応用数学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0234 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「新版 確率統計」岡本和夫著 実教出版, 配布プリント,「Excel統計入門」涌井良幸,涌井貞美 著 技術評論社
担当教員 磯谷 政志

到達目標

1. 確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を求めることができる.
2. 一次元および二次元のデータを理解し,平均・分散・標準偏差・相関・回帰などを求めることができる.
3. 二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を求めることができる.確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる.確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる.確率現象の基本定理を理解しておらず,条件つき確率を含むいろいろな確率が計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない.
4. Excelを用いて確率現象の基本定理を理解し,条件つき確率を含むいろいろな確率を求めることができる.Excelを用いて,条件つき確率を含むいろいろな確率を計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる.Excelを用いて,条件つき確率を含むいろいろな確率を計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる.Excelを用いて,条件つき確率を含むいろいろな確率が計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない.
2. 一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などを求めることができる.一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる.一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる.一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない.
5. Excelを用いて一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などを求めることができる.Excelを用いて一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる.Excelを用いて一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる.Excelを用いて一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差・相関・回帰などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない.
3. 二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる.二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について自ら考えることができる.二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について例示することができる.二項分布や正規分布などの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行えず,工学分野での応用についても例示できない.
6. Excelを用いて 二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる.Excelを用いて二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について自ら考えることができる.Excelを用いて二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について例示することができる.Excelを用いて二項分布や正規分布などの確率分布を用いた,母平均,母分散の推定と検定が行えず,工学分野での応用についても例示できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
確率,データの整理,確率分布,推定と検定などを取り扱う。
座学の次の週に、学習した内容について、Excelを利用して擬似的な実験を行い、統計的な確率が数学的な確率(理論値)に非常に近くなることを確認する。さらに演習問題を解いて、理解を深める。
授業の進め方・方法:
 応用数学では,数学的知識や計算手法を,専門工学に応用することを意識した内容理解をめざす.
配布プリントを中心に講義を進め,課題プリントを併用しながら,解説と演習を行う.授業開始時に、前回の授業内容を確認するための小テストを実施する.座学と演習問題・Excel演習を交互に行い、確率統計に関する基本的な計算手法の修得と,各自で簡単な応用問題に取り組めるようになることをめざす.
注意点:
講義で取扱う内容は、配布する資料等に掲載している例題や演習問題を解くことで、理解を深められる。予習・復習を行わなければ理解を深めることは出来ないので、各自の自学を期待する.
疑問点があるときは遠慮せずに質問して欲しい.授業の前後・メール・来室など空いている時間はいつでも対応する.教員室前に授業や会議のスケジュールを掲示しているので来室の際の参考にしてもらいたい.レポートや試験の解答は,他人に自分の思考(方法・順序など)が伝わる記述をするように心がけて欲しい.
授業のベースはこれまでに学習した数学の延長なので,講義予告に従って,参考教科書等の該当箇所を事前に読んで確認しておくこと.また授業後は,参考教科書の関連部分を読み広げ,授業で実施した内容との関連等を検討し,学習した内容を広く活用できるようにつとめる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
試行と事象,事象の確率,和事象と積事象,和事象の確率(1)
確率の基本性質を理解し,事象の確率を求めることができる。和事象,積事象,排反事象,加法定理を理解し、簡単な確率を求めることできる。
2週 演習問題およびExcel演習 確率の基本性質を理解し,事象の確率を求めることができる。和事象,積事象,排反事象,加法定理を理解し、簡単な確率を求めることできる。
3週 確率の基本性質,確率の加法定理,余事象の確率,条件付き確率,乗法定理,事象の独立と従属 和事象の確率,余事象の確率,条件付き確率を求めることができる。乗法定理を理解し、事象の独立と従属を判定できる。
4週 演習問題およびExcel演習 和事象の確率,余事象の確率,条件付き確率を求めることができる。乗法定理を理解し、事象の独立と従属を判定できる。
5週 独立試行の確率,反復試行の確率,ベイズの定理 独立試行の確率,反復試行の確率,ベイズの定理を用いた確率を求めることができる。
6週 演習問題およびExcel演習 独立試行の確率,反復試行の確率,ベイズの定理を用いた確率を求めることができる。
7週 代表値(平均値,中央値,最頻値),分散と標準偏差,度数分布,相対度数 一次元および二次元のデータを理解し,平均値,中央値,最頻値,分散,標準偏差を求めることができる.度数分布表とヒストグラムを作成することができる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 答案返却・解答
10週 演習問題およびExcel演習 一次元および二次元のデータを理解し,平均値,中央値,最頻値,分散,標準偏差を求めることができる.度数分布表とヒストグラムを作成することができる。
11週 度数分布の平均値,度数分布表と分散,仮平均を用いた平均値と分散 度数分布の平均値,度数分布表と分散,仮平均を用いた平均値と分散を求めることができる。
12週 演習問題およびExcel演習 度数分布の平均値,度数分布表と分散,仮平均を用いた平均値と分散を求めることができる。
13週 散布図,共分散,相関係数,回帰直線 散布図,共分散,相関係数,回帰直線を求めることができる。
14週 演習問題およびExcel演習 散布図,共分散,相関係数,回帰直線を求めることができる。
15週 〔前期末試験〕
16週 答案返却・解答
後期
3rdQ
1週 確率分布,確率変数の平均・分散・標準偏差.二項分布 確率分布を求めることができる。確率変数の平均・分散・標準偏差を求めることができる。二項分布を理解し、確率を求めることできる。
2週 演習問題およびExcel演習 確率分布を求めることができる。確率変数の平均・分散・標準偏差を求めることができる。二項分布を理解し、確率を求めることできる。
3週 二項分布の期待値と分散,正規分布(確率密度関数) 二項分布の期待値と分散を求めることができる。確率密度関数の確率分布を求めることができる。
4週 演習問題およびExcel演習 二項分布の期待値と分散を求めることができる。確率密度関数の確率分布を求めることができる。
5週 正規分布(2),確率変数の標準化,正規分布の応用,二項分布の正規分布による近似 正規分布は変数変換によって標準正規分布に置き換えることができること(標準化)を理解し、簡単な確率を求めることができる。
6週 演習問題およびExcel演習 正規分布は変数変換によって標準正規分布に置き換えることができること(標準化)を理解し、簡単な確率を求めることができる。
7週 母集団と標本,標本平均の平均と標準偏差,標本平均の分布(中心極限定理) 母集団と標本の関係を理解し,標本平均の平均と標準偏差を求めることができる。中心極限定理を理解し、標本平均の分布を求めることができる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 答案返却・解答
10週 演習問題およびExcel演習 母集団と標本の関係を理解し,標本平均の平均と標準偏差を求めることができる。中心極限定理を理解し、標本平均の分布を求めることができる。
11週 母平均の推定,母比率の推定 信頼区間を用いて、母平均の推定,母比率の推定を行うことができる。
12週 演習問題およびExcel演習 信頼区間を用いて、母平均の推定,母比率の推定を行うことができる。
13週 仮説の検定,棄却域,有意水準,両側検定,片側検定、母平均の検定,母比率の検定 仮説検定の手順を理解し、母平均の検定,母比率の検定を行うことができる。
14週 演習問題およびExcel演習 仮説検定の手順を理解し、母平均の検定,母比率の検定を行うことができる。
15週 〔後期末試験〕
16週 答案返却・解答,授業のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前1,前2,前3,前4
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前3,前4,前5,前6
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前7,前10
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前13,前14

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合9010100
基礎的能力9010100
専門的能力000
分野横断的能力000