波形伝送工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 波形伝送工学
科目番号 AN209 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Paul, Clayton R.,"Transmission Lines in Digital Systems for EMC Practitioners," John Wiley & Sons, Inc./C.R.Paul,"Introduction to Electromagnetic Compatibility,"John Wiley & Sons, Inc.C.R.Paul,"Transmission Lines in Digital and Analog Electronic Systems: Signal Integrity and Crosstalk,"John Wiley & Sons, Inc.
担当教員 下塩 義文

到達目標

各種受動素子の高周波特性を理解し、伝送線路を分布定数で表すことができる。作成した伝送線路の等価回路を用いて、信号の時間領域、周波数領域での信号伝送特性を求めることができる。信号品質を計測するための各種計測技術を理解し、計測を行うことができる。各種のノイズ対策素子を用いて対策を行うための基礎を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
伝送線路のモデル化複数の伝送線路について,モデル化ができる.TDR法によるモデル化ができる.計算によるモデル化を実行できる.オープン・ショート法を用いて測定した結果からモデル化ができる.TDR法によるモデル化ができる.計算によるモデル化を理解する.オープン・ショート法を知らない.TDR法を知らない.
伝送線路の解析技術行列を用いた解析法を理解し、クロストークの計算ができ、その特性を説明できる.時間領域の解析法による計算ができ、波形を描くことができる.モードを用いた解析ができる.SPICEによるシミュレーションができ、その特性を説明できる.行列を用いた解析法を理解し、クロストークの計算ができる.時間領域の解析法を理解し、波形を描くことができる.モードを用いた解析ができる.SPICEによるシミュレーションができる.クロストークの知識がない.SPICEを操作できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高速デジタル信号の伝送において、波形をいかに劣化させることなく伝送するかが重要である。本講義においては、プリント基板の配線、LSI内部の配線、ケーブルによる伝送など各種の信号伝送系にけるSignal integrity(信号品質)に関する技術を教授する。
授業の進め方・方法:
・事前に教科書を読み,それについて学生自ら解説を行い,それについて指導する形で講義を行う.
・筆記試験を40%,レポートを60%の割合で評価し,60%以上を達成とする.
・本科目は教科書は英文のものを用い,試験も英語で行う.
注意点:
・期限を過ぎたレポートは,0点として評価する.質問についてはいつでも教員室で対応する他,メールでも受け付けるので利用されたい。
・ 本科目は1単位当たり,15時間の講義と30時間の自学自習(課題レポート等)から構成される.

本校教育目標との対応:(3),JABEE学習教育目標との対応:D-1(○)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波形伝送概要 波形伝送の概念,用語等を理解する
2週 伝送線路 伝送線路方程式の構成を理解する
3週 時間領域における伝送線路解析(1) 時間領域における伝送線路の解析を理解する
4週 時間領域における伝送線路解析(2) 2導体線路の時間領域解析を理解する
5週 時間領域における伝送線路解析(3) 実際の時間領域解析ができる
6週 周波数領域における伝送線路解析(1) 周波数領域における伝送線路の解析を理解する
7週 周波数領域における伝送線路解析(2) 複数導体線路の周波数領域における解析を理解する
8週 周波数領域における伝送線路解析(3) 複数導体線路における実際の周波数領域解析ができる
2ndQ
9週 クロストーク解析(1) 3導体線路におけるクロストークの解析を理解する
10週 クロストーク解析(2) クロストークをモデル化して計算できる
11週 誘導性-容量性クロストークモデル(1) 誘導性と容量性に基づく,近似的なクロストークモデルを理解する
12週 誘導性-容量性クロストークモデル(2) 近似的なクロストークモデルを用いた計算ができる
13週 クロストーク予測モデル(1) 正確なクロストークモデルを理解する
14週 クロストーク予測モデル(2) 正確なクロストークモデルを用いた計算ができる
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40600000100
基礎的能力0000000
専門的能力40600000100
分野横断的能力0000000