応用生物化学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用生物化学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリントを配布する。参考書:「レーニンジャーの新生化学 上・下 第6版」 アルバート L レーニンジャー (著), デービッド L ネルソン (著) 廣川書店, 「概説 生物化学」 島原健三著 三共出版, 「ヴォート生化学」 田宮信雄訳 東京化学同人, 「わかりやすい生化学」 林 寛 編著 三共出版, 「生物科学入門」 岡山繁樹著 培風館
担当教員 竹部 洋平,元木 純也

到達目標

1.生体成分の構造とそれらの化学的性質を習得する
2.代謝の分子機構とその異常となる原因を理解する
3.生命の営みに必要な生理活性物質とシグナル伝達を理解する
4.生命現象の本質を理解し、実践的応用のための科学リテラシーを身につける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 生体成分の構造とそれらの化学的性質タンパク質・脂質・糖質・核酸の構造・化学的性質およびそれらの構造解析法について明瞭に理解し、言葉でわかりやすく説明できる。タンパク質・脂質・糖質・核酸の構造・化学的性質について明確に理解し、言葉でわかりやすく説明できる。タンパク質・脂質・糖質・核酸の構造・化学的性質およびそれらの構造解析法について理解できない。
評価項目2 代謝の分子機構とその異常となる原因を理解する代謝の分子機構とその異常となる原因について理解し、明確に説明できる。代謝の分子機構とその異常となる原因について理解し、説明できる。代謝の分子機構とその異常となる原因について理解し、説明できない。
評価項目3 生命の営みに必要な生理活性分子とシグナル伝達を理解する生理活性分子とシグナル伝達について理解し、明確に説明できる。生理活性分子とシグナル伝達について理解し、説明できる。生理活性分子とシグナル伝達について理解し、説明できない。
評価項目4 生命現象の本質を理解し、実践的応用のための科学リテラシーを身につける生命現象の本質を理解し、実践的応用例を明確に説明することができる。生命現象の本質を理解し、実践的応用例を説明することができる。生命現象の本質を理解し、実践的応用例を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d2-a) 説明 閉じる
JABEE (d2-c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代の自然科学領域において、生物化学が関係する分野は一層広範囲なものとなってきた。生物が生命活動を維持するために必要とする生体分子の構造と相互作用、代謝、反応を理解し、生命現象の分子論的な理解を深める。
授業の進め方・方法:
本講義は、配付資料を中心に授業を進める。生体分子の構造と反応性を整理しながら、これに基づく生命現象について解説する。本科5年までに習った内容を基本として、それら成分の相互関係や近年明らかにされた生命現象も交えて講義する。授業では生化学の反応に基づいた疾患を取り上げ、生化学の知識を使用し、発症原因や結論を考えることで科学リテラシーを養う。また、分子シミュレーションソフトウェアを用いて、ホモロジーモデリングとドッキングシミュレーションを行う。
注意点:
*各成分の分子構造に関することを予習し、1回毎の講義で前回講義の内容を質問するので復習しておくこと。
*わからないことや疑問に思うことは自ら調べ、また、質問に来てほしい。質問はいつでも受け付けます。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 応用生物化学序論 応用生物化学についてのガイダンス
2週 糖質の代謝(1) 単糖、オリゴ糖、多糖の構造と化学的性質について理解し、体内に取り入れられた糖質の行方と糖質代謝の概要を説明できる。
3週 糖質の代謝(2) 糖質代謝の異常と疾病について理解し、説明できる。
4週 脂質の代謝(1) グリセリドと脂肪酸の異化について理解し、説明できる。
5週 脂質の代謝(2) 脂肪酸、グリセリドおよびリン脂質の生合成、また脂質代謝の異常と疾病について理解し、説明できる。
6週 アミノ酸の代謝(1) アミノ酸の構造、機能、代謝および臓器特異性について理解し、説明できる。
7週 アミノ酸の代謝(2) アミノ酸代謝の異常と疾病について理解し、説明できる。
8週 核酸とタンパク質の代謝(1) 核酸の代謝の概要、遺伝情報の伝達と発現について理解し、説明できる。
2ndQ
9週 核酸とタンパク質の代謝(2) 突然変異と遺伝子操作について理解し、変異原性試験やゲノム編集など関連技術の概要を説明できる。
10週 代謝の分子機構(1) 解糖と脂質酸化、アミノ酸の異化に関与する補酵素とビタミンについて構造と機能、互いの関連について理解する。
11週 代謝の分子機構(2) 補酵素を含む補助因子を要求する酵素を例として、触媒反応を理解する。
12週 生体における細胞間の情報伝達(1) 受容体の分子認識とシグナル伝達機構を理解し、バイオシグナリングを説明できる。
13週 生体における細胞間の情報伝達(2) 生体内の化学統制の例を理解し、薬剤の分子設計について例をあげて説明できる。
14週 生体防御 異物代謝酵素の構造と機能、またその代謝的活性化について理解する。
15週 後期末試験
16週 期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力200000020
専門的能力5020000070
分野横断的能力100000010