科学技術者と法

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 科学技術者と法
科目番号 0030 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない
担当教員 小林 幸人,田浦 昌純

到達目標

1.契約責任,不法行為責任に関する法的知識を習得し,事例に則して問題を考察することができる。
2.労働者としての権利と義務についての基本的知識を習得し,企業で働く際に生じる法的問題について理解し,問題を考察することができる。
3.製造業におけるバリューチェーン、品質マネージメントシステム、環境マネージメントシステムについて理解できる。
4.研究開発と技術契約・特許・倫理規定の関係、PL法(製造物責任法)について理解でき、事例の問題点を指摘できる。
5.さまざまな問題を主体的に考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
契約責任,不法行為責任に関する法的知識を習得し,事例に則して問題を考察することができる。具体的事例について,問題となる事実を指摘し,関連法規の知識を用いて分析・考察することができる。具体的事例について,問題となる事実,関連法規を指摘し,考察することができる。関連法規に関する知識を,具体的事例に適用し,考察することができない。
労働者としての権利と義務についての基本的知識を習得し,企業で働く際に生じる法的問題について理解し,問題を考察することができる。雇用関係に係る具体的事例について,問題となる事実を指摘し,関連法規の知識を用いて分析・考察することができる。雇用関係に係る具体的事例について,問題となる事実,関連法規を指摘し,考察することができる。関連法規に関する知識を,具体的事例に適用し,考察することができない。
製造業におけるバリューチェーン、品質マネージメントシステム、環境マネージメントシステムについての理解4. 製造業におけるバリューチェーン、品質マネージメントシステム、環境マネージメントシステムについて、詳細に説明できる。 製造業におけるバリューチェーン、品質マネージメントシステム、環境マネージメントシステムについて、概略、説明できる。 製造業におけるバリューチェーン、品質マネージメントシステム、環境マネージメントシステムについて説明できない。
研究開発と技術契約・特許・倫理規定の関係、製造物責任法研究開発と技術契約・特許・倫理規定の関係、PL法(製造物責任法)について詳細に説明できる。研究開発と技術契約・特許・倫理規定の関係、PL法(製造物責任法)について、概略、説明できる。研究開発と技術契約・特許・倫理規定の関係、PL法(製造物責任法)について理解でき、事例の問題点をv
課題の提出状況授業中の小課題等の提出状況が80%以上。授業中の小課題等の提出状況が60%以上。授業中の小課題等の提出状況が60%未満。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は,「技術倫理」と対応し,現代社会の根幹を支える科学技術に携わる者として理解すべき法的責任の問題を取り扱う。技術者は様々な立場において法的な責任を要求されると同時に権利を承認される。本講義では,様々な法的責任,権利に関する知識を習得すると同時に法的思考方法を理解することを目的とする。なお,知的財産権に関しては,「技術開発と知的財産権」で主として取り扱う。
授業の進め方・方法:
授業は2名によって分担する。それぞれの担当箇所については,次の通り。授業スケジュールの1〜7及び15(担当:小林),8〜14(担当:田浦)。
授業は基本的には講義形式で行われるが,理解を深めるために,グループ討論や演習なども取り入れる。
注意点:
法的知識は,非常に複雑で広範囲に及ぶために,暗記するという性質の授業ではありません。事例を多く用いる予定なので,その事例に関して,何が法的に問題となるのかをしっかり考えてください。

質問等は,いつでも受け付けます。担当教員のスケジュールを確認し,来室してください。また,メールでの質問にも対応しますので,活用してください。
授業に関する情報発信を以下のページで行う予定です。併せて活用してください。

授業内容に関する演習問題を配付。また,授業内容の理解を深め,定着させるために,該当箇所に関する参考文献等を指示し,授業中の課題などで理解度を確認させる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス:法的思考方法について 法の論理構造や法的責任の基本的考え方を理解し,説明できる。
2週 法学概論:契約責任と不法行為責任 契約責任と不法行為責任の違い,両者を根拠とした賠償責任の考え方について理解し,事例に応用できる。
3週 雇用契約と労働紛争:労働者の権利と義務 労働契約の基本および労基法上保証される労働者の権利と義務について基本的知識を得る。
4週 研究上の業績に対する権利:職務発明制度 職務発明制度の概要について理解し,現行制度の問題について考察できる。
5週 消費者への責任:消費者基本法と消費者政策 消費者政策の変遷について理解し,現代社会における消費者保護の在り方について考察できる。
6週 公衆に対する責任:公益通報者保護制度 公益通報者保護制度の概要について理解する。公衆に対する責任と労働者の権利,責任について考察できる。
7週 社会的責任 企業などの組織が負う社会的責任について,ISOの概要を手がかりに理解し,具体的な取り組みについて考察することができる。
8週 製造業におけるバリューチェーン 製造業におけるバリューチェーンを理解し、自分の志望する業界で、一つの製品を想定し、サプライチェーンを説明できる。
4thQ
9週 品質マネージメントシステム ISO9000 "品質マネージメントシステムの意義と内容を理解でき、自分の志望する業界で、一つの製品を想定し、品質マネージメントシステムにおけるプロセスアプローチを記載し、説明できる。
10週 環境マネージメントシステム ISO14000 環境マネージメントシステムの意義と内容を理解でき、自分の志望する会社のCSR報告の中で環境マネージメントに関する内容を説明できる。
11週 研究開発と技術契約 自分の志望する業界で、技術契約に基づく紛争事例を調査し、説明できる。
12週 研究開発と特許 自分の志望する業界の特許上の原因で発生した紛争事例を調査し、説明できる。
13週 製造物責任法 自分の志望する業界の製造物責任法に関連した事故または、紛争事例を調査し、説明できる。
14週 研究開発と倫理規定 倫理規定について理解し、ある判断基準を持って事例を考察できる。
15週 リスク社会と法 リスク社会における法的責任、倫理的責任について考察できる。
16週 まとめ 法的責任と倫理的責任の異同,技術者の責務,役割について考察することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度(小課題)ポートフォリオ課題(レポート)合計
総合評価割合01505080100
基礎的能力000504550
実務的能力0150003550