数理・OR工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 数理・OR工学
科目番号 AN127 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての最適化(関口良行著、近代科学社) 数理計画法(関根泰次、岩波書店) 統計ソフトRによる多次元データ処理入門(村上純ほか、日新出版)
担当教員 村上 純

到達目標

 OR(オペレーションズ・リサーチ)として、最適化問題を取り上げる。その概要を理解し、中でも線形計画問題のシンプレックス法に関わる以下の内容を理解し、それらを用いて実際に計算できるようになること目指す。
1.最適化問題の意味
2.制約なし最適化問題の最適解
3.制約付き最適化問題の最適解
4.線形最適化問題の最適解(単体法および双対問題)
 次に、統計学の応用として、意思決定にも必要な分散分析について、三元配置までの考え方と多重比較の方法を理解し、実際にR言語により分析ができるようになることを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
最適化問題の意味最適化問題の意味について詳しく理解し、正確に説明することができる。最適化問題の意味について理解し、説明することができる。最適化問題の意味について理解できず、説明することができない。
制約なし最適化問題の最適解制約なし最適化問題の最適解について詳しく理解し正確に説明でき、実際に正確な計算をすることができる。制約なし最適化問題の最適解について理解し説明でき、実際に計算することができる。制約なし最適化問題の最適解について理解も説明もできず、実際に計算することができない。
制約付き最適化問題の最適解1(単体法)単体法について詳しく理解し説明でき、演習問題が正しく解けて、実際に正確な計算をすることができる。単体法について理解し説明でき、演習問題を解くことができ、実際の計算をすることができる。単体法について理解も説明もできず、演習問題や実際の計算を行うことができない。
制約付き最適化問題の最適解2(双対問題)双対問題について詳しく理解し説明でき、演習問題を正確に解くことができる。 双対問題について理解し説明でき、演習問題を解くことができる。双対問題について詳しく理解し説明できず、演習問題を解くことができない。
分散分析1(一元および二元配置分散分析)分散分析の意味を詳しく理解して正確に説明でき、実際に正確に一元および二元配置分散分析を行うことができる。分散分析の意味を理解して説明でき、実際に一元および二元配置分散分析を行うことができる。分散分析の意味を理解も説明もできず、実際に一元配置および二元配置分散分析を行うことができない。
分散分析2(三元配置分散分析)三元配置分散分析について詳しく理解し正確に説明でき、実際に正確に分析を行うことができる。三元配置分散分析について理解し説明でき、実際に分析を行うことができる。三元配置分散分析について理解も説明もできず、実際に分析を行うことができない。
多重比較多重比較の意味を詳しく理解して正確に説明でき、実際に正確に比較を行うことができる。多重比較の意味を理解して説明でき、実際に比較を行うことができる。多重比較の意味を理解も説明もできず、実際に比較を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 線形計画法は、制約条件下で、目的関数を最適化する問題に対する解法を扱うもので、本科目では、数学的な側面からこの問題について捉える。工学に限らず、多くの場面、たとえば政策や生産、輸送、経営などにおいて、線形計画法は重要なものとなっており、実際に必要となったときに、その考え方が分かるよう、例題と演習問題を解きながら講述する。さらに、大量のデータが蓄積される時代の意思決定のために重要な、分散分析についても取り上げ、統計用の言語であるRを用いた分析ができるようにする。
授業の進め方・方法:
 本科目は、本科のシステム工学や最適制御関連の科目、および統計学や多変量解析関連の科目と関連している。授業は座学を中心とし、実際の計算は机上およびパソコンを用いた演習形式で行う。演習はレポート提出が必要で、評価はそれにより行う。レポートを提出しない場合は0点とする。6割以上の得点で目標を達成したとする。各自、実際に計算を行うことにより、手法の理解を深め、実際問題への応用が可能となるようにする。自学学習は講義の復習および演習レポート作成の時間に充てるものとする。
注意点:
 現実的な問題への応用が幅広い内容であるので、理論的な基礎をよく理解した上で、計算も実際に行って、現実問題への応用ができるようになってほしい。規定授業時数は60時間である。本科目はレポート課題作成等のため放課後・家庭で30時間の自学自習が求められる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 最適化問題全般についての概要について理解できる。
2週 凸関数 凸関数の性質と判定について理解し、説明することができる。
3週 制約なし最適化問題の最適解1 制約なし最適化問題全般および最適性条件について理解し、説明することができる。
4週 制約なし最適化問題の最適解2 局所最適解の求め方について理解し、実際に解を求めることができる。
5週 制約付き最適化問題の最適解1 制約付き最適化問題全般および等式制約が1つの場合について理解し、説明および実際に解を求めることができる。
6週 制約付き最適化問題の最適解2 等式制約が複数の場合について理解し、実際に解を求めることができる。
7週 制約付き最適化問題の最適解3 2次の最適性条件および不等式制約条件について理解し、実際に解を求めることができる。
8週 線形最適化問題1 線形最適化問題および単体法の概要について理解し、説明することができる。
4thQ
9週 線形最適化問題2 単体法について理解し、実際に与えられた問題について、計算を行うことができる。
10週 線形最適化問題3 二段単体法について理解し、実際に与えられた問題について、計算を行うことができる。
11週 線形最適化問題4 双対問題について理解し、問題を解くことができる。
12週 分散分析1 分散分析の概要および一元配置分散分析について理解し、説明および実際にR言語により計算することができる。
13週 分散分析2 二元配置分散分析について理解し、実際にR言語により計算することができる。
14週 分散分析3 三元配置分散分析について理解し、実際にR言語により計算することができる。
15週 分散分析4 多重比較について理解し、実際にR言語により計算することができる。
16週 まとめとレポート作成

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000003535
専門的能力000004545
分野横断的能力000002020