遺伝子工学基礎

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 遺伝子工学基礎
科目番号 0239 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 基礎講義 遺伝子工学Ⅰ 山岸明彦 著 東京化学同人
担当教員 吉永 圭介

到達目標

1.遺伝子工学について概要やその成り立ちについて説明できる.
2.遺伝子工学に使われる酵素とその用途について説明できる.
3.各種ベクターの特性について説明できる.
4.組換えDNAの作製と細胞への導入について説明できる.
5.PCR法の応用について,例をあげて説明することができる.
6.ライブラリとその作製法について例をあげて説明できる.
7.目的の性質を有するクローンを検出する方法を例をあげて説明することができる.
8.遺伝子解析法について例をあげて説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1遺伝子工学について概要やその成り立ちについて具体例をあげて説明できる.遺伝子工学について概要やその成り立ちについて説明できる.遺伝子工学について概要やその成り立ちについて説明できない.
評価項目2遺伝子工学に使われる酵素とその用途について複数の具体例をあげて説明できる.遺伝子工学に使われる酵素とそのおおまかな用途について説明できる.遺伝子工学に使われる酵素や用途について説明できない.
評価項目3各種ベクターの特性について説明でき,状況に応じた最適なベクター系を選択できる.各種ベクターの特性について説明できる.各種ベクターの特性について説明できない.
評価項目4組換えDNAの作製と細胞への導入についてそれぞれの効率向上の要因を含めて説明できる.組換えDNAの作製と細胞への導入についてその手法を説明できる.組換えDNAの作製と細胞への導入について説明できない.
評価項目5PCR法の応用について複数の例をあげて説明することができる.PCR法の応用について1つの例をあげて説明することができる.PCR法の応用について例をあげて説明することができない.
評価項目6ライブラリとその作製法について複数の例をあげ,それぞれの特徴も含めて説明できる.ライブラリとその作製法について1つの例をあげて説明できる.ライブラリとその作製法について例をあげて説明できない.
評価項目7目的の性質を有するクローンを検出する方法について, 複数の例をあげて説明することができる.目的の性質を有するクローンを検出する方法について, 1つの例をあげて説明することができる. 目的の性質を有するクローンを検出する方法について,,説明することができない.
評価項目8遺伝子操作の安全性と状況に応じて適切な遺伝子解析法を選択し、選択した理由を論理的に説明することができる.遺伝子解析法について2例をあげてその原理を説明することができる.遺伝子解析法について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 4-4 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 遺伝子工学はバイオテクノロジー分野で中核をなす技術である。本科目ではおもに,4年次で習得した分子生物学の知識をもとに、遺伝子工学を構成する各技術について原理と応用例を学ぶ。さらに遺伝子操作の安全性や倫理についても説明する.
授業の進め方・方法:
 4年次までに学んだ分子生物学の基礎を活用して,教科書を中心に各項目についてAL型授業をおこなう.各回の授業ではまず事前に基本原理を教科書付属の動画で学習しておき(反転授業),授業ではグループワークで具体的な使用例を調査・発表することで,遺伝子工学の各種手法や考え方を確実に理解する.
最後(4回)では、学習のまとめとして教員が与えたテーマでPBL活動をおこない,学習した遺伝子工学手法を用いた問題解決能力の育成をはかる.
参考書1:「遺伝子工学: 基礎から応用まで」 野島 博 (著) 東京化学同人
参考書2:「基礎から学ぶ 遺伝子工学」第2版 田村隆明 著  羊土社 (研究でDNAを扱う際に便利)
注意点:
事前に,授業する箇所の動画(教科書に付属)を閲覧しておくこと。関連する既習知識(授業を受ける前提条件)も必ず復習しておくこと.授業後は内容を再度復習し,専門用語を用いて説明できるようになっておくこと(学習内容の定着).さらに,学習した内容について別の応用例や発展例,代替技術がないかも調べて欲しい.授業中は活発に質問や議論をしてほしい. 授業に際しては,毎回細かな達成目標と行動目標を提示するので,目標の達成を常に心がけること.
講義内容や関連分野について,自ら進んで文献やWeb 等で調べるよう心がけること.単に内容を暗記するのではなく,背景にある原理や考え方をしっかり理解し,応用できるようにすること. また,「なぜ?どうして?」といった疑問を大切にしてほしい.
 質問は対応できる時はいつでも受け付けますので,気軽にたずねて来てください.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(遺伝子工学とは何か) 到達目標1
2週 制限酵素とメチル化酵素 到達目標2
3週 遺伝子工学で用いるさまざまな酵素 到達目標2
4週 プラスミドベクターとファージ 到達目標3
5週 大腸菌の取扱い、形質転換と効率のよいライゲーション 到達目標4
6週 PCR法とその応用 到達目標5
7週 ライブラリーとその作製 到達目標6
8週 まとめと評価 到達目標1-6
2ndQ
9週 ハイブリッド形成とさまざまなクローン検出法 到達目標7
10週 遺伝子解析法 到達目標7,8
11週 PBL活動(テーマ選択と調査1) 到達目標2-8
12週 PBL活動(調査2) 到達目標2-8
13週 PBL活動(発表1) 到達目標2-8
14週 PBL活動(発表2) 到達目標2-8
15週 定期試験 到達目標2-8
16週 定期試験の返却と解説 到達目標2-8

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度(振り返りシート)ポートフォリオ確認小テスト合計
総合評価割合30301010020100
基礎的能力15103301041
専門的能力12155501047
分野横断的能力35220012