環境科学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境科学
科目番号 0172 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「環境生物科学」 松原聰 裳華房、参考書:「基礎からわかる環境化学」庄司良 森北出版株式会社
担当教員 富澤 哲

到達目標

1. 日本の自然環境について理解する.
2. 河川,湖沼の汚濁・汚染についての現状について理解し,その原因と保全について説明できる.
3. 海域環境についての現状を理解し,説明できる.
4. 殺虫剤散布による汚染の現状について説明できる.
5. 日常生活を汚染する有害物質について,その種類と性質について説明できる.
6. 都市環境と生物についての現状について説明できる.
7. 人口問題についての現状や原因について説明できる.
8.大気汚染、酸性雨やオゾン層破壊についての現状や原因について説明できる.
9.地球温暖化の現状や原因について説明できる.
10.環境問題の歴史,エネルギー・資源問題との関連,最近の話題や社会の動きについて理解している.
11. 環境問題に関する簡単な英文を解釈できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本の代表的な公害問題についての理解日本の四大公害訴訟についてその原因や経緯について詳しく説明できる。日本の四大公害訴訟についてその原因や経緯についての概要を説明できる。日本の四大公害訴訟の名称や概要について説明できない。
水質汚濁のメカニズムと現状の問題点についての理解富栄養化などの水質汚濁を誘発する原因とそのメカニズムを化学的、生物的観点から詳細に説明できる。富栄養化などの水質汚濁を誘発する原因とそのメカニズムの概要を説明できる富栄養化が定義できず、その誘発原因やメカニズムも説明できない。
種々の生活汚染物質についての理解生活環境を汚染する化学物質について、発生源や生物への影響、汚染対策について詳しく説明できる。生活環境を汚染する化学物質について、発生源や生物への影響、汚染対策について説明できる。生活環境を汚染する化学物質について、発生源や生物への影響、汚染対策について説明できない。
都市環境と生物・人口問題についての理解.都市環境と生物・人口問題についての原因と現状、対策についての詳しく説明できる。都市環境と生物・人口問題についての原因と現状、対策についての概略、説明できる。都市環境と生物・人口問題についての原因と現状、対策について説明できない。
大気環境についての理解.大気汚染環境の現状および大気汚染対策について詳しく説明できる。大気汚染環境の現状および大気汚染対策について説明できる。大気汚染環境の現状および大気汚染対策について説明できない。
地球温暖化についての理解.地球温暖化の原因と現状、対策についての詳しく説明できる。地球温暖化の原因と現状、対策について説明できる。地球温暖化の原因と現状、対策について説明できない。
環境中の放射線についての理解放射線の種類と性質、放射性元素の半減期と安定性、放射線の利用と問題について詳しく説明できる。放射線の種類と性質、放射性元素の半減期と安定性、放射線の利用と問題について説明できる。放射線の種類と性質、放射性元素の半減期と安定性、放射線の利用と問題について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
バイオ・ケミカル技術者と関わりの深い環境問題について,物質面,生物(生態)面の両面からその影響を考えさせる.具体的には,地球環境,食物連鎖,環境負荷化学物質,大気汚染,水質汚染,廃棄物,生物環境などについて,汚染原因とその分析・評価技術および保全対策・技術(物質面および生物面からのアプローチ)を,技術者倫理の観点も踏まえ多面的に考えさせる.
*実務との関係
 この科目の前期第1週から第15週は、企業で生産技術を担当していた教員が、その経験を活かし、企業が取り組む環境への配慮等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
環境問題は幅広く,また,生活に密接に関連している.主だった環境問題を生物との関わりについて知識を整理して体系的に学ぶ.併せて、環境・循環型社会・生物多様性白書,エネルギー白書などを参照し、最近の動向を学ぶ。
注意点:
*授業では,教科書を中心にポイントをピックアップして進める.達成目標と評価項目を念頭において復習することが重要である。また、必要に応じて資料を配布する.
*環境問題は各種メディアでも良く取り上げられるので,各自,最新の情報にも留意してもらいたい.
疑問を生じたら放置せず,どんどん質問して欲しい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,日本の自然環境と公害 環境科学で実施する内容と経済成長と日本の自然環境の関係について理解できる。
2週 汚水生物体系と指標生物 BODの説明と生物種による水質の判定についてし、説明できる。
3週 河川の汚濁・汚染 合成洗剤、殺虫剤による汚染、重金属汚染、河川の自浄作用について理解し、説明できる。
4週 湖沼の汚濁・汚染 貧栄養湖と富栄養湖の違いとアオコの毒性についてし、説明できる。
5週 海域環境の破壊 有機物質や石化ゴミによる海水の汚染、自然破壊について理解できる。
磯焼けと海中林造成についてし、説明できる。
6週 都市環境と生物 都市化による乾燥、ヒートアイランド現象について理解し、説明できる。
7週 環境白書に見る日本の環境の現状 環境白書を参考に,現在の日本の環境について理解できる。
8週 前期中間試験
4thQ
9週 中間試験の返却と解説, ガイダンス
10週 化学物質の生物濃縮 生物濃縮とKowを説明できる。
栄養段階を評価する安定同位体を説明できる。
11週 生活環境における環境汚染
残留性有機汚染物質(POPs)
PCB、ダイオキシンなどPOPsについて理解し、説明できる。
12週 生活環境における環境汚染
内分泌かく乱物質①
内分泌かく乱物質の種類や作用機構について理解し、説明できる。
13週 生活環境における環境汚染
内分泌かく乱物質②
内分泌かく乱物質に関する国内・国外の取り組みについて理解し、説明できる。
14週 化学物質のリスク評価・試験法 化学物質の環境リスク評価およびリスク管理を理解し、説明できる。
15週 環境中の放射線 放射線の種類と性質、放射性元素の半減期と安定性を説明できる。
16週 前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表合計
総合評価割合1000100
基礎的能力40040
専門的能力60060
分野横断的能力000