化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 R02G109 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)井口洋夫ほか,「Primary大学テキスト 化学」実教出版/(参考図書) 「フォトサイエンス 化学図録」数研出版
担当教員 二宮 純子

到達目標

(1) 物質の基本的な構造を粒子的に理解できる.(定期試験と課題)
(2) 化学反応の仕組みを具体的な反応を通して理解できる.(定期試験と課題)
(3) 物質の状態と変化の背後にある原理について学ぶことができる.(定期試験と課題)
(4) 物質量の概念を十分に理解し議論できる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 物質を構成する原子、分子、イオンについて説明ができる物質を構成する原子、分子、イオンについて理解できる原子、分子、イオンの違いを理解していない
評価項目2化学反応式から量的関係について考え、計算することが出来る化学反応を化学反応式で表し、計算問題を解くことができる反応物、生成物、係数を理解していない
評価項目3物質の状態と変化について、熱運動を理解し、エネルギー変化を説明できる物質の状態と変化に伴う、エネルギーの出入りを理解できる物質の状態と変化に伴う、エネルギーの出入りを理解していない
評価項目4物質量の概念を理解し、粒子数、質量、気体の体積について説明できる物質量から原子・分子・イオンの粒子数、質量、気体の体積の換算ができる物質量の概念を理解していない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工業高専における各専門教育を習得するための基礎的な学力を養うために,物質科学の基礎としての化学を原子・分子という微視的観点から学ぶことによって物質の成り立ちについての理解を深める.更に,原子・分子の集合体という巨視的観点から物質をとらえ,物質の状態と変化の背後にある原理について学ぶことによって,より一層物質についての理解を深めることを目指す.授業時間数46.5時間.
授業の進め方・方法:
試験7割、課題(提出物、小テストを含む)3割で総合評価する。
(再試験について)
総合評価点60点未満の学生のうち、課題プリントを全て提出し、ファイルに綴じている学生を対象にした再試験を実施する。
注意点:
(履修上の注意)
常に予習・復習を欠かさないこと.教科書の問題を確実に理解すること.与えられた課題は成績に加味するので,必ず提出すること.
(自学上の注意)
課題プリントは復習後別ファイルに綴じ,自学自習時間を記入すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学と人間生活 身の回りの化学物質の性質、用途など、生活との関わりについて理解できる.
2週 物質の構成粒子 純物質と混合物を理解し,混合物の分離・精製法について説明できる.
3週 原子・分子 元素,単体と化合物,同素体を理解できる.
4週 電子配置とイオン 原子の構造と電子配置,イオンの生成と電子配置を理解する.同位体について説明できる.
5週 希ガスの電子配置
最外殻電子と価電子の違いを理解し,閉殻構造を説明できる.
6週 イオンの生成とエネルギー イオンの種類,イオンの大きさを理解し,イオン化エネルギーと電子親和力を説明できる.
7週 元素の周期表 元素の性質を周期律から考えることができる.
8週 原子の相対質量と原子量
原子の相対質量とその存在比から原子量を求めることができる.
2ndQ
9週 物質量と質量の関係
原子量,分子量,式量を求めることができる.物質量と質量の関係を説明できる.
10週 アボガドロの法則
微小な粒子を扱うには,ある一定の量(アボガドロ定数)を考えて,それを単位として扱うほうが便利であることを理解できる
11週 1molの気体の体積と物質量
気体については物質量と質量、その気体の体積の関係を説明できる.
12週 化学変化と化学反応式
化学反応(化学変化)を化学反応式で表すことができる.
13週 期末試験範囲の総復習
化学用語を正しく理解し,物質量を用いて物質の量(質量、気体の体積など)を表すことができる.
14週 前期末試験

15週 前期末試験の解答と解説 分からなかったを把握し理解できる
16週
後期
3rdQ
1週 化学反応式と量的関係
化学反応式が表す量的関係を理解し,物質量を用いて計算できる.
2週 溶液の濃度


質量パーセント濃度、モル濃度の計算ができる.
3週 イオン間の結合

イオン結合とイオン結晶の性質を理解できる.
4週 原子間の結合
共有結合を理解し,電子式・構造式と分子構造を書き表すことができる.
5週 配位結合,極性,分子間力と水素結合
分子間の結合について理解し,分子からなる結晶の性質を説明得できる.
6週 金属結合と金属の結晶
自由電子と金属結合を理解し,金属の性質を説明できる.
7週 粒子の運動と状態変化
物質を構成する粒子の熱運動を理解し,物質の三態とその状態変化を説明できる.
8週 蒸気圧と沸騰
蒸気圧曲線を用いて、大気圧と沸点の関係を説明できる.
4thQ
9週 中間試験
10週 ボイルの法則とシャルルの法則
気体の体積、絶対温度、圧力の関係を理解できる.
11週 ボイル・シャルルの法則
ボイル・シャルルの法則を理解し,計算ができる.
12週 気体の状態方程式,気体の分子量
気体の状態方程式を理解し,計算ができる.
13週 混合気体の分圧の法則,混合気体の平均分子量
混合気体の圧力について理解し,混合気体の平均分子量を計算できる.
14週 理想気体と実在気体
理想気体と実在気体について理解し,状態方程式の適用を説明できる.
15週 学年末試験
16週 学年末考査の解答と解説 わからなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前3
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3後3
水の状態変化が説明できる。3後3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3後3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後6,後7
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後8
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前4
価電子の働きについて説明できる。3前4
原子のイオン化について説明できる。3前4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前4
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前5
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前13
イオン結合について説明できる。3前13
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前13
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前14
共有結合について説明できる。3前14
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前14
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3後2
金属の性質を説明できる。3後2
原子の相対質量が説明できる。3前6
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前6
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前7
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前7
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前8
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前11
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前11
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前12
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後14

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000