流動論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 流動論
科目番号 0027 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント(参考書:「粘性流体力学」 生井・井上 共著 理工学社)
担当教員 宮本 弘之

到達目標

1.流体の運動・変形及び内部応力などの基本事項を理解できる。
2.流体運動の保存式(連続の式、ナビエ・ストークスの式)を理解し,式中に含まれる各項のもつ物理的意味を把握できる。
3.粘性による乱れの誘発や乱れと流体運動との相互関連が理解できる。
4.プラントルの混合距離,カルマンの相似仮説等を学習し,それらを系統立てて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の運動・変形及び内部応力などの基本事項を十分に理解できる。 流体の運動・変形及び内部応力などの基本事項を概ね理解できる。 流体の運動・変形及び内部応力などの基本事項の理解が不足している。
評価項目2流体運動の保存式を十分に理解し,その物理的意味も十分に把握できる。 流体運動の保存式を概ね理解し,その物理的意味も概ね把握できる。流体運動の保存式の理解が不足し,その物理的意味の把握も不足している。
評価項目3粘性による乱れの誘発や乱れと流体運動との相互関連について十分に理解できる。粘性による乱れの誘発や乱れと流体運動との相互関連について概ね理解できる。粘性による乱れの誘発や乱れと流体運動との相互関連についての理解が不足している。
評価項目4プラントルの混合距離,カルマンの相似仮説等を系統立てて十分に理解できる。プラントルの混合距離,カルマンの相似仮説等を系統立てて概ね理解できる。プラントルの混合距離,カルマンの相似仮説等の系統立てた理解が不足する。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d2-a) 説明 閉じる
JABEE (d2-c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業は、本科の機械電気工学科4年で受講した流体力学及び5年受講の熱流体現象論に引き続き、粘性の影響を受ける流動現象を本質的に系統立てて理論的に取り扱うための基礎知識を学びます。具体的には、従来の水力学的手法による非粘性流れの理論値を単に修正するのではなく、粘性の影響が無視できない流体の乱流現象を理論的に取り扱って、粘性流れを本質的に理解しようとするものです。
授業の進め方・方法:
本授業では、第1に、ニュートン流体の三次元粘性流れに対する基礎理論を学習して、流体の変形と内部応力の関係、及びナビエ・ストークスの運動方程式を理解します。続いて、日常で頻繁に遭遇する乱流の基礎的学習を行い、乱流挙動が流体運動に及ぼす影響をレイノルズ方程式の誘導、及び実験資料等から確認します。また、半実験的な乱流計算法の基礎を学習し、粘性流体の流体力学的取り扱い方について理解を深めます。なお、テキストには英文を使用し、専門英語表記の習熟も本授業の目指すところです。
注意点:
授業毎に予定の範囲を2名程度で担当解説し,皆で質問する授業形式としますので,授業後に内容をまとめ,次回の授業では受身ではなく,自ら授業をリードする姿勢で予習しておくことが必要です。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 粘性流体力学の概説(授業ガイダンス) 粘性流体の性質と、力学上の留意点を理解する。
2週 流体の運動と連続の式 流体の運動と連続の式を導出し、その構成を理解する。
3週 流動体の応力システム 流動体の応力システムの構成を理解する。
4週 流体の変形と内部応力の関係 流体の変形と内部応力について理解する。
5週 ストークスの仮説 ストークスの仮説を理解する。
6週 体積粘性係数 体積粘性係数を理解する。
7週 ナビエ・ストークス式の導出(デカルト座標) ナビエ・ストークス式(デカルト座標)を導出し、その構成を理解する。
8週 ナビエ・ストークス式の座標変換(円筒座標) ナビエ・ストークス式の座標変換(円筒座標)を理解する。
4thQ
9週 乱流の基礎 乱流の基礎事項について理解する。
10週 乱流応力とレイノルズ方程式 乱流応力とレイノルズ方程式について理解する。
11週 流動に占める乱流寄与の確認 流動に占める乱流寄与をレイノルズ方程式で確認する。
12週 乱流の渦スケール、エネルギー、散逸 乱流の渦スケール、エネルギー、散逸を理解する。
13週 プラントルの混合距離理論 プラントルの混合距離理論を理解する。
14週 カルマンの相似仮説 カルマンの相似仮説を理解する。
15週 後期定期試験
16週 科目総括 試験結果の返却による各自達成度および重要事項を最終的に確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表レポートその他合計
総合評価割合502525000100
基礎的能力30151500060
専門的能力20101000040
分野横断的能力0000000