熱流動論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 熱流動論
科目番号 0028 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 テーマごとに資料を配布 参考書 伝熱学の基礎」吉田駿,理工学社,JSMEテキストシリーズ「伝熱工学」日本機械学会,「ターボ機械-入門編-」
担当教員 山下 徹,田中 禎一

到達目標

1. 簡単な熱問題に対して、コンピュータを用いて数値計算を行なうことができる。
2. 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない,結果について評価することができる。
3. 遠心ポンプの作動原理と理論的性能を理解するために角運動量の理論を適用し,すべり現象について理解し,説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1数値計算について十分な理解ができており、簡単な熱問題に対して、より詳細な条件を考慮した設定や差分化を行ない、計算できる。数値計算について基礎的な理解ができており、簡単な熱問題に対して基礎的な条件設定、差分化を行ない、計算できる。数値計算についての理解が不足しており、熱問題の数値計算において条件設定や差分化に重大な誤りがある。
評価項目2熱伝導、熱伝達、熱放射について十分理解の上、簡単な伝熱問題について、モデル化や条件を適切に設定することができ、結果について評価することができる。熱伝導、熱伝達、熱放射について理解の上、簡単な伝熱問題について、多少の誤りはあるがモデル化や条件を検討することができ、結果を得ることができる。熱伝導、熱伝達、熱放射について理解が足りず、簡単な伝熱問題についてモデル化や条件の検討に根本的な誤りがあり、結果を得ることができない。
評価項目3遠心ポンプの作動原理と理論的性能を理解するために角運動量の理論を適用し,すべり現象について十分に理解し,明確に説明することができる。遠心ポンプの作動原理と理論的性能を理解するために角運動量の理論を適用し,すべり現象を理解できる。遠心ポンプの作動原理と理論的性能を理解するための角運動量の理論やすべり現象の理解が不十分で,明確に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる
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JABEE (d)-(3) 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
熱流動論は、様々な機械を対象とした熱および流体の流動を扱う学問である。
熱工学分野については、様々な熱問題の解決に必要となる計算法の基礎や、理論的およびコンピュータによる解析方法を学び、これらの修得を目標としている。
流体工学分野については、様々な流体運動に関係した問題の解決に必要となる流れの諸性質について理解することを目的としている。
授業の進め方・方法:
本科目は主に講義形式にて実施する(授業の形態:【オムニバス方式】)。
機械知能システム工学科5年の熱流体現象論IおよびIIでは流体工学および伝熱工学の基礎的事項を学んだが、本科目では、その内容をさらに深く実践的に取り扱う。また、パソコンを用いた数値シミュレーションについては演習課題にもとづいて学ぶ。
目標項目の達成度はレポート評価を熱工学分野50%,流体工学分野50%の計100%として評価し、最終成績が総合60点以上を合格とする。
注意点:
図書館あるいは書店にある関連図書を利用して授業内容を理解する。
練習問題を数多く解くことで計算力と実践力を養う。
専攻科での学問に求められるのは、単に計算ができれば良いというものではなく、現象・問題に対して深い科学的な理解の下でこれを理解し、解決をはかる力を身につけることです。そのためには、科目に対して主体的に取り組むことが重要です。
(事前指導)毎回の講義後半に次回内容の紹介をするので、参考書の該当箇所を読んでくること。
(事後指導)講義で配布した資料をもとに授業内容を整理し、課題に取り組むことで理解を深めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目ガイダンスおよび伝熱工学の基礎,問題演習1(伝熱の3形態,熱伝導)(山下担当) 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
2週 伝熱工学の基礎,問題演習2(熱伝達,熱通過,エンジニアリング問題)(山下担当) 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
3週 伝熱工学の基礎,問題演習3(熱交換,熱放射,エンジニアリング問題)(山下担当) 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
4週 伝熱現象の数値解析(支配方程式・条件の差分表示,収束計算,判定条件)(山下担当) 差分法による数値計算手法について理解し、説明することができる。
5週 数値解析演習(伝熱フィンの理論解析と数値シミュレーション)(山下担当) 差分法による数値計算手法について理解し、具体的な計算を行なうことができる。
6週 伝熱問題のモデル化と設計(熱回路網法,オーダーエスティメーション)(山下担当) 伝熱問題のモデル化における諸検討方法について理解し、検討を行なうことができる。
7週 伝熱モデル計算演習(伝熱問題のモデル化)(山下担当) 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない、結果について評価することができる。
8週 〔中間試験〕(山下担当)
4thQ
9週 流体機械とは,エネルギ変換・伝達の仕組み(田中担当) 流体機械によるエネルギ変換・伝達の仕組みが理解できる。
10週 ターボ機械の定義・種類・構成要素(田中担当) ターボ機械の定義・種類・構成を理解できる。
11週 遠心ポンプの流れ1(速度線図と角運動量の理論)(田中担当) 遠心ポンプの速度線図が描けて角運動量の理論が適用できる。
12週 遠心ポンプの流れ1(速度線図と角運動量の理論)(田中担当) 遠心ポンプの速度線図が描けて角運動量の理論が適用できる。
13週 羽根車内部の損失と効率(田中担当) 羽根車内部の損失要因、および効率との関係が理解できる。
14週 遠心ポンプの特性曲線(田中担当) 遠心ポンプの特性を理解して典型的な特性曲線が描ける。
15週 〔学年末試験〕(田中担当)
16週 答案返却と解説(田中担当)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート(熱工学分野)レポート(流体工学分野)合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000