概要:
研究課題に対して研究計画を立案し,その計画に基づいて研究を遂行する. 最後に,研究成果を論文としてまとめ,発表を行う. 卒業研究は,これまでに学習してきた工学的基礎知識を活用し,さらに研究分野の専門的知識の習得を目指して実施するものであり,その過程を通して,問題解決能力を養うとともに,プレゼンテーション能力も身につける.
授業の進め方・方法:
研究対象となる課題を設定し,その中から問題点を発見し,解決方法・手段を考案し,継続して研究活動を遂行し,最後にその成果を整理して発表することで,「技術者としての総合力を養成する」ことを目指す. 本校のカリキュラムでは「複眼的な視点から知的探究心を持ち,主体的に問題を解決することが出来る実践的な技術者育成」と位置づけられ,エンジニアリングデザインに関連する科目である.
学生は,年度始めに興味や適性にあった専門分野の研究室を選び,指導教員と十分話し合ったあとに実施可能な卒業研究テーマを設定し,研究を開始する.
4月 研究室配属,テーマ決定,研究活動の開始
10月頃 中間報告発表会
2月中旬 卒業研究報告書提出
2月下旬 卒業研究発表会
注意点:
* 成績評価は,各達成目標について,研究実施記録,研究報告書,研究発表会によって評価する。評価は各指導教員a)と全指導教員b)の合議により行う。
* 成績評価は,次の3項目の重みを考慮し,「S, A, B, C, D」の5段階で評価する。
(1)研究活動〔 65 %〕,(2)研究報告書(研究のまとめ)〔 15 %〕,(3)研究発表会〔 20 %〕
* BC科においては,次式により評価点を求める。
評価点={(1)の総計*(13/5)+(2)の評価点+(3)の総計*(4/3)}
(1)研究活動a):達成目標1-5を5段階評価(25点満点)〔 65 %〕
(2)研究報告書(研究のまとめ)b):15点満点 〔 15 %〕
(3)研究発表会 b):要旨,内容説明,プレゼンテーションを5段階評価(15点満点)〔 20 %〕
➢ 研究指導教員と相談しながら,自主的・計画的に研究を進めること。
➢ 専門分野の論文や資料等に目を通し,基礎知識や最新の研究状況等を調べること。
➢ 関連する分野の科目の復習をしっかりとすること。
➢ 「研究実施記録」に記録し,1週間に最低1回は,指導教員と打合せをすること。
(注意点)研究遂行時は,指導教員との打ち合わせを密にし,常に相談しながら行うこと. 実験機器などは本校所有の物を使用するが,常に安全性と実験後の後片付けは心がけておくこと. 調査などで外部と接触する場合は,指導教員から指示やアドバイスを求め,高専生として一般的なマナーを守ること. 実験等で共通で使用する機器類を使用する際は,使用ルールを守ること. 破損した場合、機械の調子が悪い時は速やかに指導教員に知らせること.
(メッセージ) 関連する専門分野の教科書や資料等にも目を通し,基盤となる知識や技術を身につけ,最新の研究状況等にも興味を向ける姿勢が大切である. つねに指導教員と緊密な議論を重ねながら,研究・調査を進めていくこと.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 3 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |