食品学概論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 食品学概論
科目番号 0178 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 新食品・栄養科学シリーズ 食品学総論(第3版)食べ物と健康1 森田 潤司・成田 宏史 編 化学同人
担当教員 三枝 敬明,弓原 多代

到達目標

1.食品中の水と食品成分について、その役割と機能を理解する。(一次機能)
2.食品の品質・おいしさに関わる嗜好・有害成分、食品成分の変化と物性を理解する。(二次機能)
3.食品成分が有する生理調節機能および保健機能食品について理解する。(三次機能)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 食品の一次機能水分子が持つ化学的性質および食品中の水分が持つメリット・デメリットを理解するとともに、食品成分について、その役割と機能を明確に理解し、言葉でわかりやすく説明できる。食品中の水分が持つメリット・デメリット、また食品成分について、その役割と機能を理解し、言葉で説明できる。水分子が持つ化学的性質および食品中の水分が持つメリット・デメリット、また食品成分の役割と機能を説明できない。
評価項目2 食品の二次機能食品の品質・おいしさに関わる嗜好・有害成分、食品成分の変化と物性を明確に理解し、言葉でわかりやすく説明できる。食品の品質・おいしさに関わる嗜好・有害成分、食品成分の変化と物性を理解し、言葉で説明できる。食品の品質・おいしさに関わる嗜好・有害成分、食品成分の変化と物性について説明できない。
評価項目3 食品の三次機能食品成分が有する機能(健康増進など)および特定保健用食品の定義について正確に理解し、言葉でわかりやすく説明できる。食品成分が有する機能(健康増進など)および特定保健用食品の定義について理解し、言葉で説明できる。食品成分が有する機能(健康増進など)および特定保健用食品の定義について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ヒトは、食品から栄養素を摂取することによって、生命・生活活動を維持している。このように食品には栄養機能、感覚・嗜好機能、生理調節機能が備わっている。そこで、本科目では、食品成分の化学構造を理解し、各種栄養素の機能や特徴について理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
本講義は,教科書を中心に授業を進める。また、適宜プリントを配布する。4年生までに習った各種生体成分が、食品としてどのようにヒト体内で利用されるかを学ぶ。また、近年明らかにされた機能性成分についても講義する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 食品学とは 食品学概論のガイダンス
2週 食品の一次機能:食品の主要成分(1) 食品中の水の状態と食品の変質について理解する。
3週 食品の一次機能:食品の主要成分(2) 炭水化物の分類と構造、体内における働きについて理解し、説明できる。
4週 食品の一次機能:食品の主要成分(3) アミノ酸、タンパク質の性質と酵素による食品成分の変化について理解し、説明できる。
5週 食品の一次機能:食品の主要成分(4) 脂質の物理的特性と化学的性質、体内における働きを理解する。
6週 食品の一次機能:食品の主要成分(5) 食品に含まれるビタミンやミネラルの主要なものについて、化学的な性質・栄養学的機能を理解する。
7週 食品の二次機能:食品中の嗜好・有害成分(1) 色、味、においを感じる仕組みと、食品の色素、呈味、香気成分について理解する。
8週 〔後期中間試験〕
4thQ
9週 食品の二次機能:食品中の嗜好・有害成分(2) 植物・動物性有害成分、アレルゲン、変異原性物質について理解し、説明できる。
10週 食品の二次機能:食品成分の変化 でん粉、油脂、タンパク質の変化、褐変、高圧処理による変化について理解し、説明できる。
11週 食品の二次機能:食品の物性 コロイド、レオロジー、テクスチャーについて理解し、食品の物性とおいしさについて説明できる。
12週 食品の三次機能:食品の機能性(1) 食品の栄養価と生理機能調節について理解し、説明できる。
13週 食品の三次機能:食品の機能性(2) 食品中の三次機能成分とおいしさの総合評価について理解し、説明できる。
14週 食品の三次機能:食品の機能性(3) 保健機能食品と特別用途食品について理解し、その違いを説明できる。
15週 バイオテクノロジーの食品への応用 食品分野でのバイオテクノロジーの応用化、利用の拡大について理解する。
16週 〔後期末試験〕

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。1
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2
無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。3
水素結合について説明できる。2
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000