ロボット工学特論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 ロボット工学特論
科目番号 AN126 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 吉川恒夫著:「ロボット制御基礎論」コロナ社 / WIlliam A. Wolovich, ROROTICS:Basic Analysis and Design
担当教員 永田 正伸

到達目標

・マニピュレータのリンクに固定されたリング座標系を表現するための物体座標系の表現方法,特に座標の回転変換,オイラー角による姿勢表現について理解し、説明できる.
・座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について理解し、説明できる.
・マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を理解し、説明できる.
・自由度マニピュレータのリンク座標間の関係と同次変換行列の関係を理解し、説明できる。さらに,代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を理解し、逆運動学問題を説明できる。
・ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程を理解し、説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
位置と姿勢・マニピュレータのリンクに固定されたリング座標系を表現するための物体座標系の表現方法,特に座標の回転変換,オイラー角による姿勢表現について理解し、座標間の位置ベクトルおよび姿勢行列を導出できる.・マニピュレータのリンクに固定されたリング座標系を表現するための物体座標系の表現方法,特に座標の回転変換,オイラー角による姿勢表現について理解し、説明できる.・マニピュレータのリンクに固定されたリング座標系を表現するための物体座標系の表現方法,特に座標の回転変換,オイラー角による姿勢表現について説明できない。
座標変換・座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について理解し、座標間の同時変換行列を導出できる.・座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について理解し、説明できる.・座標系間の位置と姿勢の関係を表す同時変換について説明できない.
手先位置と関節変数マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を理解し、各関節座標間の同時変換行列を導出できる.マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を理解し、説明できる.マニピュレータの手先位置を各リンクの関節変数を用いて表す一般的方法を説明できない.
順運動学6自由度マニピュレータのリンク座標を設定し,それらの同次変換行列を求め,これらの同時変換行列を用いて順運動学方程式を導出できる.6自由度マニピュレータのリンク座標間の関係と同次変換行列の関係を理解し、説明できる。6自由度マニピュレータのリンク座標間の関係と同次変換行列の関係を説明できない。
逆運動学代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を用いて逆運動学問題を解くことができる.代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を理解し、逆運動学問題を説明できる。代数的方法および手先位置と関節変数の微分関係を用いて逆運動学問題が説明できない。
動力学ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程を理解し、nリンクマニピュレータの運動方程式を導出できる.ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程を理解し、説明できる.ニュートン・オイラー法によるマニピュレータの運動方程式の導出過程が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般的なロボット(マニピュレータ)は開ループリンク機構であり、3次元空間を作業領域とする場合は、煩雑な運動学および動力学の知識が必要となる。特に、ロボットに希望する動作を実現するためには、逆運動学方程式を解く必要がある。一方、ロボットの制御を行う場合には、予めシミュレーションによる検証を行うことが望ましいが、そのためには、順動力学さらに逆動力学問題を解く必要がある。本講義では、これらのロボット開発における基本的な知識の習得を行う。
授業の進め方・方法:
授業は、講義形式で実施する。
自学学習については、授業内・HP等での指示に基づくレポートを期末に提出し、レポート評価50%のうち、10%の評価として総合評価に算入する。
注意点:
規定授業時間数:30単位時間
本科目は、1単位あたり30時間程度の自学自習が求められます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物体の位置と姿勢 基準座標と物体座標の位置と姿勢の関係を理解し、説明できる。
2週 回転行列と座標変換
姿勢表現
2つの座標間の姿勢関係を理解し、回転行列を求めることができる。
回転行列を用いた2つの座標間の姿勢表現を理解し、説明できる。
3週 同次変換と逆変換 2つの座標間の位置と姿勢の関係を同次変換行列を用いて表し、また、逆変換行列を求めることができる。
4週 順運動学と逆運動学 順運動学と逆運動学を理解し、説明できる。
5週 リンク座標間の関係 リンクパラメータを用いて、マニピュレータのリンク間の座標関係を表すことができる。
6週 マニピュレータの順運動学 同次変換を用いた座業変換を、マニピュレータの順運動学に適用できる。
7週 マニピュレータの逆運動学 マニピュレータの逆運動学問題の例題を解くことができる。
8週 座標間の速度関係 座標間の速度関係を理解し、説明できる。
4thQ
9週 マニピュレータの座標間の速度関係 マニピュレータのリンク間の座標関係を微分し、速度関係を求めることができる。
10週 マニピュレータのヤコビ行列と特異姿勢 マニピュレータのヤコビ行列を求めることができる。
11週 静力学とヤコビ行列 マニピュレータの手先に働く力と、関節トルクおよび関節力との関係を理解し、説明できる。
12週 ニュートン・オイラーの運動方程式 ニュートン・オイラーの運動方程式を理解し、説明できる。
13週 マニピュレータへのニュートン・オイラーの運動方程式の適用(1) nリンクマニピュレータにニュートン・オイラーの運動方程式を適用し、nリンクマニピュレータの動力学方程式の導出過程を説明できる。
14週 マニピュレータへのニュートン・オイラーの運動方程式の適用(2) nリンクマニピュレータにニュートン・オイラーの運動方程式を適用し、nリンクマニピュレータの動力学方程式の導出過程を説明できる。
15週 定期試験 学習した主な問題を解くことができる。
16週 試験解答、答案返却
授業のまとめ
授業で学習した内容を理解し、説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート自学ノート合計
総合評価割合504010000100
基礎的能力0000000
専門的能力504010000100
分野横断的能力0000000