分離技術

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 分離技術
科目番号 0248 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「化学工学」早川豊彦他著 実教出版/「化学工学通論Ⅰ」疋田晴夫著 朝倉書店,「ベーシック化学工学」橋本健治 化学同人
担当教員 若杉 玲子

到達目標

1. 固体の取扱いに関する基礎的事項を修得する。
2. 工業的に用いられている吸収・蒸発・乾燥プロセスについて,原理・方法を理解する。
3. ヘンリーの法則にもとづいて,気液接触における気体の溶解度を理解する。
4. 蒸発・空気の調湿・乾燥など,熱をともなう分離プロセスについて理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
分離について工業的に用いられている分離技術について高い関心を持ち,内容を理解することができる。工業的に用いられている分離技術について,ある程度の関心を示し,概ね理解することができる。工業的に用いられている分離技術について関心が無く,内容を理解することができない。
固体の取扱い粉体の特徴を理解し,固体の粉砕や紛体の混合,分離の方法について明瞭に説明できる。粉体の特徴を概ね理解し,固体の粉砕や紛体の混合,分離の方法について説明できる。粉体の特徴を理解できず,固体の粉砕や紛体の混合,分離の方法について説明できない。
粉体の分離流体中の紛体の分離について理解し,流体中粒子の沈降速度や遠心効果などを算出することができる。流体中の紛体の分離について概ね理解し,流体中粒子の沈降速度や遠心効果などをおおよそ算出することができる。流体中の紛体の分離について理解できず,流体中粒子の沈降速度や遠心効果などを算出することができない。
吸収気体の溶解度について理解することができる。気体の溶解度について概ね理解することができる。気体の溶解について理解することができない。
蒸発蒸発プロセスについて理解し,蒸発缶の物質収支・熱収支を求めることができる。蒸発プロセスについて概ね理解し,蒸発缶の物質収支・熱収支をおおよそ求めることができる。蒸発プロセスについて理解できず,蒸発缶の物質収支・熱収支を求めることができない。
空気の調湿空気の調湿の機構を理解し,湿度や熱容量等調湿にともなう基本的な値を求めることができる。空気の調湿の機構を概ね理解し,湿度や熱容量等調湿にともなう基本的な値をおおよそ求めることができる。空気の調湿の機構を理解できず,湿度や熱容量等調湿にともなう基本的な値を求めることができない。
乾燥乾燥工程の機構を理解できる。乾燥工程の機構を概ね理解できる。乾燥工程の機構を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工場現場において汎用的に用いられる単位操作の基本的な考え方を理解し,その基礎理論を実際に使える技
術として身に付けることが目標に,「化学工学Ⅰ」および「化学工学Ⅱ」で学んだ各種プロセスに共通の単位操作に加え,とくに固体の取扱い,吸収,蒸発等に関する基礎的事項を学ぶ。
授業の進め方・方法:
・教科書を中心に,講義形式により授業を進める。4年次の「化学工学Ⅰ」および5年次の「化学工学Ⅱ」に引き続き,現在,工業的に利用されている基本的な分離・精製技術について学ぶ。
・講義では,毎回演習課題を提示するので,各自復習を兼ねて取り組みんでもらいたい。
・2回の定期試験を実施し,授業後の課題提出と併せて評価する。
注意点:
* 時間的制約のため授業では基礎理論と例題の解法の説明に止めるが,自学自修での十分な取り組みが必要である。
* 授業では,演習用ノートおよび関数電卓を常備しておくこと。また,作図等おこなうので,グラフ用紙を準備しておくこと。
* 出された演習課題は必ず自分で解答し理解を深めること。また,課題は期限までに必ず提出すること。
* 質問にはいつでも応じます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 分離とは □工業的に用いられている分離・精製プロセスを知る。
2週 固体の取扱い □粒径分布の表し方がわかる。
□ふるい目の種類により,粒径分布を表す各種グラフを作成できる。
3週 粉砕と混合 □粉砕の目的を理解できる。
□粉砕機や混合機の種類や用途がわかる。
4週 粉体の分離(ろ過と集じん)・粉体の層 □粒子の沈降から,終速度を求めることができる。
□終速度をもとに,粒子のストークス径を求めることができる。
□濾過と集じんに用いられる各種装置を知る。
5週 吸収1(気体の溶解度) □ヘンリーの法則にもとづいて,気液接触における気体の溶解度を理解する。
6週 吸収2(吸収装置とその操作・吸収のプロセス) □吸収装置とその操作において,種類や方法を知る。
□各種吸収プロセスを知る。
7週 まとめと演習
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却と解答
10週 蒸発1 □蒸発分離と工業的な蒸発操作について理解する。
□液液平衡にある三成分の関係を理解し,三角図に示すことができる。
11週 蒸発2 □蒸発缶の基本的な物質収支と熱収支が計算できる。
12週 空気の調湿 □調湿にともなう絶対湿度・熱量・露点等,基本的な値を求めることができる。
13週 乾燥 □乾燥操作と工業的な乾燥プロセスについて理解する。
14週 まとめと演習
15週 学年末試験
16週 答案返却と解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。2
物質の流れと物質収支についての計算ができる。2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力102030
専門的能力70070
分野横断的能力000