基礎数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 基礎数学Ⅰ
科目番号 30G105 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:新井一道他「新基礎数学」,「新基礎数学問題集」:大日本図書 ,参考書:高校の数学I,数学II,数学Aに関連する参考書
担当教員 北川 友美子,原口 忠之,武口 博文,池田 昌弘

到達目標

(1) 実数・複素数を理解し,文字式を含む計算ができ,高次方程式を解くことができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(2)不等式の性質を理解し,高次不等式を解くことができる.また,相加平均と相乗平均の関係を用いることができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(3)集合の概念を理解し,命題の証明に応用することができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(4)図形(直線,円,楕円,双曲線)の性質を理解し,図形を描き,これらの関係式を求めることができる.(定期試験・到達度試験・課題)
(5)順列・組み合わせを用いて,基本的な計算ができる..(定期試験・到達度試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実数の概念の拡張となる複素数を理解し,計算できるようになる.さらに,剰余の定理,因数定理を用いて,高次方程式を複素数の範囲で解くことができる.複素数の計算ができる.解の公式を利用できるだけでなく,因数定理,剰余の定理を理解して,方程式を解くことができる.複素数や文字式の計算をスムーズに解くことができず,方程式を的確に解くことができない.
評価項目2文字式を用いた不等式の性質を理解し,連立不等式や,高次不等式を解くことができる. また,相加平均と相乗平均の関係を利用して,複雑な不等式を証明することができる.基本的な不等式を解くことができ,相加平均と相乗平均の概念を理解し,不等式の証明に利用することができる.不等式の概念を理解しきれず,基本的な不等式の問題を解くことができない.
評価項目3集合論の抽象的な概念を理解し,ド・モルガンの法則をはじめ基本的な性質をりようすることができる. また,対偶を用いた証明や,背理法を用いた証明を理解し,集合論の概念をこれらに応用することができる.集合論の基礎的な概念(部分集合,補集合,共通部分,和集合)を理解し,これらの集合を表現することができる. また,命題を理解し,証明ならびに反例をあげることができる.集合を具体的に書き下すことが難しい.命題の基本的な証明を与えることができない.
評価項目4図形(直線,円,楕円,双曲線)の性質を理解し,これらのグラフを描くことができ,方程式を求めることができる.また,図形が表す領域を理解し,線形計画法を利用することができる.図形の基本的な性質を理解し,方程式や図形を表すことができる. また,不等式が表す領域を求めることができる.方程式から曲線が表す図形を求めることができず,領域の概念を理解できない.
評価項目5順列・組み合わせの応用とした円順列や複雑な場合の数を計算することができる.順列・組み合わせの概念を理解し,基本的な場合の数の計算ができる.順列・組み合わせの概念を理解できず,基本的な場合の数の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業の概要:中学校でも学んでいる数式の計算などの基礎的事項を徹底させながら,方程式,直線,2次曲線へと発展させる.さらに,順列・組み合わせの基本的な概念を学ぶ.これから高専で工学を学んで行くための数学に関する基礎学力を身につけることを目的とする.定期試験のほかに年4回の到達度試験を行う.

関連科目:基礎数学II,微分積分I・II,線形代数,微分方程式
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.数学の基本的な概念を理解し,その概念を用いた数値計算をできるようにする.
注意点:
履修上の注意:予習・復習の習慣をつけておくこと.指名された問題は,次の授業の前にその解答を板書しておくこと.

自学上の注意:予習・復習をしておくこと.特に復習に時間を十分にかけること.

総合評価:
達成目標の(1),(2),(3),(4)について定期試験4回,到達度試験4回の合計8回の試験と課題で評価する.
総合評価=(定期試験60%+到達度試験20%+課題20%)とする.
総合評価60点以上を合格とする.なお,出席状況・授業中の態度により10%を上限として減点する.40点以上60点未満の場合は再試験を行う.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 整式の四則演算 整式の加減除法の計算が正しく行える.
2週 因数分解 組み立て除法の因数分解ができる.
3週 剰余の定理と因数定理
高次の因数分解ができる.
4週 練習問題 繁分数式の計算ができ因数分解に応用できる.
5週 分数式の計算 整式の除法について理解し,計算に応用することができる.
6週 実数,平方根,複素数 有理数,無理数を理解し,複素数の概念を理解し計算することができる.
7週 2次方程式 解の公式を理解し,虚数解を求めることができる.
8週 練習問題 上記の内容の問題を解くことができる.
2ndQ
9週 前期中間試験 試験で理解度を測る.
10週 解と係数の関係① 因数分解に応用することができる.
11週 解と係数の関係② 解と係数の関係,2次方程式について,理解を深めることができる。
12週 等式の証明 証明問題を正しく認識できる.
13週 2次不等式 基本的な不等式を計算できる.
14週 不等式の証明 関数の性質を理解し不等式に応用することができる.
15週 前期中間試験 試験で理解度を測る
16週 前記中間試験の解答・解説 誤った点を復習する.
後期
3rdQ
1週 集合と命題 集合の概念を理解し,命題の証明に応用できるようにする.
2週 2点間の距離 2点間の距離のみならず,内分点,重心について理解し,これらの座標を求めることができる.
3週 直線の方程式 直線の性質を理解し,平行・垂直な直線を求めることができる.
4週 練習問題 基本的な問題を解くことができる.
5週 円・楕円 円と楕円の図形的な性質を理解し,これらを表す方程式を求めることができる.
6週 双曲線・放物線 双曲線と放物線の図形的に性質を理解し,これらを表す方程式を求めることができる.
7週 不等式と領域 不等式が表す領域を理解し,線形計画法を利用して最大値,最小値を求めることができる.
8週 練習問題 演習問題を多く解くことで,理解度を深める.
4thQ
9週 後期中間試験 試験で理解度を測る.
10週 場合の数・順列 基本的な場合の数の計算ができる.また,順列の公式を利用して,基本的な計算ができる.
11週 重複順列 順列の応用として,重複順列の計算ができる.
12週 組み合わせ 組み合わせの基本的な概念を理解し,計算ができる.
13週 円順列 円順列の概念を理解し,様々な計算ができる.
14週 二項定理 組み合わせの概念を利用して二項定理を導き,この公式を用いて,係数を求めることができる.
15週 学年末試験 試験で理解度を測る.
16週 学年末試験の解答と解説 誤った点を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前3
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1,前2,前5
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前6
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前6
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前6
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前7,前10,前11
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前3
簡単な連立方程式を解くことができる。3前1,前7
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3前7
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3前13,前14
恒等式と方程式の違いを区別できる。3前12
2点間の距離を求めることができる。3後2
内分点の座標を求めることができる。3後2
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3後3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3後5
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3後5,後6
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3後2,後3,後5,後6,後7
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3後10,後11
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3後10,後11,後12,後13

評価割合

定期試験到達度試験課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力30202070
専門的能力300030