分析化学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 分析化学
科目番号 0222 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 丸善出版「クリスチャン分析化学 Ⅰ.基礎編」
担当教員 濱邊 裕子

到達目標

1. 化学平衡と化学量論について説明または関連問題を解くことができる。
2. 分析データを正しく取り扱うことができる。
3. 各種機器分析法の基本原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
知識・理解講義の内容をすべて理解し、自身の言葉で説明し、問題に取り組むことができる。講義の内容をほぼ理解し、問題にとりくむことができる。講義の内容の理解が半分以下であり、問題に取り組むことができない。
態度・志向性講義に積極的に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習を行い、配布資料や質問を通して疑問点を解決することができる。 講義に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習に取り組むことができる。講義に参加できず、課題を期限内に提出することができない。また、自学自習に取り組むことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析化学は、様々な物質を同定し定量する化学分析法を提案する化学分野です.本科目では、溶液内の化学反応を定量的に扱う方法(具体的に酸塩基,錯体形成,溶媒抽出,酸化還元、沈殿溶解)と、電気化学について学習します.さらに、分析化学における実験データの取り扱いといくつかの分光学的な測定技術に関する基礎知識を習得します.
授業の進め方・方法:
本講義では、テキストに従い下記の授業項目について講義中心に進めます.自学自習として演習問題も適宜配布します.講義時間は限られている.演習問題は自ら解いてください.
なお、3年までに修得した化学の基礎知識があることを前提に講義をすすめます.
注意点:
* 講義前に予習し、講義後に章末問題を自ら解くこと
* 分析化学の教科書・演習書は多数出版されています.書店や図書館で探してください.
* 近年は分析技術が飛躍的に向上していますが、基本は古典的に存在する方法ですので、基礎的な理論の重要性を理解してください.
* 疑問に思うことは自ら調べ、また、質問に来てください.質問はいつでも受け付けます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
基本的な分析器具と操作
化学平衡復習
分析の目的、基本的な分析器具と操作、データ処理について学ぶ。
2週 化学量論計算・復習
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。
3週
酸塩基平衡1
電離平衡と活量、pH
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。
4週 酸塩基平衡2
弱酸と弱塩基、弱酸と弱塩基の塩
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。
5週 酸塩基平衡3
緩衝溶液
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。
6週 酸塩基平衡4
多塩基酸とその塩
多塩基酸の平衡について説明できる。
7週 酸塩基平衡5
多塩基酸の緩衝溶液
多塩基酸の緩衝溶液とpHの関係について説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験の返却と解説
酸塩基滴定1
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。
10週 酸塩基滴定2 中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。
11週 定性分析 いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。
12週 錯体について 錯体について説明できる。
13週 錯形成反応と滴定2 錯体の生成と錯体の生成定数について説明できる。
錯形成平衡に及ぼすpHの影響について説明できる。
14週 錯形成反応と滴定3 キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。
15週 演習
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 溶解平衡 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。
2週 重量分析 沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。
3週 沈殿反応と滴定 沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。
4週 酸化還元平衡1 酸化還元反応の原理を理解する。
5週 電気化学セルと電極電位 電気化学セルの原理を理解し、ネルンストの式を使って電極電位の計算ができる。
6週 電位測定法・pHガラス電極 pHガラス電極の原理を理解する。
7週 演習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説
酸化還元滴定1
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
10週 酸化還元滴定2 酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
11週 溶媒抽出1 分配平衡の原理を理解する。
12週 溶媒抽出2 溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。
13週 イオン交換平衡 イオン交換平衡の原理を理解する
14週 クロマトグラフィー
15週 演習
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3前12
錯体の命名法の基本を説明できる。3前12
配位数と構造について説明できる。3前12
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。2前12
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3前11
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4前3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4後1
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4後2,後3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4前3,前6,前7
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4前4,前5,前6
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4前5,前7
錯体の生成について説明できる。4前12
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4前2
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4前10
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4後9,後10
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4前13,前14
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4後13
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4後11,後12
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4前1,前2
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4前1,前2
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3前1,前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力300000030
分野横断的能力100000010