ディジタル電子回路学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 ディジタル電子回路学
科目番号 0030 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 江村稔,高橋晴雄「パルス工学」コロナ社
担当教員 大田 一郎

到達目標

この科目で次の事柄ができるように授業を行っていく.
①論理ゲート回路に関して,回路の解析や簡単な回路設計を行うことができる.
②ディジタルICやスイッチを用いた回路について原理と動作を説明できる.
③スイッチトキャパシタ回路の原理と動作を理解して,出力電圧や周波数特性を導出できる.
④F-V,V-F変換器,BBD回路,関数発生回路などについて原理と動作を説明できる.

ルーブリック

評価項目理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理ゲート回路の動作と簡単な回路設計論理ゲート回路に関して,回路の動作を完全に説明でき,簡単な回路設計を行うことができる.論理ゲート回路に関して,回路の動作をある程度説明でき,簡単な回路設計を行うことができる.論理ゲート回路に関して,回路の動作を殆ど説明できなく,簡単な回路設計を行うことができない.
評価項目2ディジタルICやスイッチを用いた回路の原理と動作ディジタルICやスイッチを用いた回路について原理と動作を完全に説明できる.ディジタルICやスイッチを用いた回路について原理と動作をある程度説明できる.ディジタルICやスイッチを用いた回路について原理と動作を殆ど説明できない.
評価項目3スイッチトキャパシタ回路の原理と動作の説明,および出力電圧や周波数特性の導出スイッチトキャパシタ回路の原理と動作を完全に理解して,出力電圧や周波数特性を正確に導出できる.スイッチトキャパシタ回路の原理と動作をある程度理解して,出力電圧や周波数特性を導出できる.スイッチトキャパシタ回路の原理と動作を理解することが難しく,出力電圧や周波数特性を殆ど導出できない.
評価項目4F-V,V-F変換器,BBD回路,関数発生回路などについて原理と動作F-V,V-F変換器,BBD回路,関数発生回路などの殆どの回路について原理と動作を的確に説明できる.F-V,V-F変換器,BBD回路,関数発生回路などの幾つかの回路について原理と動作ある程度説明できる.F-V,V-F変換器,BBD回路,関数発生回路などの回路について原理と動作を殆ど説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ディジタル信号を処理する電子回路に関して,回路の解析や設計を行うために,ディジタル電子回路の基本概念を修得する.具体的には,論理ゲート回路,ディジタルICを用いた回路,スイッチを用いた回路,F-V,V-F変換器,BBD回路,関数発生回路などについて解説する.これらの解説を通して,回路図を読む能力および回路解析や設計する能力を育成させる.
授業の進め方・方法:
主に,プロジェクタを中心に回路図を表示して動作を原理に基づいて説明している.重要な点は白板を用い,等価回路を描いて回路の特性を解析的に導出している.年1回の試験の他に,年2回の小テスト(20分程度)を実施して,学生の理解度を測っている.また,年1~2回のレポートも課している.小テストやレポートに類似した問題を定期試験でも出題している.欠席した学生や授業だけで理解できなかった学生のために,過去の講義の動画2年分を閲覧できるようにしている.URLはoota-iで検索できる.
注意点:
本科目は本科における電子回路や計算機工学の応用科目として位置付けられる.従って,電子回路や計算機工学で,これらの科目の講義内容について十分に復習して受講することが望まれる.
電子回路や計算機工学で,これらの科目の講義内容について十分に復習して受講することが望まれる.専門用語は英語でも併記します.
本科目は放課後・家庭で60時間相当のレポートを課す.具体的には,レポート作成と2回の小テストおよび定期試験の勉強で自宅学習を確保している.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ダイオード論理ゲート,DCTL,DTL NAND ダイオード論理ゲート,DCTL,DTL NANDについて図と式を用いて説明できる.
2週 TTL IC,C-MOSの動作,C-MOSインバータ TTL IC,C-MOSの動作,C-MOSインバータについて図と式を用いて説明できる.
3週 C-MOS IC,インターフェース,無安定マルチバイブレータ C-MOS IC,インターフェース,無安定マルチバイブレータについて図と式を用いて説明できる.
4週 単安定マルチバイブレータ,フリップフロップ,ディジタルICを用いた回路,マルチプレクサ,デマルチプレクサ,チャタフリー回路,周波数の減算,位相周波数弁別器,ディジタル微分回路 単安定マルチバイブレータ,フリップフロップ,ディジタルICを用いた回路,マルチプレクサ,デマルチプレクサ,チャタフリー回路,周波数の減算,位相周波数弁別器,ディジタル微分回路について図と式を用いて説明できる.
5週 シフトレジスタ,カウンタ,スイッチを用いた回路,スイッチトキャパシタ シフトレジスタ,カウンタ,スイッチを用いた回路,スイッチトキャパシタについて図と式を用いて説明できる.
6週 SH回路,N-pathフィルタ,チョッパ増幅器,時分割多重,ヒステリシスコンパレータ SH回路,N-pathフィルタ,チョッパ増幅器,時分割多重,ヒステリシスコンパレータについて図と式を用いて説明できる.
7週 F-V変換器,帰還形F-V変換器,リセット式V-F変換器,D-A,A-D変換器,計数形,2重積分形 F-V変換器,帰還形F-V変換器,リセット式V-F変換器,D-A,A-D変換器,計数形,2重積分形について図と式を用いて説明できる.
8週 トラッキング形,逐次比較形A-D変換器 トラッキング形,逐次比較形A-D変換器について図と式を用いて説明できる.
4thQ
9週 BBD,非巡回形フィルタ BBD,非巡回形フィルタについて図と式を用いて説明できる.
10週 パルス演算回路,時分割乗算回路 パルス演算回路,時分割乗算回路について図と式を用いて説明できる.
11週 除算回路,乗算器を用いた除算回路,開平演算回路,時比率周波数変換回路 除算回路,乗算器を用いた除算回路,開平演算回路,時比率周波数変換回路について図と式を用いて説明できる.
12週 周波数開平演算回路,方形波および三角波発生器,のこぎり波発生器 周波数開平演算回路,方形波および三角波発生器,のこぎり波発生器について図と式を用いて説明できる.
13週 指数電圧発生器,疑似ランダムパルス発生器 指数電圧発生器,疑似ランダムパルス発生器について図と式を用いて説明できる.
14週 パルス通信パルス連続レベル変調および復調,パルス不連続レベル変調および復調,PWM復調回路 パルス通信パルス連続レベル変調および復調,パルス不連続レベル変調および復調,PWM復調回路について図と式を用いて説明できる.
15週 定期試験
16週 試験問題回答返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合702010100
基礎的能力4010353
専門的能力205328
分野横断的能力105419