技術関連法規概論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 技術関連法規概論
科目番号 0230 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材
担当教員 大島 賢治,富澤 哲

到達目標

1. 食品の製造販売に対する食品衛生法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる.
2. 医薬品の製造販売に関連する法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる.
3. 特許法における出願から権利化,実施期間を整理し,企業の取り組みの概要を理解できる.
4. 環境関連法規が成立するに至った背景や経緯について説明できる.
5. 環境関連法規の取り組みや各種規制が説明できる.
6. 環境・循環型社会・生物多様性に関する国の施策を調査・理解できる.
7. 環境関連資格に役立つ関連法の知識を習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
食品衛生法関連事項食品の製造販売に対する食品衛生法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる.食品の製造販売に対する食品衛生法規の取り組みの概要と経緯が説明できる.食品の製造販売に対する食品衛生法規の取り組みの概要と経緯が説明できない.
薬事法関連事項医薬品の製造販売に関連する法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる.医薬品の製造販売に関連する法規の取り組みの概要と経緯が説明できる.医薬品の製造販売に関連する法規の取り組みの概要と経緯が説明できない.
特許法関連事項特許法における出願から権利化,実施期間を整理し,企業の取り組みの概要を説明できる.特許法における出願から権利化,実施期間を整理し,説明できる.特許法における出願から権利化,実施期間を整理し,説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
卒業生の進路として想定している医薬品,化成品,食品,半導体などの各業界に関係する法令などについて,実際の取り組みとともに紹介する。具体的には,バイオ・ケミカル分野での業務に必要な基礎的な知識とそれらの法令が制定されるに至った社会的背景を説明し,技術者として必要な法律的な基礎知識や倫理観を身につけさせる。
授業の進め方・方法:
食品衛生,医薬品・医療機器等,特許関連法規を大島が担当,環境関連法規を富澤が担当し,法規の概要と国や企業が実際に行うべき事項を解説する.したがって,法規が制定されるに至った社会的背景から,関連法規の位置づけと仕組みを解説し,最新の環境・循環型社会・生物多様性白書を参照し,時事的な話題を理解できるようにする.また,知的財産に係わる事項を解説し,技術開発の流れと特許の関係を概観する.
注意点:
*講義への質問は随時受け付ける.
*内容は幅広いので,報道や各種白書に目を通しておくと理解を深められる.
*環境関連法規は各種資格試験の基礎となる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境関連法の体系と環境基本法 環境基本法の条文にある「目的、定義」を説明できる。
2週 大気汚染防止法 大気汚染防止法が成立した歴史的背景と排出規制について説明できる。
3週 水質汚濁防止法 水質汚濁防止法が成立した歴史的背景と排出規制について説明できる。
4週 生物多様性の保全にかかる国際条約と国内法 生物保護に関する条約に加え、カルタヘナ議定書など遺伝子実験に関する法律の説明ができる。
5週 廃棄物処理とリサイクルに関する法律1 廃棄物とは何か、リサイクルに関連する法律について説明できる。
6週 廃棄物処理とリサイクルに関する法律2 廃棄物とは何か、リサイクルに関連する法律について説明できる。
7週 エネルギー使用に関する国際的枠組みと国内法 気候変動枠組条約と各国の取り組みについて具体例を挙げて説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 法規の構造 法規の構造を理解し,読むことができる。
10週 食品衛生に関する法規と事例 食品の製造販売に対する食品衛生法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる。
11週 食品製造に関する規則と認証(HACCP,ISO22000) 食品の製造販売に対する食品衛生法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる。
12週 医薬品・医療機器等に関する法規1(製造販売の法的要件) 医薬品の製造販売に関連する法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる。
13週 医薬品・医療機器等に関する法規2(GMP省令) 医薬品の製造販売に関連する法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる。
14週 医薬品・医療機器等に関する法規3(GLP省令) 医薬品の製造販売に関連する法規の取り組み,近年の法改正の概要と経緯が説明できる。
15週 特許に関する法規(医薬品開発と特許期間) 特許法における出願から権利化,実施期間を整理し,企業の取り組みの概要を説明できる。
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前1,前9
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前1,前9
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前1
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前15
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前15
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3前1,前9,前10,前11,前12,前13,前14
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前7
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前1,前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合87130000100
基礎的能力500000050
専門的能力370000037
分野横断的能力013000013