概要:
タンパク質は生命体の構造や、生命機能を担う生命の本体とも言える重要な生体物質であり、タンパク質抜きに生命現象を語ることはできない。 生命科学はポストゲノム時代となり、タンパク質(酵素)の構造や性状を解析し、それを工学的に応用することがすすめられている。
本科目では、タンパク質の構造と機能との相関や産業応用などを理解することを目的として、タンパク質の基本的な性質や分離分析手法について学習する。 また、タンパク質(酵素)の触媒反応機構やタンパク質工学についても一部概説する。
授業の進め方・方法:
主に教科書を用いて授業中の説明と板書を中心に進める。タンパク質の分離分析手法については配布資料を用いることもある。 また理解を深めるため課題やレポートを課すこともある。
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
生体内でのタンパク質の役割 |
生体内でタンパク質が多様な役割を担っていることを理解し、生命活動の中心を担っていることを説明できる。
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2週 |
タンパク質を構成するアミノ酸(1) |
タンパク質を構成する20種のアミノ酸について、構造や化学的性質、表記法(1文字および3文字表記)について説明できる。
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3週 |
タンパク質を構成するアミノ酸(2) |
アミノ酸の解離基と等電点について理解し、説明することができる。
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4週 |
タンパク質の構造(一次〜四次)(1) |
タンパク質の立体構造の階層性について理解し、説明することができる。
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5週 |
タンパク質の構造(一次〜四次)(2) |
ペプチド結合とポリペプチドのコンフォメーションについて理解する。
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6週 |
タンパク質の構造(一次〜四次)(3) |
タンパク質の高次構造について理解し、説明することができる。
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7週 |
タンパク質の構造(一次〜四次)(4) |
立体構造の安定化に寄与する分子内、分子間相互作用、またその変性について理解し、説明できる。
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8週 |
〔前期中間試験〕 |
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4thQ |
9週 |
タンパク質の化学構造(1) |
共有結合の変化を伴うジスルフィド結合、翻訳後修飾について理解する。
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10週 |
タンパク質の化学構造(2) |
プロテアーゼによるプロセッシングについて理解する。
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11週 |
タンパク質の構造解析 |
タンパク質の立体構造決定法について理解する。
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12週 |
タンパク質の分離、精製手法(1) |
イオン交換・ゲル濾過など各種クロマトグラフィーの原理、取扱い法について理解する。
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13週 |
タンパク質の分離、精製手法(2) |
遠心分離法や電気泳動などタンパク質の分離法について理解する。
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14週 |
タンパク質の研究手法(1) |
タンパク質の定量法について理解する。
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15週 |
タンパク質の研究手法(2) |
各種タンパク質の研究手法について理解し、状況に応じてどの手法が適しているかを説明できる。
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16週 |
〔後期末試験〕 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 2 | |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 1 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 1 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 2 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 1 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 1 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 1 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 1 | |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 3 | |
無機化学 | イオン結合と共有結合について説明できる。 | 1 | |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 2 | |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 2 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 2 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 2 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 2 | |
錯体の生成について説明できる。 | 1 | |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 1 | |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 3 | |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 3 | |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 3 | |
基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 後1 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | 後1 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 後1 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 後6,後7,後9 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 後1 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後6,後7 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 後4,後5,後6,後7 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 後10 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 後10 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 後9,後10 |