到達目標
・固体の電子物性について、古典論的、量子論的な概念を使っての説明、解釈ができるようになる.
・特に解析的な説明を学んだ部分については、定量的な説明ができるようになる.
・量子力学の基礎を理解し、エネルギーバンド理論について概要をつかむことができる.
・誘電体、磁性など材料の基礎物性の根源を理解する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
結晶構造 | 固体の結晶構造を化学結合と原子配置について説明できる。
空間格子の概念を理解し扱うことができる。 | 原子の結合力、空間格子を説明することができる。 | 原子の結合力、空間格子を説明することができない。 |
量子力学の基礎 | 格子振動、比熱の外見を理解し、これらが量子化される過程を定量的に説明することができる。
固体のエネルギーバンドの形成過程を定量的に説明することができる。 | 格子振動、比熱の外見を理解し、これらが量子化される過程を説明することができる。
固体のエネルギーバンドの形成過程を説明することができる。 | 格子振動、比熱の外見を理解し、これらが量子化される過程を説明することができない。
固体のエネルギーバンドの形成過程を説明することができない。 |
評価項目3 | 誘電体、磁性体、超伝導体の性質を理解し、各物性の起源を説明することができる。
おのおのの物理量を計算で導出することができる。 | 誘電体、磁性体、超伝導体の性質を理解し、各物性の起源を説明することができる。 | 誘電体、磁性体、超伝導体の性質を理解し、各物性の起源を説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科目では特にエレクトロニクス分野を研究するにあたり予備知識として必要とされる物性の基礎的な事柄を取り上げる。学習する内容は単結晶の構造、格子振動、固体の熱的性質、量子力学の基礎、固体のエネルギーバンド理論、固体の光学的性質、誘電体、磁性体、である。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式により授業を進める。
定期試験以外にも試験を実施し、達成度を確認する。
注意点:
規定授業時間数:30時間
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
結晶構造、空間格子 |
結晶構造について説明できる
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2週 |
格子方向とミラー指数 |
格子方向とミラー指数、代表的な結晶構造を示して説明できる。
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3週 |
格子振動 |
格子振動の扱い方を説明することができる。
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4週 |
格子振動の量子化 |
格子振動について学び、その特徴を説明できる。
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5週 |
固体の比熱(1) |
アインシュタイン理論について説明することができる
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6週 |
固体の比熱(2) |
デバイ理論について説明することができる。
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7週 |
古典的電子伝導モデル。 |
古典的電子伝導モデルより、移動度、ドリフト速度などの関係を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
量子力学の基礎、波動性と粒子性、シュレディンガー方程式、井戸方ポテンシャル |
電子、光子の粒子性の取り扱い方として、シュレーディンガー方程式を使って固有関数、波動関数の解釈を説明することができる。
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10週 |
トンネル効果、水素原子 |
トンネル効果の取り扱い、水素原子のエネルギー準位が離散化されることを説明できる。
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11週 |
固体のエネルギーバンド理論 |
状態密度の考え方を学び、フェルミディラック分布を用いた金属の電子密度分布とフェルミレベルについて説明できる。 バンド理論を用いて結晶内の電子の運動を説明できる。
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12週 |
固体の光学的性質 |
固体の光学的性質を誘電率、屈折率およびその周波数依存性などから説明することができる。
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13週 |
誘電体 |
誘電分極について説明でき、誘電体の分類ができる。
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14週 |
磁性体 |
磁性の根源が説明できる。
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15週 |
定期試験 |
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16週 |
定期試験答案返却 |
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評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 50 |
専門的能力 | 30 | 30 |
分野横断的能力 | 20 | 20 |