熱移動論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱移動論
科目番号 0029 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 テーマごとに資料を配布 参考書 伝熱学の基礎」吉田駿,理工学社,JSMEテキストシリーズ「伝熱工学」日本機械学会
担当教員 山下 徹

到達目標

1. 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
2. 簡単な熱問題に対して数値計算を行なうことができる。
3. 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない,結果について評価することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱伝導、熱伝達、熱放射について十分な理解ができており、熱計算において適切な手順を提示し、解を得ることができる。熱伝導、熱伝達、熱放射について基礎的な理解ができており、多少の誤りはあるが熱計算における手順を提示できる。熱伝導、熱伝達、熱放射について理解が不足しており、熱計算における手順に根本的な誤りがある。
評価項目2数値計算について十分な理解ができており、簡単な熱問題に対して、より詳細な条件を考慮した設定や差分化を行ない、計算できる。数値計算について基礎的な理解ができており、簡単な熱問題に対して基礎的な条件設定、差分化を行ない、計算できる。数値計算についての理解が不足しており、熱問題の数値計算において条件設定や差分化に重大な誤りがある。
評価項目3簡単な伝熱問題について、モデル化や条件を適切に設定することができ、結果について評価することができる。簡単な伝熱問題について、多少の誤りはあるがモデル化や条件を検討することができ、結果を得ることができる。簡単な伝熱問題について、モデル化や条件の検討に根本的な誤りがあり、結果を得ることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d2-a) 説明 閉じる
JABEE (d2-c) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱移動論は、温度差に因果して物体間に起きる熱エネルギー伝達の速さを扱う学問である。伝熱現象に関する知識は、温度制御や加熱・冷却、エネルギーの生産・消費を扱うすべての工業分野において重要不可欠である。また、わが国で利用されているエネルギーの90%は、いったんは熱の形態をとることから、エネルギー有効利用や省エネルギー、地球の環境保全の観点からも、熱移動の知識は重要な学問分野であると言える。
本科目では、特に実際の装置、機器への応用を念頭において、問題解決に必要となる計算法や、理論的およびコンピュータによる解析方法を学び、これらの修得を目標としている。
機械工学、電子工学などを学ぶ学生にとって、また将来、ガスタービンやロケット、自動車エンジンなどの熱機関産業、核融合や原子力、電力などのエネルギー産業、冷暖房や冷凍、環境産業、宇宙産業や電子機器産業を指向する学生にとって、熱移動の基礎を理解することはきわめて有用である。
授業の進め方・方法:
本科目は主に講義形式にて実施する。機械知能システム工学科5年の熱流体現象論では伝熱学の基礎的事項を学んだが、本科目では、その内容をさらに深く実践的に取り扱う。また、パソコンを用いた数値シミュレーションについては演習課題にもとづいて学ぶ。さらに、熱管理士試験レベルの問題を演習課題として課すことで、伝熱問題に関する計算能力の向上を目指す。
目標項目の達成度を以下の方法で評価する。試験点を60%、数値解析のレポート評価平均を40%として評価し、最終成績が総合60点以上を合格とする。
注意点:
図書館あるいは書店にある関連図書を利用して授業内容を理解する。
練習問題を数多く解くことで計算力と実践力を養う。
専攻科での学問に求められるのは、単に計算ができれば良いというものではなく、現象・問題に対して深い科学的な理解の下でこれを理解し、解決をはかる力を身につけることです。そのためには、科目に対して主体的に取り組むことが重要です。
(事前指導)毎回の講義後半に次回内容の紹介をするので、参考書の該当箇所を読んでくること。
(事後指導)講義で配布した資料をもとに授業内容を整理し、課題に取り組むことで理解を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目ガイダンスおよび伝熱工学の基礎および問題演習1 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
2週 伝熱工学の基礎および問題演習2 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
3週 伝熱工学の基礎および問題演習3 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
4週 伝熱工学の基礎および問題演習4 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
5週 伝熱工学の基礎および問題演習5 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
6週 伝熱現象の数値解析 差分法による数値計算手法について理解し、説明することができる。
7週 数値解析演習1 差分法による数値計算手法について理解し、具体的な計算を行なうことができる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 数値解析演習2 差分法による数値計算手法について理解し、具体的な計算を行なうことができる。
11週 伝熱問題のモデル化と設計 伝熱問題のモデル化における諸検討方法について理解し、検討を行なうことができる。
12週 伝熱モデル計算演習1 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない、結果について評価することができる。
13週 伝熱モデル計算演習2 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない、結果について評価することができる。
14週 伝熱モデル計算演習3 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない、結果について評価することができる。
15週 〔学年末試験〕
16週 科目総括および熱設計について

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000