 細胞の構造とはたらき 細胞を構成する物質の役割について説明できる。
3週 タンパク質の構造と性質 生命現象を支えるタンパク質の役割について説明できる。
4週 酵素の構造と働き1 酵素の構造的な特徴と働きについて説明できる。
5週 酵素の構造と働き2 酵素の構造的な特徴と働きについて説明できる。
6週 代謝とエネルギー エネルギー変化と化学反応について理解する。
7週 発酵 発酵の特徴について説明できる。
8週 好気呼吸1 好気呼吸の特徴について説明できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 好気呼吸2 好気呼吸の特徴について説明できる。
11週 好気呼吸3 好気呼吸の特徴について説明できる。
12週 炭酸同化と窒素同化1 炭酸同化と窒素同化の特徴について説明できる。
13週 炭酸同化と窒素同化2 炭酸同化と窒素同化の特徴について説明できる。
14週 炭酸同化と窒素同化3 炭酸同化と窒素同化の特徴について説明できる。
15週 前期定期試験
16週 前期定期試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 生物の体内環境1 恒常性と体液の成分について理解する。
2週 生物の体内環境2 恒常性と体液の成分について理解する。
3週 免疫1 免疫とそれに関わる細胞の働きについて理解する。
4週 免疫2 免疫とそれに関わる細胞の働きについて理解する。
5週 体内環境の調節1 神経とホルモンによる調節の仕組みを理解する。
6週 体内環境の調節2 神経とホルモンによる調節の仕組みを理解する。
7週 体内環境の調節3 神経とホルモンによる調節の仕組みを理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 生物の環境応答1 生物が外界の刺激を受けとり,それに応じた反応を示す過程を理解する。
10週 生物の環境応答2 生物が外界の刺激を受けとり,それに応じた反応を示す過程を理解する。
11週 生物の環境応答3 生物が外界の刺激を受けとり,それに応じた反応を示す過程を理解する。
12週 生物の環境応答4 生物が外界の刺激を受けとり,それに応じた反応を示す過程を理解する。
13週 生物の環境応答5 生物が外界の刺激を受けとり,それに応じた反応を示す過程を理解する。
14週 生物の環境応答6 生物が外界の刺激を受けとり,それに応じた反応を示す過程を理解する。
15週 後期定期試験
16週 後期定期の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。2前2,前3,前6
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。2前4,前5
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。2前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。2後1,後2
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。2後1,後2,後5,後6,後7
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。2後3,後4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。1前2,前3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。1前2,前3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。1前6
多糖の例を説明できる。1前6
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。2前2,前3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。1前2,前3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。2前2,前3
タンパク質の高次構造について説明できる。2前2,前3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。2前4,前5
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。2前4,前5
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。2前5,前6,前7
解糖系の概要を説明できる。2前7,前8,前10,前11
クエン酸回路の概要を説明できる。2前8,前10,前11
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。2前8,前10,前11
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。2前7
各種の光合成色素の働きを説明できる。2前12,前13,前14
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。2前12,前13,前14
炭酸固定の過程を説明できる。2前12,前13,前14
生物工学アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。1前7

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力6010000070
専門的能力2010000030
分野横断的能力0000000