画像情報処理工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 画像情報処理工学
科目番号 AN118 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 酒井幸一著「ディジタル画像処理入門」コロナ社,プリント
担当教員 三好 正純

到達目標

①アナログ画像のディジタル画像への変換,濃度変換や平滑処理による画質の改善,空間フィルタを用いた画像エッジや線分検出など画像解析のための基本処理ができる.
②画像の2値化処理や細線化処理など2値化画像に対する基本技術を習得し利用できる.
③パターン認識・マッチング,直交変換,ウェーブレット変換およびモルフォロジー演算などの原理を理解し説明できる.
④ヒトの視覚特性の基礎を理解し画像処理との関連を考察できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
・ディジタル画像の扱い方 ・画質の改善処理 ・空間フィルタの構成ディジタル画像の表現法とA/D変換で生じる問題点を理解し定量的説明と情報量の計算ができる. 画像ノイズ,濃度分布と画質の関係,濃度変換による画質改善の仕組みを理解し利用できる. 画像解析の前処理に使用される空間フィルタについて原理を理解し活用できる.ディジタル画像の表現法とA/D変換で生じる問題点を理解し,情報量を計算できる. 画像ノイズ,濃度分布と画質の関係,濃度変換による画質改善の仕組みを理解し説明できる. 画像解析の前処理に使用される空間フィルタについて原理を理解し説明できる.ディジタル画像の表現法やA/D変換で生じる問題点の説明および情報量の計算ができない. 画像ノイズ,濃度分布と画質の関係,濃度変換による画質改善の仕組みを説明できない. 空間フィルタの原理を説明できない.
・2値化画像と画像解析 ・パターン認識画像の2値化処理と線図形化処理について原理を理解し活用できる. パターンマッチングおよびダイナミックプログラミングの原理を理解し活用できる.画像の2値化処理と線図形化処理について原理を理解し説明できる. パターンマッチングおよびダイナミックプログラミングの原理を理解し説明できる.画像の2値化処理と線図形化処理について原理を説明できない. パターンマッチングおよびダイナミックプログラミングの基本的な考え方を説明できない.
・画像の直交変換とディジタルフィルタ画像の1・2次元フーリエ変換による表現とフィルタリング,離散コサイン変換と画像情報の圧縮,およびディジタルフィルタの構成法を理解し活用できる.画像の1・2次元フーリエ変換による表現とフィルタリング,離散コサイン変換と画像情報の圧縮,およびディジタルフィルタの構成法を理解し説明できる.画像の1・2次元フーリエ変換による表現とフィルタリング,離散コサイン変換と画像情報の圧縮,およびディジタルフィルタの構成法を説明できない.
・画像の非線形処理 ・ヒトの視覚機能と画像処理ウェーブレット変換およびモルフォロジー演算を用いた画像処理技術の基礎を理解し活用できる. ヒトの視覚特性の基礎を理解し画像処理との関連の説明と応用ができる.ウェーブレット変換およびモルフォロジー演算を用いた画像処理技術の基礎を理解し説明できる. ヒトの視覚特性の基礎を理解し画像処理との関連を考察できる.ウェーブレット変換およびモルフォロジー演算を用いた画像処理技術の基礎を説明できない. ヒトの視覚特性の基礎が理解不足で画像処理との関連を考察できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 画像情報処理の基本技術について述べる.ディジタル画像における画質改善,画像解析および画像圧縮に関する基礎技術を解説し,画像に対する視知覚現象とヒトの視覚機能との関係を考える.
授業の進め方・方法:
 授業は講義を中心に,課題を通して理解を深める.主な授業内容は,画像解析のための基本処理(アナログ画像のディジタル画像への変換,濃度変換や平滑処理による画質の改善,空間フィルタを用いた画像エッジや線分検出など),2値化画像に対する基本技術(画像の2値化処理や細線化処理など),パターン認識・マッチング,直交変換,ウェーブレット変換およびモルフォロジー演算など画像情報処理の基礎,および人の視覚特性と画像処理との関連などを扱う.
注意点:
 画像情報処理は2次元処理ではあるが1次元の信号処理を基礎とするものが多く,電気回路学や信号処理工学で学ぶフィルタ理論や周波数分析など関連の基礎知識を持っていることが望ましい.また,質問は随時受け付けるので,不明な点を放置しないこと.なお,規定授業時数は30時間で,課題レポートの作成や練習問題で理解を深めるために放課後・家庭で60時間程度の自学学習が求められます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,画像情報処理の分類 到達目標,評価法,履修の注意などを理解する.
画像情報処理の基本フローと関連技術の位置づけを理解し説明できる.
2週 ディジタル画像の扱い方 ディジタル画像の表現法とA/D変換で生じる問題点を理解し,情報量を計算できる.
3週 画質の改善処理 画像ノイズ,濃度分布と画質の関係,濃度変換による画質改善の仕組みを理解し利用できる.
4週 空間フィルタの構成(1) 画像解析の前処理に使用される空間フィルタについて原理を理解し利用できる.
5週 空間フィルタの構成(2) 同上
6週 2値化画像と画像解析(1) 画像の2値化処理と線図形化処理について原理を理解し利用できる.
7週 2値化画像と画像解析(2) 同上
8週 パターン認識 パターンマッチングおよびダイナミックプログラミングの原理を理解し説明できる.
2ndQ
9週 画像の直交変換とディジタルフィルタ(1) 画像の1・2次元フーリエ変換による表現とフィルタリング,離散コサイン変換と画像情報の圧縮,およびディジタルフィルタの構成法を理解し利用できる.
10週 画像の直交変換とディジタルフィルタ(2) 同上
11週 画像の直交変換とディジタルフィルタ(3) 同上
12週 画像の非線形処理(1) ウェーブレット変換およびモルフォロジー演算を用いた画像処理技術の基礎を理解し説明できる.
13週 画像の非線形処理(2) 同上
14週 ヒトの視覚機能と画像処理 ヒトの視覚特性の基礎を理解し画像処理との関連を考察できる.
15週 定期試験
16週 答案返却 達成度評価

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000