応用物理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0171 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 現代物理化学(化学同人),物理基礎(第一学習社),物理(第一学習社),電磁気学(培風館)
担当教員 二見 能資,中島 晃

到達目標

気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積れる.
実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.
原子構造を踏まえて,放射性崩壊と放射線,および,放射性元素を用いた年代測定を説明できる.
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる.
ガウスの法則を使って電場の計算ができる.
ビオサーバルの法則やアンペールの法則を使って磁束密度を計算することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 気体の分子運動の法則自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積れる.気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積れる.気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積もることができない。
評価項目2 実在気体の特徴自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できない.
評価項目3 放射性崩壊と放射線自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,原子構造を踏まえて,放射性崩壊と放射線,および,放射性元素を用いた年代測定を説明できる.原子構造を踏まえて,放射性崩壊と放射線,および,放射性元素を用いた年代測定を説明できる.原子構造を踏まえて,放射性崩壊と放射線,および,放射性元素を用いた年代測定を説明できない。
評価項目4 核分裂と核融合自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる.核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる.核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できない。
評価項目5 ガウスの法則ガウスの法則を理解し,直線,平面,球状に分布した電荷の周りの電場の計算ができる.ガウスの法則を使った電場の計算ができる.ガウスの法則を使った電場の計算ができない.
評価項目6 ビオサーバルの法則とアンペールの法則ビオサーバルの法則とアンペールの法則の関係を理解し,これらを使った磁束密度の計算ができる.ビオサーバルの法則やアンペールの法則を使って磁束密度を計算することができる.ビオサーバルの法則やアンペールの法則を使って磁束密度を計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本科目では、3年次までに学んだ物理Ⅰおよび物理Ⅱを基礎とし、生物化学システム工学科の特色に応じた内容として、気体分子運動論、核化学、電場、磁場について深く学ぶ。
 講義では、生物化学システム分野を専攻する学生が興味をもち取り組めるよう、生命、物質、工学分野に関連する事項についても触れる。
 *実務との関係
 全16週のうち第10週から第15週の授業は、企業で放射線検出素子の開発を担当した教員がその経験を生かし、核化学等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
・本講義は、講義形式で実施し、教科書と資料を中心にポイントをまとめながら進める。
・講義では、前回分の復習、本題の説明、必要に応じた演習を行う。また、必要に応じて課題を課す。
注意点:
・講義前は、教科書に目を通しておく。
・講義後は、講義のノート、配布資料を基に、教科書の例題、章末問題をまず自分で考えること。その後、解答を参照して離解できなかった点を再度復習して、基本事項を着実に身に着けること。
・疑問点は、放置せずに質問にくること。質問はいつでも受け付けます。
・図書館を活用して、関連すると思われる本を見つけて読み、知見を広げてください。
・講義内容について、学友と議論を交わし、見識を深めてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本講義の到達目標、評価、概要、講義の進め方、評価割合を確認する。
2週 気体分子の分子運動論(理想気体) ボイル-シャルルの法則や理想気体の方程式の説明と,これらの法則や方程式を用いて物理量を見積れる.
3週 気体分子の分子運動論(実在気体) 実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.
4週 気体分子の分子運動論(エネルギー準位と確率分布) 運動エネルギーの量子化を踏まえて,確率分布を見積もれる.
5週 気体分子の分子運動論(Boltzmann分布則 I) Boltzmann分布則の導出できる.
6週 気体分子の分子運動論(Boltzmann分布則 II) Boltzmann分布則を活用できる.
7週 気体分子の分子運動論(Maxwell-Boltzmann分布則 I) Maxwell-Boltzmann分布則の導出できる.
8週 気体分子の分子運動論(Maxwell-Boltzmann分布則 II) Boltzmann分布則,Maxwell-Boltzmann分布則を用いてエネルギー差,速度分布を見積もることができる.
2ndQ
9週 中間試験
10週 核化学(原子核の構成) 原子構造と原子核の崩壊によって放射線が放出されることを説明できる.
11週 核化学(原子核の崩壊と放射線 I) アルファ崩壊とベータ崩壊の違いを説明できる.
12週 核化学(原子核の崩壊と放射線 II) 代表的な放射線の検出方法と放射線量の表記方法を説明できる.
13週 演習(環境放射線量の測定) 環境放射線量を測定できる.
14週 核化学(放射線の利用) 放射線の利用例を説明できる.
15週 核化学(原子力の利用) 核分裂と核融合とそのエネルギー利用例を説明できる.
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の概要を確認する.
2週 電磁気学(クーロンの法則) クーロンの法則をもちいて,電荷間に働く力を計算できる.
3週 電磁気学(ガウスの法則) ガウスの法則を理解し,電荷の周りに発生する電界を計算できる.
4週 電磁気学(導体) 導体と電場の関係を説明できる.
5週 電磁気学(静電ポテンシャル) 静電ポテンシャルの計算ができる.
6週 電磁気学(電気双極子) 電気双極子とその周りにできる電場を計算できる.
7週 まとめ
8週 中間試験
4thQ
9週 電磁気学(コンデンサ) コンデンサの静電容量を計算できる.
10週 電磁気学(定常電流の保存則) 電流に関する基本法則を説明できる.
11週 電磁気学(キルヒホッフの法則) 電圧則、電流則について理解し、回路の電圧と電流を計算できる.
12週 電磁気学(アンペールの法則) 電流の周りにできる磁場を計算できる.
13週 電磁気学(ビオサバールの法則) 電流素片が作る磁場を計算できる.
14週 電磁気学(磁荷) 磁荷という概念を理解する.
15週 まとめ
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前10
同位体について説明できる。3前10
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前14
原子の相対質量が説明できる。3前10
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前10
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4前10
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4前14
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4前14
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4前15
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前2
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前5
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前5
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前3

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合9010100
基礎的能力20020
専門的能力501060
分野横断的能力20020