生物化学基礎実験

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 生物化学基礎実験
科目番号 0225 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 大島 賢治,平野 将司,元木 純也,最上 則史

到達目標

1.制限酵素処理・電気泳動、形質転換体の作成、プラスミドDNAおよびタンパク質の抽出を通して、遺伝子工学分野で汎用的な試薬の作成および取扱い、基本的な実験手法を習得する。
2.有機化学反応とガスクロマトグラフィー、IRスペクトル解析、NMRスペクトル解析を行い、反応の進行と結果を機器分析により理解する基本的な方法習得する。
3.酵素反応速度に対するpH・温度・基質濃度の影響を,実験結果の解析を通じて理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
遺伝子工学分野で汎用的な試薬の作成および取扱いと基本的な実験手法遺伝子工学分野で必要となる実験を,必要なときに実施できる理解度がある遺伝子工学分野で汎用的な試薬の作成および取扱いと基本的な実験手法を習得している基本的な実験手法を理解していない
有機化学反応の実施。反応の進行と結果を分析する基本的な方法有機化学反応の追跡・分析に必要となる実験を,必要なときに実施できる理解度がある決められた有機化学反応を実施できる。反応の進行と結果を分析する基本的な方法を理解している決められた有機化学反応を実施できない。反応の進行と結果を分析する基本的な方法を理解していない
酵素反応速度に対するpH・温度・基質濃度の影響酵素の反応速度パラメータを必要なときに測定できる理解度あり,パラメータの意味を理解している酵素反応速度に対するpH・温度・基質濃度の影響を,実験書に基づく実験結果から理解している酵素反応速度に関する基本的な実験が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次および3年次に開講した「生物工学実習」,「化学系基礎実験」,「生物系基礎実験」で習得した基礎知識や実験技術を応用して,生物系と化学系の融合領域での基礎的実験・実習を行い,生物化学分野での基礎的な実験技術の定着を図ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
3年生までに習得した基礎知識,実験技術を総合的に応用して,生物系と化学系の境界領域のそれぞれのテーマで実験を行う。各実験テーマを4名の担当者で実施する。
注意点:
各担当者による実験テーマ毎にレポートを作成し,全テーマで合格することが必要である。
各テーマのレポートの評価(100点満点)が全て60点以上である場合,それらを平均して成績とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制限酵素処理 到達目標1
2週 プラスミド抽出 到達目標1
3週 プラスミド抽出  到達目標1
4週 形質転換  到達目標1
5週 形質転換 到達目標1
6週 タンパク質抽出 到達目標1
7週 タンパク質抽出 到達目標1
8週 酵素反応速度 到達目標3
2ndQ
9週 酵素反応速度 到達目標3
10週 酵素反応速度 到達目標3
11週 酵素反応速度 到達目標3
12週 有機化学反応と機器分析 1 到達目標2
13週 有機化学反応と機器分析 1 到達目標2
14週 有機化学反応と機器分析 2 到達目標2
15週 有機化学反応と機器分析 2 到達目標2
16週 レポート返却 到達目標1-3

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4前12
蒸留による精製ができる。4前13
分液漏斗による抽出ができる。4前12,前14
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4前14
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4前13
収率の計算ができる。4前13,前15
分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前13,前15
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前13,前15
化学工学実験液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4前13
生物工学実験滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000003030
専門的能力000005050
分野横断的能力000002020