細胞生物学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 細胞生物学
科目番号 0167 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「生命科学(改訂第3版)」東京大学教養部理工系生命科学教科書編集委員会(羊土社)
担当教員 元木 純也

到達目標

1. 原核細胞と真核細胞の基本構造を説明できる.
2. 真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを説明できる.
3. 細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂のしくみを説明できる.
4. 有性生殖と無性生殖について説明できる.
5. 減数分裂のしくみと生殖細胞の形成について説明できる.
6. 遺伝情報の複製,転写、翻訳について説明できる.
7. 遺伝情報の発現と調節について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原核細胞と真核細胞の基本構造を説明できる.原核細胞と真核細胞の基本構造を模式図を用いて正確に説明できる.原核細胞と真核細胞の基本構造を説明できる.原核細胞と真核細胞の基本構造を説明できない.
真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを説明できる. 真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを正確に説明できる. 真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを説明できる. 真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを説明できない.
細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の仕組みを説明できる.細胞周期の制御メカニズムに関与する具体的な分子の挙動と体細胞分裂における染色体の分配の仕組みを正確に説明できる.細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の仕組みの概要を説明できる.細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の仕組みを説明できない.
有性生殖と無性生殖について説明できる.有性生殖と無性生殖について具体的な生物例を挙げて,その仕組みを正確に説明できる.有性生殖と無性生殖について説明できる.有性生殖と無性生殖について説明できない.
減数分裂の仕組みと生殖細胞の形成について説明できる.減数分裂における染色体分配の仕組みと雌雄の生殖細胞の形成について正確に説明できる.減数分裂の仕組みと生殖細胞の形成について説明できる.減数分裂の仕組みと生殖細胞の形成について説明できない.
遺伝情報の複製,転写、翻訳について説明できる. 遺伝情報の複製,転写、翻訳について具体的な分子名を挙げながら正確に説明できる. 遺伝情報の複製,転写、翻訳について説明できる. 遺伝情報の複製,転写、翻訳について説明できない.
遺伝情報の発現と調節について説明できる.遺伝情報の発現と調節について具体的な現象例を用いて正確に説明できる.遺伝情報の発現と調節について説明できる.遺伝情報の発現と調節について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生命はすべて細胞でできている. その内部では生命活動を営む上で必須の代謝が行われている. それらの研究は細胞生物学と分子生物学を中心として展開されており, その基礎知識は現代の生物学を理解する上で必要不可欠である. この科目では, 以上の両分野での基礎的な範囲に焦点を当て講義を行う.
授業の進め方・方法:
1, 2年次開講の生物基礎で学んだ生物学の基礎を軸として, 「細胞の基本構造と細胞小器官の働き」,「細胞分裂と細胞周期」,「減数分裂による生殖細胞の形成」,「DNAの基本構造と働き」,「遺伝子が実際に働く過程(遺伝子発現)」について教科書を中心に講義する. 特に本講義では, 生体内で起きている様々な現象が独立のものではなく, 必ず連携している事を強く認識させることを目標とする.
注意点:
板書を書き写すだけではなく, 参考書などを利用して自分なりのノートづくりをして欲しい.
先輩やクラスメイトの勉強法を聞いて,参考にしてみてください.
生物に関する科目は様々ありますが,そこで使われる教科書の関係箇所を使って勉強してみてください.教科書は,各人の好みもありますから,自分にとって分かりやすい物を自分で見つけてください。教科が違ったとしても,生物について述べている訳ですから,必ず共通点を見出せると思います。
質問はいつでも受け付けますが,まずは自分自身でじっくりと考えて,自分の考えをまとめてください.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・生物の多様性と一様性 生物の多様性と一様性を説明できる.
2週 細胞の構造と働き1 原核細胞と真核細胞の基本構造を説明できる.
3週 細胞の構造と働き2 原核細胞と真核細胞の基本構造を説明できる.
4週 細胞の膜構造と細胞内小器官1 細胞膜の基本構造と機能を説明できる.真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを説明できる.
5週 細胞の膜構造と細胞内小器官2 細胞膜の基本構造と機能を説明できる.真核細胞の細胞小器官の基本構造と働きを説明できる.
6週 細胞の膜構造と物質輸送1 細胞膜の基本構造と機能を説明できる.膜タンパクの機能、生体膜のトラフィックを説明できる.
7週 細胞の膜構造と物質輸送2 細胞膜の基本構造と機能を説明できる.膜タンパクの機能、生体膜のトラフィックを説明できる.
8週 〔前期中間試験〕
2ndQ
9週 答案返却と解説
10週 細胞周期について 細胞周期の制御メカニズムを説明できる.
11週 細胞周期と体細胞分裂1 細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の概要を説明できる.
12週 細胞周期と体細胞分裂2 細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の概要を説明できる.
13週 細胞周期の制御メカニズム1 細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の仕組みを具体的な分子名をあげて説明できる.
14週 細胞周期の制御メカニズム2 細胞周期の制御メカニズムと体細胞分裂の仕組みを具体的な分子名をあげて説明できる.
15週 前期学習内容の確認
16週 〔前期末試験〕前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 様々な生殖方法 有性生殖と無性生殖について説明できる.
2週 生殖と減数分裂の様式1 減数分裂の仕組みと生殖細胞の形成について説明できる.
3週 生殖と減数分裂の様式2 減数分裂の仕組みと生殖細胞の形成について説明できる.
4週 生殖細胞の形成と受精の様式1 動物の受精機構について説明できる.
5週 生殖細胞の形成と受精の様式2 動物の受精機構について説明できる.
6週 遺伝情報について1 DNAやRNAの基本構造を説明できる.遺伝子の定義について説明できる.
7週 遺伝情報について2 DNAやRNAの基本構造を説明できる.遺伝子の定義について説明できる.
8週 〔後期中間試験〕
4thQ
9週 答案返却と解説
10週 遺伝情報の複製1 DNAの複製様式について、具体的な分子名をあげて説明できる.
11週 遺伝情報の複製2 DNAの複製様式について、具体的な分子名をあげて説明できる.
12週 遺伝子の発現と調節1 原核生物と真核生物の転写と翻訳について説明できる.
13週 遺伝子の発現と調節2 原核生物と真核生物の転写と翻訳について説明できる.
14週 遺伝子の発現と調節3 原核生物と真核生物の転写と翻訳について説明できる.
15週 後期学習内容の確認
16週 〔学年末試験〕学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1,後6,後7
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4前2,前3,前4,前5
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4前2,前3,前4,前5
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後6,後10,後11,後12,後13,後14
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後6,後10,後11,後12,後13,後14
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4前11,前12,前13,前14,後2,後3
細胞周期について説明できる。4前10,前11,前12,前13,前14
分化について説明できる。4後1,後2,後3
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4後1,後2,後3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4前4,前5,前6,前7
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4前7,後4,後5
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前1,前2,前3,後6,後7
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前6,前7,後12,後13,後14
タンパク質の高次構造について説明できる。4前6,前7,後12,後13,後14
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14
DNAの半保存的複製を説明できる。4後10,後11,後12,後13,後14
RNAの種類と働きを列記できる。4後6,後7,後12,後13,後14
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000