1.制限酵素処理・電気泳動、形質転換体の作成、プラスミドDNAおよびタンパク質の抽出を通して、遺伝子工学分野で汎用的な試薬の作成および取扱い、基本的な実験手法を習得する。
2.有機化学反応とガスクロマトグラフィー、IRスペクトル解析、NMRスペクトル解析を行い、反応の進行と結果を機器分析により理解する基本的な方法習得する。
3.酵素反応速度に対するpH・温度・基質濃度の影響を,実験結果の解析を通じて理解する。
概要:
2年次および3年次に開講した「生物工学実習」,「化学系基礎実験」,「生物系基礎実験」で習得した基礎知識や実験技術を応用して,生物系と化学系の融合領域での基礎的実験・実習を行い,生物化学分野での基礎的な実験技術の定着を図ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
3年生までに習得した基礎知識,実験技術を総合的に応用して,生物系と化学系の境界領域のそれぞれのテーマで実験を行う。各実験テーマを4名の担当者で実施する。
注意点:
各担当者による実験テーマ毎にレポートを作成し,全テーマで合格することが必要である。
各テーマのレポートの評価(100点満点)が全て60点以上である場合,それらを平均して成績とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 有機化学実験 | 加熱還流による反応ができる。 | 4 | 前12 |
蒸留による精製ができる。 | 4 | 前13 |
分液漏斗による抽出ができる。 | 4 | 前12,前14 |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 4 | 前14 |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | 前13 |
収率の計算ができる。 | 4 | 前13,前15 |
分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | 前13,前15 |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 4 | 前13,前15 |
化学工学実験 | 液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。 | 4 | 前13 |
生物工学実験 | 滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | 前7 |