微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 30G303 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 一般科目 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 齋藤純一他,「新微分積分I」,「新微分積分II」,大日本図書/齋藤純一他,「新微分積分I問題集」,「新微分積分II問題集」,大日本図書/参考図書:微分積分学の参考書
担当教員 樋口 勇夫,北川 友美子,原口 忠之,三浦 義隆

到達目標

(1)1変数関数の積分を使って面積・長さ・体積および位置・速度などが求められる.(定期試験・課題)
(2)2変数関数の偏微分・重積分を学ぶことにより,多変数関数の概念・性質をより深く理解する.(定期試験・課題)
(3)2変数関数の偏微分・重積分の計算と応用ができる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11変数関数の積分を用いて,さまざまな関数の面積・曲線の長さ・体積の計量を多様な手法で求めることができる.微分積分の応用として,動点の位置・速度・加速度を求めることができる.1変数関数の積分を用いて,具体的な関数の面積・曲線の長さ・体積の計量を定積分を用いて求めることができる.また,動点の位置・速度・加速度を求めることができる.定積分の計算を用いて,関数の曲線の長さ・面積・体積の計量を求めることができない.
評価項目2高次近似式を理解し,マクローリン展開を求めることができ,級数の関係性について理解を深めることができる.2次近似式を計算することできる.また,基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる.また,数列・級数の極限値を求めることができる.近似式の計算をすることができず,数列や級数の極限を計算することができない.
評価項目32変数関数の偏微分・重積分の計算ができ,変数変換を用いて,複雑な重積分の計算をすることができる.また,これらを利用して,2変数関数の曲面の面積を求めることができる.また領域の重心を求めることができる.2変数関数の偏微分・重積分を計算することができ,極座標を用いて変数変換することができる.2変数関数の基本的な偏微分・重積分の計算をすることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微分積分Iでは,1変数関数の基本的な関数の微積分を学んだ.微分積分IIでは,それらを基礎にして,積分のいろいろな応用,関数の級数展開および2変数関数の微積分すなわち偏微分・重積分とその応用(極値問題,曲面積など)を学ぶ.この授業は微分方程式,応用数学I・IIに深く影響するだけでなく,線形代数とも関連性がある.
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.1変数関数における曲線・面積・体積の軽量を求めることで、積分の性質を学習する.さらに,2変数関数における偏微分の概念を理解し,合成関数・高次偏導関数を求めることができるようにする.また,2変数関数における累次積分を計算できるようにし,それらの応用を学習することを目的とする.
注意点:
予習・復習をしておくこと.特に復習に時間を十分かけること.問題を指名されたものは,次回の授業前に解答を黒板に板書しておくこと.後期に1,2年の復習のための到達度試験(2回)と全国一斉の学習到達度試験を実施し,その結果を総合評価に加える.課題ノート・課題プリントは,提出日を厳守し,必ず提出すること.


総合評価が60点以上を合格とする.なお,出席状況・授業中の態度により10%を上限として減点する.また,総合評価が40点以上60点未満の学生に対して再試験を実施する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 曲線の長さや回転体を含む立体の体積を求める. 曲線の長さや,立体の体積の計量を定積分を用いて求めることができる.
2週 媒介変数表示による図形の面積,曲線の長さを求める. 媒介変数表示の図形や曲線の計量を定積分を用いて求めることができる.
3週 極座標による図形の面積や長さを求める. 極座標の概念を理解し,図形の面積や曲線の長さを求めることができる.
4週 広義積分を計算する. 広義積分の概念を理解し、計算することができる.
5週 多項式による近似式を求める. 多項式の近似式を求めることができ,その有用性を具体的な関数を用いて理解する.
6週 数列の極限を理解する. 数列や級数の収束・発散について理解し,数列の極限を求めることができる.
7週 関数のマクローリン展開を求める. マクローリン展開とその存在範囲を求めることができる.
8週 オイラーの公式を求める. オイラーの公式を求め,その性質を理解する.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の解説
2変数関数の図形を求める.
試験で誤ったところを復習する.
2変数関数の図形の特徴を理解し,描くことができる.
11週 2変数関数の偏微分・全微分を求める. 2変数関数の偏微分・全微分の概念を理解し,求めることができる.
12週 接平面の方程式を求める. 偏微分を用いて,曲面の接平面を求めることができる.
13週 合成関数の微分を求める. 合成関数の性質を理解し,求めることができる.
14週 練習問題 今まで学習した内容を演習を通して、定着させる.
15週 前期末試験
16週 前期期末試験の解説 試験で誤った点を復習する.
後期
3rdQ
1週 高次偏導関数を求める. 高次偏導関数の性質を理解し,その特質を利用して偏導関数求めることができる.
2週 2変数関数の極大値,極小値を求める. 2変数関数の極値条件を理解し,その条件を利用して,極値を求めることができる.
3週 陰関数の微分方を理解し計算する. 陰関数を用いて,多変数の(偏)微分を計算をすることができる.
4週 条件付き極値問題を解く. ある条件のもとで極値を求め,さらに最大値・最小値を求める.
5週 包絡線を理解し,その方程式を求める. 包絡線の概念を理解し,その方程式を求めることができる.
6週 2重積分の定義を理解し,基礎的な問題を解く. 2変数関数における積分の概念を理解し,具体的に計算する.
7週 2重積分(累次積分)の計算をする. 累次積分を計算するだけでなく,積分順序を変更して計算することができる.
8週 練習問題 今まで学習した内容を演習を通して、定着させる.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解説
2重積分を用いて立体の体積を求める.
試験で誤った点を復習する.
曲面等で囲まれた立体の体積を求めることができる.
11週 極座標による2重積分を計算する. 極座標を用いて,変数変換をして2重積分を求めることができる.
12週 変数変換を用いて,2重積分の計算をする. 任意に変数変換をして,2重積分を計算することができる.
13週 2重積分における広義積分を計算する. 2重積分による広義積分を理解し,計算することができる.
14週 2重積分のいろいろな応用を理解する. 2変数関数の曲面の面積を求めることができる.また,領域の重心を求めることができる.
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解説 誤った点を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3前6,前8,前9
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前6,前8,前9
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前1,前8,前9
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前1,前8,前9
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前10,前14,前15,前16
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前13,後8,後9,後10
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後1,後8,後9,後10
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後2,後8,後9,後10
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後6,後7,後8,後9,後10
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後11,後15,後16
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後10,後15,後16
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前5,前8,前9
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前7,前8,前9
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前9,前14,前15,前16

評価割合

定期試験到達度試験課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力40151570
専門的能力100010
分野横断的能力105520