固体力学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 固体力学
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 図解 はじめての固体力学 -弾性,塑性,粘弾性- 有光 隆 著 講談社
担当教員 井山 裕文

到達目標

1.応力と応力の釣合い条件,変形とひずみ(適合条件)について理解し説明することができる.
2.金属材料の降伏条件(トレスカおよびミーゼスの降伏条件)が理解し説明することができる.
3. 塑性加工解析に必要な弾塑性材料に関する応力とひずみの関係(構成式),体積一定条件および境界条件を理解し説明することができる.
4.弾塑性変形問題の基礎理論(釣合方程式,適合条件,降伏条件,構成式,体積一定条件,境界条件など)を理解し説明することができる.
5.弾塑性変形の種々の解析問題に対して,基礎理論の基本的な内容を理解し解を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
応力ベクトル、応力テンソル応力のベクトル、テンソル表示について理解でき、応用された演習問題を解くことができる。応力のベクトル、テンソル表示について理解でき、例題レベルを解くことができる。応力のベクトル、テンソル表示について理解できる。
応力とひずみの関係適合条件式、構成方程式を理解でき、その応用問題を解くことができる。適合条件式、構成方程式を理解でき、その例題レベルを解くことができる。適合条件式、構成方程式を理解できる。
弾性問題の解析弾性力学の物理量、基本構造が理解でき、2次元問題、固有関数を求めることができ、その応用問題を解くことができる。弾性力学の物理量、基本構造が理解でき、2次元問題、固有関数を求めることができ、例題レベルの問題を解くことができる。弾性力学の物理量、基本構造が理解でき、2次元問題、固有関数を求めることができる。
エネルギー問題ひずみエネルギー、仮想仕事および補仮想仕事の原理が理解でき、その応用問題を解くことができる。ひずみエネルギー、仮想仕事および補仮想仕事の原理が理解でき、その例題レベルの問題を解くことができる。ひずみエネルギー、仮想仕事および補仮想仕事の原理が理解できる。
塑性力学、粘弾性力学塑性力学、粘弾性力学の内容、応力-ひずみ線図とそのモデル、降伏条件について理解でき、その応用問題を解くことができる。塑性力学、粘弾性力学の内容、応力-ひずみ線図とそのモデル、降伏条件について理解でき、その例題レベルの問題を解くことができる。塑性力学、粘弾性力学の内容、応力-ひずみ線図とそのモデル、降伏条件について理解できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準 (1(2)(d)(1)) 説明 閉じる
JABEE基準 (1(2)(d)(3)) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
専攻科到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は,従来の弾塑性論の論理的な部分である弾塑性加工中の材料の変形特性,あるいは様々な加工条件が加工力や材料の諸性質に及ぼす影響などを明らかにしつつ,弾塑性変形の理論をもとに,いろいろな加工解析のための基礎知識の習得を目指す.本校カリキュラムでは,基礎知識を活用して工学的問題を理解できるモノづくり専門工学と位置付けられる科目である.
授業の進め方・方法:
本講義では教科書を中心に進める.授業は,毎時間前半に弾塑性理論の基礎について解説していくが,学生自身の理解を深めるために各項目ごとに割り当てて,発表,説明を行ってもらう.定期試験ごとに演習問題をまとめた課題レポートを提出して貰う.
注意点:
1回の授業に対して1時間程度の自学自習に取り組むこと.授業では教科書を中心に進めるので,教科書をよく読んでおき,担当となった内容は十分理解し,説明できるようになっておくこと.また,微分積分など,これまで学んだ数学を用いるので,内容を理解しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,力学的基礎および弾塑性力学の目的 固体力学での学習内容の概要説明、材料力学や塑性加工力学などの関連内容との関係を説明し、授業方針の内容を理解してもらう。
2週 力学の基礎と数学の基礎(1) 力学の基礎について、力、モーメント、応力とひずみの関係について、既存の知識を確認する。
3週 力学の基礎と数学の基礎(2) マトリックス、ベクトルの内積、外積、固有値、テンソルについて理解する。
4週 応力の解析 応力ベクトル、応力テンソルから主応力の求め方、平衡方程式について理解できる。
5週 ひずみの解析 変位、ひずみ、変位勾配について理解でき、主ひずみとその主軸方向の求め方、モールのひずみ円について理解できる。
6週 応力とひずみの関係 構成方程式、平面ひずみ、平面応力の説明を行う。異方性弾性体の構成方程式について理解できる。
7週 弾性力学の基本 弾性力学における物理量の関係、境界条件、円柱座標系における変位、ひずみ、応力成分について理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 2次元、3次元の弾性問題解析 スカラー、ベクトルポテンシャルとは何か、固有関数について理解できる。
10週 エネルギー原理(1) ひずみエネルギー、仮想仕事の原理について理解できる。
11週 エネルギー原理(2) 補仮想仕事の原理とは何かを知り、カスティリアノの定理について理解できる。
12週 塑性力学 応力-ひずみ曲線、公称応力、真応力について理解できる。応力-ひずみ曲線の数式モデル、降伏条件、加工硬化について理解する。
13週 粘弾性力学 マクスウェル要素、フォークト要素の内容について理解でき、クリープと応力緩和とは何か理解できるようにする。
14週 学習内容のまとめ まとめを行う。知識の確認を行う。
15週 後期定期試験
16週 試験返却と解説 試験内容の解答例を示し、全体の総括を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表課題レポート合計
総合評価割合651520100
基礎的能力4051055
演習問題2501035
解説010010