計測と制御

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計測と制御
科目番号 AE1114 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント使⽤(英⽂プリント)
担当教員 小松 一男

到達目標

線形システムの動特性を考慮したモデルベースでのフィードバック系設計システム理論の基礎と,その応用基礎技術の修得を目標とする.具体的には,制御理論によく使う⾏列論,状態⽅程式表現と伝達関数,システムの安定性,可制御性・可観測性が理解でき,フィードバック制御とオブザーバの設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
状態方程式によるシステ ム表現状態変数ベクトルを用いた微分方程式でシステムを表現でき,等価変換もできる.また,伝達関数表現や状態方程式の解法が理解でき,課題の問題に対して詳細な考察を加えてレポートとしてまとめることができる.状態変数ベクトルを用いた微分方程式でシステムを表現でき,等価変換もできる.また,伝達関数表現や状態方程式の解法が理解でき,課題の問題に対してレポートとしてまとめることができる.状態変数ベクトルを用いた微分方程式でシステムを表現できない.伝達関数表現や状態方程式の解法も理解できない.
可制御性・可観測性と安定性線形システムの可制御性と可観測性,線形および非線形システムの安定性の意味がわかる.また,リアプノフの安定判別法について理解でき,課題の問題に対して詳細な考察を加えてレポートとしてまとめることができる.線形システムの可制御性と可観測性,線形および非線形システムの安定性の意味がわかる.また,リアプノフの安定判別法について理解でき,課題の問題に対してレポートとしてまとめることができる.線形システムの可制御性と可観測性,線形および非線形システムの安定性の意味がわからない.また,リアプノフの安定判別法について理解できない.
状態フィードバック制御系の設計状態フィードバック制御を理解し,極配置法によるレギュレータの制御器設計ができる.また,課題の問題に対してプログラミングによるシミュレーションができ,詳細な考察を加えてレポートとしてまとめることができる.状態フィードバック制御を理解し,極配置法によるレギュレータの制御器設計ができる.また,課題の問題に対してプログラミングによるシミュレーションができ,レポートとしてまとめることができる.状態フィードバック制御および極配置法によるレギュレータの制御器設計ができない.
オブザーバおよびのオブザーバを用いたレギュレータ設計線形システムのオブザーバとそのオブザーバを利用したレギュレータの制御設計ができる.また,課題の問題に対してプログラミングによるシミュレーションができ,詳細な考察を加えてレポートとしてまとめることができる.線形システムのオブザーバとそのオブザーバを利用したレギュレータの制御設計ができる.また,課題の問題に対してプログラミングによるシミュレーションができ,レポートとしてまとめることができる.線形システムのオブザーバとそのオブザーバを利用したレギュレータの制御設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分方程式でシステムを記述する工学の多くの分野,さらには,社会・経済学などでもシステムの安定性,構造分析,制御などシステム制御理論が共通基礎として利用されている.本授業では,行列論,動的システムと状態方程式,システムの安定性,可制御性・可観測性,フィードバック制御とオブザーバの原理と設計方法までを学ぶ.
授業の進め方・方法:
英文のプリントを使用する.理論の証明が多いため,使用するプリントにはその証明過程が詳細に記述されているので,ノートはあまりとらなくてもよい.本授業は概念的な説明も多く,プリントだけでは理解が困難なので授業中はしっかり説明を聞いて理解する必要がある.講義の後にレポート課題があり,評価はレポートのみで行う.
注意点:
規定授業時数: 2単位科目 60時間.
レポートや予習復習のため放課後・家庭で60時間程度の自学自習が求められます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 本講義の学習内容や目標,評価方法について理解する.
2週 数学的準備 制御理論に必要な数学的基礎が理解できる.ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる.
3週 状態方程式によるシステム表現(1) 状態方程式によるシステム表現が理解できる.
4週 状態方程式によるシステム表現(2) 伝達関数モデルとブロック線図および状態変数線図でシステム表現ができる.
5週 可制御性・可観測性と安定性(1) 線形システムの可制御性・可観測性が理解でき,制御系の可制御性・可観測性を判別できる.
6週 可制御性・可観測性と安定性(2) 線形システムおよび非線形システムの安定性が理解できる.
7週 状態方程式,可制御性・可観測性および安定性に関する演習(1) 与えられた状態方程式および可制御性・可観測性および安定性に関する演習問題が解け,レポートとしてまとめることができる.
8週 状態方程式,可制御性・可観測性および安定性に関する演習(2) 与えられた状態方程式および可制御性・可観測性および安定性に関する演習問題が解け,レポートとしてまとめることができる.
4thQ
9週 安定性(1) 線形システムの安定性を判別できる.
10週 安定性(2) リアプノフの方法により非線形システムの安定性を判別できる.
11週 状態フィードバック制御とオブザーバの設計(1) 線形システムの状態フィードバック制御によるレギュレータが設計できる.
12週 状態フィードバック制御とオブザーバの設計(2) 線形システムのオブザーバが設計できる.
13週 安定性に関する演習 線形システムと非線形システムの安定性に関する演習問題が解け,レポートとしてまとめることができる.
14週 状態フィードバック制御とオブザーバに関する演習(1) 線形システムのレギュレータに関する演習問題が解け,レポートとしてまとめることができる.
15週 状態フィードバック制御とオブザーバに関する演習(2) 線形システムのオブザーバに関する演習問題が解け,レポートとしてまとめることができる.
16週 レポート返却 学習到達度を確認する.

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100