生物化学実験I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物化学実験I
科目番号 0157 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 「生物化学実験1 実習テキスト」生物化学システム工学科 フォトサイエンス生物図録 フォトサイエンス化学図録
担当教員 若杉 玲子,吉永 圭介,富澤 哲,本田 晴香

到達目標

生物分野,化学分野の実験で必要となる内容を,基本的な実験を通して修得する。
まずは,安全に実験が行えるように,薬品や火気の取扱い,代表的な器具の取扱いやその操作方法について学ぶ。
また,実験データの取扱い,必要な計算,レポート作成の方法について学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
安全グループで協力して,安全かつ迅速に実験を行うことができる。グループで協力して,安全に実験が行うことができる。グループで協力して,安全に実験が行うことができない。
生物化学実験の基本操作1実験に必要な試薬の濃度や量の計算を迅速に行い,精度よく調製することができる。実験に必要な試薬の濃度や量の計算を行い,調製することができる。実験に必要な試薬の濃度計算を行うことができず,また調製することができない。
生物化学実験の基本操作2実験に必要な器具を,目的に応じて適切に選択し,正しく使うことができる。実験に必要な器具を,指示通りに正しく使うことができる。実験に必要な器具を理解できず,正しく使うことができない。
分離操作クロマトグラフィーや蒸留などの分離操作の原理や目的を理解し,操作を的確に行うことができる。クロマトグラフィーや蒸留などの分離操作の原理や目的をある程度理解し,操作を行うことができる。クロマトグラフィーや蒸留などの分離操作の原理や目的が理解できず,操作を行うことができない。
中和中和反応を理解し,中和滴定の実験操作を安全かつ的確に行うことができる。中和反応について概ね理解し,中和滴定の実験操作を指示通りに正しく安全に行うことができる。中和反応について理解できず,中和滴定の実験操作を指示通りに行うことができない。
微生物の培養微生物の培養方法について説明でき,安全対策についても理解し,実施することができる。微生物の培養方法や安全対策についても概ね理解し,指示に従って実施することができない。微生物の培養方法や安全対策についても理解できず,実施することもできない。
酵素の性質活性の異なる複数の酵素について酵素の活性を定性的に調べることができる。酵素の活性を定性的に調べることができる。酵素の活性を定性的に調べることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物・化学分野に対する求知心の育成と基礎学力の充実を目的として,基礎となる生物・化学の現象や自然・環境とのかかわり,バイオ技術の基礎の一端を,実験を通じて実体験させる。本実習を通じて,好奇心・探究心を持続させつつ,実験の基礎技術を習得し,バイオ・ケミカルエンジニアとしての基盤づくりを行う。
授業の進め方・方法:
実習を通じて,生物分野,化学分野の実験の基礎技術を習得するとともに,生物・化学・工学とはどのような分野であるのか認識する。実習では,生物系,化学系の実験を行う際の留意事項や,基本的な実験操作を確実に身に付ける。
注意点:
レポートは,各実習項目毎に作成し,担当教員の指示する期限内に必ず提出する。
実習内容やレポート作成において,疑問や質問が生じた際は,躊躇せずに積極的に担当教員等へ質問すること。
前もって実習書に目を通した上,実習項目に関連する内容については,化学や生物の教科書等も参考にし,予め実習内容について理解しておく。
関数電卓を持参すること。
各テーマのレポート評価(80%)と確認テスト(20%)の合計が60点以上を合格点とする。ただし,レポート点は60%以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(安全教育) □ 基礎実験の注意や安全について理解する。
2週 分離操作1(クロマトグラフィー) □ 生体試料から色素の抽出が出来る。
□ クロマトグラフィーの原理を理解し、正しく操作できる。
3週 分離操作2(蒸留) □ 蒸留の原理について理解し、正しく操作できる。
4週 中和滴定1 □必要な試薬の濃度計算を行い,適切な検量器具を用いて試薬の調製を行える。
□中和反応について理解する。
5週 中和滴定2 □中和滴定の実験操作を安全に行う。
□実験データから,溶液中の酸・塩基濃度を調べる。
6週 中和滴定3 □中和滴定のデータを取得し,中和滴定曲線を描く。
□pHメーターを正しく操作する。
7週 後期中間試験
8週 まとめ(レポート・答案返却)
4thQ
9週 微生物の培養I □培地を準備するための濃度計算ができる。
□高圧蒸気滅菌を行う際の注意点について理解できる。
10週 微生物の培養II □純粋培養するための技術である無菌操作について理解し,実践できる。
11週 微生物の培養III □微生物実験に伴い発生する廃棄物の処理方法を理解する。
12週 酵素の性質1 □熱およびpHの酵素への影響を酵素活性の変化から調べることができる。
13週 酵素の性質2 □酵素の基質特異性を実験により調べることができる。
14週 酵素の性質3 □酵素の活性を定性的に調べることができる。
15週 学年末試験
16週 まとめ(レポート・答案返却)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4後2
化学工学蒸留の原理について理解できる。4後3
生物工学微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後9,後10,後11

評価割合

レポート試験相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力100000010
専門的能力7020000090
分野横断的能力0000000