化学工学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学II
科目番号 0159 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「化学工学」早川豊彦他著 実教出版,「化学工学通論Ⅰ」疋田晴夫著 朝倉書店,「化学工学通論Ⅱ」井伊谷鋼一著 朝倉書店
担当教員 若杉 玲子

到達目標

1. 固体の粉砕・混合・分離の方法を説明できる。
2. 粒子の沈降速度と遠心効果を計算できる。
3. 熱交換機の構造,熱収支について説明できる。
4. 熱伝導による熱流量について説明できる。
5. 熱交換器内の熱流量について説明できる。
6. 蒸留に伴う気液平衡および蒸留の原理について理解している。
7. 単蒸留,精留・蒸留装置について理解している。
8. 蒸留の計算についての計算ができる(ラウールの法則,マッケーブシール法等)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
固体の取扱い粉体の特徴を理解し,固体の粉砕や紛体の混合,分離の方法について明瞭に説明できる。粉体の特徴を概ね理解し,固体の粉砕や紛体の混合,分離の方法について説明できる。粉体の特徴を理解できず,固体の粉砕や紛体の混合,分離の方法について説明できない。
粉体の分離流体中の紛体の分離について理解し,流体中粒子の沈降速度や遠心効果などを算出することができる。流体中の紛体の分離について概ね理解し,流体中粒子の沈降速度や遠心効果などをおおよそ算出することができる。流体中の紛体の分離について理解できず,流体中粒子の沈降速度や遠心効果などを算出することができない。
蒸留の原理蒸留に伴う気液平衡について理解し,蒸留の原理を明瞭に説明できる。蒸留に伴う気液平衡について概ね理解し,蒸留の原理をおおよそ説明できる。蒸留に伴う気液平衡について理解できず,蒸留の原理を説明できない。
蒸留の計算単蒸留の計算およびマッケー ブシール法による連続蒸留の 計算ができる。単蒸留の計算およびマッケー ブシール法による連続蒸留の 計算が概ねできる。単蒸留の計算およびマッケー ブシール法による連続蒸留の 計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学・生物化学工業における基礎知識として化学工学Ⅰで学んだ物質・エネルギー収支に加え,各種プロセスに共通の単位操作,とくに伝熱,固体の取り扱いおよび蒸留についての基礎的事項を学ぶ。
授業の進め方・方法:
工場現場において汎用的に用いられる単位操作の基本的な考え方を理解し,その基礎理論を実際に使える技術として身に付けることが目標である。
教科書の内容に沿って,主に講義形式で授業を進める。
基礎理論を具体的事例に適用できるよう,授業では毎回演習課題を提示するので,復習を兼ねて各自取り組んでもらいたい。
時間的制約のため授業では基礎理論と例題の解法の説明に止めるが,章末問題や演習等,自学自修での十分な取り組みが必要である。
注意点:
* 各自前もって予習し、授業でも依然として不明なときは納得いくまで質疑応答すること。
* 授業では,演習用ノートおよび関数電卓を常備しておくこと。また,蒸留の項では,グラフ用紙を準備しておくこと。
* 出された演習課題は必ず自分で解答し理解を深めること。また,課題は期限までに必ず提出すること。
* 質問にはいつでも応じます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 固体の取扱い □粒径分布の表し方がわかる。
□ふるい目の種類により,粒径分布を表す各種グラフを作成できる。
2週 粉砕と混合 □粉砕の目的を理解できる。
□粉砕機や混合機の種類や用途がわかる。
3週 粉体の分離(ろ過と集じん)・粉体の層 □粒子の沈降から,終速度を求めることができる。
□終速度をもとに,粒子のストークス径を求めることができる。
□濾過と集じんに用いられる各種装置を知る。
4週 熱の取り扱い(熱の基礎と熱収支) □伝熱操作にともなう熱の基礎的内容について理解できる。
□熱媒のもつ熱量を計算できる。
5週 熱交換器 □熱交換器の種類と概要が分かる。
□熱交換器の熱収支を計算できる。
6週 熱の移動(伝熱理論と所要面積) □熱の移動のしかたを理解できる。
□フーリエの法則を理解し,熱伝導による熱流量を計算できる。
□熱交換器内の熱流量を計算できる。
7週 蒸留の原理1 □気液平衡にもとづいた蒸留の原理が理解できる。
□気液平衡関係をもとに,沸点-組成線図およびx-y平衡曲線が書ける。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 試験返却と解説
10週 蒸留の原理2, □気液平衡関係の計算ができる。
□ラウール法則を理解できる。
11週 単蒸留,精留 □単蒸留による分離の計算ができる。
12週 蒸留装置とその操作 □工業的に用いられている蒸留装置およびその操作について理解できる。
13週 蒸留の計算1 □蒸留装置における物質収支が計算できる。
□蒸留塔内の物質収支式より,濃縮線および回収線の両操作線を作成できる。
14週 蒸留の計算2,特殊な蒸留 □マッケーブ・シール法の階段作図により,蒸留塔の段数を求めることができる。
□種々の特殊な蒸留について理解できる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。2
物質の流れと物質収支についての計算ができる。2
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。2
分級や粒径分布について理解している。3
粉体の固定層・流動層など流動性について理解している。3
粉砕、沈降、ろ過、集じん方法について理解し、必要な計算ができる。3
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。3
熱伝導による熱流量について説明できる。3
熱交換器内の熱流量について説明できる。3
放射伝熱について説明できる。3
蒸留の原理について理解できる。3
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。3
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。3
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。3
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。2
温度、圧力、液位、流量の計測方法と代表的な測定機器(装置)について理解している。2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力102030
専門的能力70070
分野横断的能力000