到達目標
1.分子軌道法の一つであるLCAO法の計算を,水素分子,エチレン分子,共役ジエン等に適用でき,関連する分子の反応性や物性の説明に利用できる。
2.溶媒の種類と,適切な反応結果に至るための選び方を理解する。
3.不斉合成,位置選択的反応の方法論,速度論支配の生成物,熱力学支配の生成物について理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1:量子論の発展と原子の構造,分子軌道法の理解により,有機化合物の反応と性質を理解する | 単純な有機化合物の性質と性質に分子軌道法の計算結果を適用して説明し,関連する反応の結果を予測できる。 | 単純な有機化合物の性質と性質に分子軌道法の計算結果を適用して説明できる。 | 単純な有機化合物の性質と性質に分子軌道法の計算結果を適用できない。 |
評価項目2:溶媒の種類と,適切な反応結果に至るための選び方を理解する | 反応に用いる溶媒の効果を説明し,溶媒の選択ができる。 | 溶媒を使う意味や使い分けを説明できる。 | 溶媒を使う意味や使い分けを説明できない。 |
評価項目3:立体選択的反応,位置選択的反応の方法論,速度論支配の生成物,熱力学支配の生成物について理解する | 反応の選択性を利用して,立体的に複雑な分子の合成の立体制御を提案できる。 | 反応の選択性が生じる機構を説明できる。 | 反応の選択性が生じる機構を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE基準 (1(2)(d)(1))
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JABEE基準 (1(2)(d)(3))
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JABEE基準 (c)
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専攻科到達目標 3-3
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教育方法等
概要:
分子軌道法の計算を変分法等の基本的な数学を適用して行い,その結果を簡単な有機分子の反応や物性の説明に利用する。また,有機電子論・構造と反応性・溶媒効果等について解説する。また,分子軌道論による反応の解釈に触れる。これらは,有機化学反応の計画と結果の解釈に必要となる知識となる。そして,「反応が進む」から「ものを製造する」に移行する際に問題となる点を,反応経路・精製方法・溶媒・試薬の選定の例を通して解説する。
授業の進め方・方法:
教科書と配布資料により授業を進め,有機電子論の知識を整理した上で,分子軌道論で説明される現象について解説する。そして,これらを反応各論の理解に役立てる。また,溶媒や反応条件の選定,触媒の選定と開発による選択的な反応や,産業上利用価値の高い技術について解説する。
注意点:
本科で学んだ関連科目の基礎をよく理解していることが必要である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
量子論の発展 |
評価項目1
|
2週 |
原子の構造 |
評価項目1
|
3週 |
分子軌道法1:水素分子 |
評価項目1
|
4週 |
分子軌道法2:メタン,エチレン |
評価項目1
|
5週 |
分子軌道法3:ブタジエン |
評価項目1
|
6週 |
分子軌道法4:紫外可視吸収 |
評価項目1
|
7週 |
分子軌道法5:アリルカチオン |
評価項目1
|
8週 |
1,4-付加反応と反応選択性 |
評価項目1,3
|
4thQ |
9週 |
Diels-Alder反応 |
評価項目1,3
|
10週 |
Diels-Alder反応と天然化合物 |
評価項目1,3
|
11週 |
反応の分子軌道論的取り扱い:脂肪族求核置換反応 |
評価項目1
|
12週 |
反応の分子軌道論的取り扱い:芳香族求電子置換反応各論 |
評価項目1,3
|
13週 |
溶媒効果,クラウンエーテル |
評価項目2
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14週 |
合成反応を可能にする工夫:相間移動触媒,水の共沸除去 |
評価項目2
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15週 |
プレゼンテーション |
評価項目1~3
|
16週 |
プレゼンテーション |
評価項目1~3
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評価割合
| レポート | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |