ロボット工学特論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ロボット工学特論
科目番号 AE1209 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリント配布/参考書: WIlliam A. Wolovich, ROROTICS:Basic Analysis and Design,Harcourt School 、吉川恒夫著,ロボット制御基礎論,コロナ社
担当教員 永田 正伸

到達目標

・マニピュレータのリンクに固定されたリング座標系を表現するための物体座標系の表現方法,特に座標の回転変換,オイラー角による姿勢表現について理解し、説明できる.
・座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について理解し、説明できる.
・マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を理解し、説明できる.
・6自由度マニピュレータのリンク座標間の関係と同次変換行列の関係を理解し、マニピュレータの順運動学方程式を説明できる。
・代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を理解し、マニピュレータの逆運動学問題を説明できる。
・ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程を理解し、説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
座標変換座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について理解し、座標間の同時変換行列を導出できる.座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について理解し、説明できる.座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について説明できない.
手先位置と関節変数マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を理解し、各関節座標間の同時変換行列を導出できる.マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を理解し、説明できる.マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を説明できない.
順運動学6自由度マニピュレータのリンク座標を設定し,それらの同次変換行列を求め,これらの同時変換行列を用いて順運動学方程式を導出できる.6自由度マニピュレータのリンク座標間の関係と同次変換行列の関係を理解し、説明できる。6自由度マニピュレータのリンク座標間の関係と同次変換行列の関係を説明できない。
逆運動学代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を用いて逆運動学問題を解くことができる.代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を理解し、逆運動学問題を説明できる。代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を用いて逆運動学問題が説明できない。
動力学ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程を理解し、nリンクマニピュレータの運動方程式を導出できる.ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程を理解し、説明できる.ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般的なロボット(マニピュレータ)は開ループリンク機構であり、3次元空間を作業領域とする場合は、煩雑な運動学および動力学の知識が必要となる。特に、ロボットに希望する動作を実現するためには、逆運動学方程式を解く必要がある。一方、ロボットの制御を行う場合には、予めシミュレーションによる検証を行うことが望ましいが、そのためには、順動力学さらに逆動力学問題を解く必要がある。本講義では、これらのロボット開発における基本的な知識の習得を行う。
授業の進め方・方法:
授業は、講義形式で実施する。
注意点:
規定授業時間数:30単位時間
本科目は、1単位あたり30時間程度の自学自習が求められます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 順運動学
回転変換
座標間の姿勢関係を理解し、回転行列を求めることができる。
2週 順運動学
オイラー角
オイラー角による座標間の姿勢表現を理解し、説明できる。
3週 順運動学
同次変換と逆変換
座標間の位置と姿勢の関係を同次変換行列を用いて表し、また、逆変換行列を求めることができる。
4週 順運動学
D-H座標変換と順運動学、3リンクマニピュレータでの例題
D-H変換によるマニピュレータの順運動学を理解し、3リンクマニピュレータの順運動学の例題を解くことができる。
5週 逆運動学
オイラー逆変換、平面3リンクマニピュレータでの例題
オイラー逆変換の手法を応用して、平面3リンクマニピュレータの逆運動学問題
を解くことができる。
6週 速度関係
座標間での速度関係、ヤコビ行列、平面マニピュレータでの速度関係
・座標間の速度関係とヤコビ行列の関係を理解し、速度関係をヤコビ行列を用いて表すことができる。
・平面マニピュレータの速度関係を理解し、説明できる。
7週 速度関係
3次元での速度関係
3次元空間での速度関係を理解し、説明できる。
8週 静力学
手先外力と関節力の関係
マニピュレータの手先外力と関節力の関係理解し、関係式を求めることができる。
2ndQ
9週 運動方程式
ニュートン・オイラーの運動方程式
一般的なニュートン・オイラーの運動方程式を理解し、説明できる。
10週 運動方程式
座標間の加速度の関係
座標間の速度関係から加速度関係を導くことができる。
11週 運動方程式
マニピュレータへのニュートン・オイラーの運動方程式の適用
nリンクマニピュレータにニュートン・オイラーの運動方程式を適用し、nリンクマニピュレータの動力学方程式の導出過程を説明できる。
12週 英語によるロボット工学授業
英語によるロボット工学授業を受講し、ロボット工学に関する英語による表現を理解し、説明できる。
13週 2リンクマニピュレータの動力学シミュレーション演習 2リンクマニピュレータの運動方程式を導出し、計算機による動力学シミュレーションを解くことができる。
14週 2リンクマニピュレータの動力学シミュレーション演習 2リンクマニピュレータの運動方程式を導出し、計算機による動力学シミュレーションを解くことができる。
15週 2リンクマニピュレータの動力学シミュレーション演習 2リンクマニピュレータの運動方程式を導出し、計算機による動力学シミュレーションを解くことができる。
16週 レポート解答・返却
評価提示、レポート返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000