応用物理科学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用物理科学
科目番号 AN112 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 岡崎 誠 著「べんりな変分原理」 物理数学One Point 4,共立出版 / 篠崎 寿夫、松森 徳衛、吉田 正廣 共著「現代工学のための変分学入門」現代工学社 及川 正行 著「工学系の数学、8(偏微分方程式、変分法)」サイエンス社
担当教員 下田 道成

到達目標

1.変分法における汎関数とオイラーの方程式の関係について理解し説明できる。
2.複雑な形をした汎関数のオイラーの方程式について理解し説明できる。
3.横断条件と条件付変分法について理解し説明できる。
4.変分法の物理工学への応用例について理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 変分法における汎関数とオイラーの方程式の関係について理解し説明できる。簡単な形をした汎関数に停留置を与える停留関数が満足しなければならない必要条件を理解して、オイラーの微分方程式を導くことができ、応用問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができる。簡単な形をした汎関数に停留値を与える停留関数が満足しなければならない必要条件を理解して、オイラーの微分方程式を導くことができ、基本問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができる。簡単な形をした汎関数に停留値を与える停留関数が満足しなければならない必要条件を理解して、オイラーの微分方程式を導くことができない。基本問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができない。
評価項目2 複雑な形をした汎関数のオイラーの方程式について理解し説明できる。高階導関数、2個の独立変数、2個の変関数を含む汎関数に対するオイラーの方程式を導出することができ、応用問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができる。高階導関数、2個の独立変数、2個の変関数を含む汎関数に対するオイラーの方程式を導出することができ、基本問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができる。高階導関数、2個の独立変数、2個の変関数を含む汎関数に対するオイラーの方程式を導出することができない。基本問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができない。
評価項目3 横断条件と条件付変分法について理解し説明できる。変関数の端点が固定されない横断条件を持つ場合の変分問題や等周拘束条件を伴う条件付の変分問題を理解して、停留関数を求めることができる。等周拘束条件を伴う条件付の変分問題を解き停留関数を求めることができる。等周拘束条件を伴う条件付の変分問題を解き停留関数を求めることができない。
変分法の物理工学への応用例について理解し説明できる。変分法を用いて、ニュートンの運動方程式、荷電粒子の運動方程式、波動方程式などの物理・工学の基礎方程式を導くことができる。変分法を用いて、ニュートンの運動方程式、荷電粒子の運動方程式の物理・工学の基礎方程式を導くことができる。変分法を用いて、ニュートンの運動方程式、荷電粒子の運動方程式、波動方程式を導くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
理学で基本となるエネルギー保存則や最小作用の原理などは技術の基礎として必要なことである。授業では、広く物理現象を表現するエネルギー保存則の変分原理であるハミルトン原理および物理現象に関するエネルギー最小やエントロピー最大の変分原理に基づく変分法を講義する。
授業の進め方・方法:
偏微分・微分方程式を含む講義となるので、偏微分・微分方程式を復習して受講することが望まれる。各授業項目の自学学習のためにレポート課題および演習問題を提供する。レポート課題は提出期限を提示して評価する。演習問題に関しては評価に加味しないが、実力養成のためであるので、家庭学習の際に役立ててもらいたい。授業は講義と例題の解説、演習とレポートを組み合わせて行う。講義時間中はメモを取りながら「聞く」ことと「理解する」ことに集中してほしい。
注意点:
本教科で学ぶ変分原理は理工系学部の力学、電磁気学、光学、量子力学などの科目にでてくる頻度が高い。偏微分・微分方程式を含む講義となるので、偏微分・微分方程式を復習して受講することを推奨する。
本科目は1単位あたり30時間程度の自学学習が求められます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、変分学について 最大面積問題や最速降下問題などを例として、汎関数について説明できる。
2週 関数の極大、極小 数学の解析学で学ぶ極大極小・最大最小について復習し、簡単な例題が解ける。
3週 変分法とオイラーの方程式(1) 簡単な形をした汎関数に停留値を与える停留関数が満足しなければならない必要条件を理解して、オイラーの微分方程式を導ける。
4週 変分法とオイラーの方程式(2) 基本問題におけるオイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができる。
5週 変分法とオイラーの方程式(3) 応用問題について、オイラーの微分方程式を解き停留関数を求めることができる。
6週 複雑な汎関数のオイラーの方程式(1) 高階導関数を含む汎関数に対するオイラーの方程式を導出することができる。
7週 複雑な汎関数のオイラーの方程式(2) 2個の独立変数、2個の変関数を含む汎関数に対するオイラーの方程式を導出することができる。
8週 複雑な汎関数のオイラーの方程式(3) オイラーの方程式を解くことにより、汎関数に停留値を与える停留関数を求めることができる。
4thQ
9週 平常試験
10週 横断条件 変関数の端点が固定されない横断条件を持つ場合について停留関数が満足すべき必要条件を説明できる。
11週 条件付変分法(1) ラグランジュ乗数の導入により、条件付変分問題が条件なしの変分問題に変換できることを説明できる。
12週 条件付変分法(2) 等周拘束条件を伴う条件付変分の基本的問題を解くことができる。
13週 変分法の応用(1) 変分法を用いて、ニュートンの運動方程式、荷電粒子の運動方程式を導くことができる。
14週 変分法の応用(2) 変分法を用いて、波動方程式を導くことができる。
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験平常試験レポート合計
総合評価割合602515000100
基礎的能力1010500025
専門的能力50151000075
分野横断的能力0000000